AIで人間がクリエイティブに
働ける社会をつくりたい

AIで人間が
クリエイティブに働ける
社会をつくりたい

AIで人間がクリエイティブに
働ける社会をつくりたい

私がキヤノンに入社したのは2001年ですが、入社当初から先端技術開発部門でConvolutional NNを用いた顔検出や表情認識、個人識別のアルゴリズム開発を担当していました。「AI」という言葉は昔からありましたが、当時はまだ「SF世界の言葉」と認識されていた程度だったので、入社時から研究していた技術が現在のAIを支える技術に発展していることは感慨深いですね。

2005年からは生産部門と連携して、部品の外観検査工程の自動化、2008年からは部品供給用の3Dマシンビジョンシステムの開発を担当しました。これはパレット内にバラ積みされた部品を高速・高精度に3次元認識する装置であり、「ロボットの眼」の役割を果たします。それまで人が行っていた煩雑なピッキング作業の自動化に成功しました。この3Dマシンビジョンシステムは、現在は製品化されさまざまな生産現場で活用されています。

最近では、「AIが人間の仕事を奪う」という論調の話も耳にしますが、私はそうは思いません。AIに単純作業を任せることで、より多くの人がクリエイティブな仕事に就ける社会になれば素晴らしいですし、そうした社会に貢献できる技術を開発していきたいと考えています。

求められるのは、AI技術を
ビジネスにつなげていく力

人間の認知はかなりの部分を「視覚」に頼っているので、AIによる自動化、効率化を考えたとき、キヤノンが有している画像・映像に関する高度な情報処理技術は大きなアドバンテージになるでしょう。また、キヤノンはカメラや複写機など、入力から出力まで画像・映像に関わるあらゆる製品を扱っています。AIに関してもソフトウエアだけでなく、ハードウエアを含め包括的に提供できることも、キヤノンでAI技術に携わる醍醐味であると考えています。

もちろん、提供するモノやサービスは、何らかの課題を解決できるものでなければなりません。これからのキヤノンの技術者は、顧客や社会のニーズに深く切り込んで課題を抽出するなど、AI技術をビジネスにつなげていく力が求められるでしょう。

昨今では、さまざまな業界・分野で、AIに関する技術的なプラットフォームがかなり充実してきたので、昔に比べるとAIに関する研究開発を進めやすい環境が整いました。しかし、最後の最後は自分たちで、AI技術をビジネスに変えていく努力が必要です。そこに面白さを見出せる方と一緒に仕事をしていきたいですね。