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コーポレート・ガバナンス

基本的な考え方および体制

基本的な考え方

キヤノン(株)は、企業が健全なコーポレート・ガバナンス体制を確立し、継続的に企業価値を向上させていくためには、経営における透明性の向上と経営監視機能の強化が不可欠であると考えています。また同時に、企業の永続的な発展のためには、役員、執行役員および従業員一人ひとりの倫理観と使命感も極めて重要であると認識しています。

ガバナンス体制

基本方針

キヤノン(株)は、プリンティング、メディカル、イメージング、インダストリアルなどの複数の事業領域において世界的に事業を展開しており、今後、新たな事業領域にも積極的に展開していきたいと考えています。各事業領域ごとに迅速な意思決定を行いつつ、キヤノングループ全体またはいくつかの事業領域にまたがる重要な意思決定を全社視点で行い、他方、意思決定および執行の適正を確保するには、以下のコーポレート・ガバナンス体制が有効であると判断しています。

持続的な企業価値向上に向けた、ガバナンス体制の変遷

持続的な企業価値向上に向けた、ガバナンス体制の変遷

コーポレート・ガバナンス体制

コーポレート・ガバナンス体制図

取締役会

CEO、COO、CFO、CTOといった全社的事業戦略または執行を統括する代表取締役と、複数の事業領域または本社機能を統括する代表取締役または業務執行取締役を中心としつつ、経営の健全性を担保するため、2名以上かつ3分の1以上の独立社外取締役を加えた体制としています。取締役会は、法令に従い、重要な意思決定と執行状況の監督を行います。それ以外の意思決定と執行については、CEO以下の代表取締役がこれを行うほか、代表取締役の指揮・監督のもと、取締役会決議により選任される執行役員が各事業領域または機能の責任者としてそれぞれ意思決定と執行を担います。現在、取締役会は、代表取締役3名を含む社内出身者6名、独立役員である社外取締役4名(女性1名含む)の計10名から構成されています。

取締役増員の理由

当社が執行役員制度を導入した2008年には25名であった取締役は、迅速かつ機動的な経営を目指して以後段階的に減員し、2021年からは社内出身の取締役3名、社外取締役2名の計5名でした。

この間、当社は業務執行を司る執行役員を中心に漸次その増強を進めてきましたが、2024年より、執行の監督にあたる取締役会についても、事業ポートフォリオの転換、業容の拡大、成長領域の多様化等への対応力の強化を図るとともに、次世代経営者のスキルアップ、育成の観点からも、人員補強による取締役会の機能強化を行うことにしました。

そこで、取締役会全体として求められるスキルに合致する能力、経験を持つ者であることを第一に考え、社内から、海外事業、先端技術および財務の各分野で大きな成果を残してきた人材を新たに取締役に登用し、取締役会の執行監督機能の強化を図っています。

また、当社のビジネス領域は、BtoBからBtoCまで広範囲に亘っており、加えて、SDGsはもちろん、地政学的リスク、経済安全保障、サイバーテロ等、当社取締役会が対応すべき経営課題は益々広がっています。この拡大する取締役会の守備範囲は、社内登用では充分カバーできない領域を含んでおり、社外の有識者の知見を生かす必要性が高まっています。このため、独立した立場で、中長期的な視点に基づき、助言、監督をいただける社外取締役も増員することとしました。これにより、取締役は10名となり、その内社外取締役は4名(全体の1/3超)となりました。

なお、動きの激しい経営環境の下、取締役会のあり方についてはその実効性を含め適宜検証を継続し、経営環境と必要性に応じて適切に対応していきます。

監査役会

取締役会から独立した独任制の執行監査機関として、キヤノン(株)の事業または経営体制に精通した常勤監査役と、法律、財務・会計、内部統制などの専門分野に精通した独立社外監査役を置くこととしています。これら監査役から構成される監査役会は、キヤノン(株)の会計監査人および内部監査部門と連携して職務の執行状況や会社財産の状況などを監査し、経営の健全性を確保します。監査役は、現在5名であり、内3名が独立社外監査役です。監査役は、監査役会で決定した監査方針、監査計画に従い、取締役会、経営戦略会議など社内の重要会議への出席、取締役などからの報告の聴取、重要な決裁書類などの閲覧、キヤノン(株)および子会社の業務および財産の状況の調査などを行っています。また、取締役等の指揮命令から独立した監査役室を設置し、専任従業員を配置しており、必要な場合には、監査役は、本社管理部門などに調査を指示することができます。これらにより、内部統制システムの整備・運用状況を含む取締役などの職務執行に対する厳正な監査を実施し、経営への監視機能を果たしています。また、内部監査部門および会計監査人と密接に連携することなどにより、監査の実効性の向上を図っています。

指名・報酬委員会

キヤノン(株)は、代表取締役CFO、独立社外取締役4名および独立社外監査役1名から成る任意の「指名・報酬委員会」を設けています。取締役・監査役の候補者の指名および執行役員の選任(最高経営責任者の後継者の選定を含む)に際しては、所定の要件を満たすと認められる者の中から代表取締役CEOが候補を推薦し、その推薦の公正・妥当性を当該委員会にて確認の上、取締役会に議案として提出、審議しています。

特に最高経営責任者の後継者候補につきましては、経営幹部の研修制度、執行役員選抜後の人事異動や全社的プロジェクトへの関わりなどを通じた経営経験の蓄積を図るしくみを通じ、CEOが自らの責務のもとで候補の選定・育成を行っており、その過程を「指名・報酬委員会」が確認します。

また、監査役候補者については、取締役会の審議に先立ち、監査役会において審議し、その同意を得るものとしています。

経営戦略会議

キヤノン(株)は、独立社外取締役を含む取締役、監査役及び一部の執行役員で構成する経営戦略会議を置き、CEOの決定事項のうち、グループ戦略に関わる重要案件につき、事前審議をしています。

リスクマネジメント委員会

また、取締役会決議にもとづき、キヤノングループのリスクマネジメント体制の整備に関する方針や施策を立案する「リスクマネジメント委員会」を置いています。同委員会は、財務報告の信頼性確保のための体制の整備を担当する財務リスク分科会、企業倫理の徹底および遵法体制の整備を担当するコンプライアンス分科会、品質リスクや情報漏えいリスクなどの事業リスク全般の管理体制の整備を担当する事業リスク分科会の3つの分科会から構成されています。「リスクマネジメント委員会」は、リスクマネジメント体制の整備・運用状況を検証し、その結果をCEOおよび取締役会に報告する役割を担っています。

開示情報委員会

その他、重要会社情報の適時、正確な開示のため、開示情報の内容や開示時期などを審議する「開示情報委員会」を置いています。

内部監査部門

キヤノン(株)は内部監査部門として経営監理室を設置しており、同室は、遵法や内部統制システムなどの監査および評価と提言を行っています。また、品質や安全衛生等のテーマについても、同室が監査を実施しています。監査結果は、CEO、CFOのほか、監査役と内部監査部門の連携状況の通り監査役および監査役会に報告されます。また、社外取締役にも定期的に報告が行われ、社外取締役が必要に応じて取締役会への付議を求めることができる体制としています。

経営陣幹部の選任および取締役・監査役候補の指名に関する方針と手続き

取締役・監査役の候補者および執行役員は、性別、国籍、年齢など、個人の属性に関わらず、その職務を公正かつ的確に遂行することができると認められる者であって、次の要件を満たす者から選出することを原則としています。

取締役・監査役の候補者および執行役員の要件

代表取締役・
業務執行取締役
当社の経営理念、行動規範を真に理解しているとともに、執行役員の経験などを通じて当社の事業・業務に広く精通し、複数の事業や機能を俯瞰した実効的な判断ができること。CEOについては、これらに加えて、特に経営に関する豊富な知見と能力を有し、明確なビジョンと強い責任感をもって当社グループを導いていくことができると認められる者であること
独立社外取締役 取締役会が別途定める独立性判断基準を満たすほか、企業経営、リスク管理、法律、経済などの分野で高い識見および豊富な経験を有すること
監査役 当社の事業もしくは経営体制に精通し、または法律、財務・会計、内部統制などの専門分野で高い識見および豊富な経験を有すること。社外監査役については、取締役会が別途定める独立性判断基準を満たすこと
執行役員 管理職アセスメント、経営人材選抜研修などにおいて人格面・能力面で高い評価を受けた者であって、特定分野の執行責任を担うに十分な知識・経験と判断能力を有しており、かつ、当社の経営理念、行動規範を真に理解していること

取締役会全体のスキル

当社は、「共生」の理念に基づき、より良い社会の実現に向け、テクノロジーとイノベーションの力で新たな価値を創造し、世界初の技術、世界一の製品・サービスを提供するとともに、社会課題の解決にも貢献することを目指しています。

その上で、BtoBからBtoCまで、市場環境が異なる多様な分野の事業を世界中で展開しています。

そのような当社において、取締役会が適切な意思決定と執行監督を継続し、以て経営目標を着実に達成していくためには、すべての構成員が「共生」の理念を共有することに加え、当社事業領域に関する市場や技術上の知見、幅広く活動する大規模企業での経営スキル、高度な国際感覚、ESGに関する高度な知識等、取締役会全体として、少なくとも下表7つの領域のスキルを保有する必要があると考えています。

※下表は、各人に対し特に発揮してもらいたいと期待するスキルの領域の最大5項目を示しました。各人のすべての経験、知識、もしくはスキルの有無を表すものではありません。

取締役 取締役会全体として保有すべきスキル
企業経営 国際性 事業経験 技術開発 財務会計 リスク管理 ESG
グローバルに事業展開する上場企業等の経営責任者としてのスキル 海外勤務、グローバルマーケティングへの従事等を通じた国際感覚・経験 当社の事業領域における事業運営のスキル 当社のコアコンピタンス技術に関する知識と研究開発の経験 上場企業の財務会計責任者、公認会計士等、財務会計の専門家としてのスキル リスク管理(コンプライアンスを含む)や内部統制システムに関する専門家としてのスキル ESGに関する知識と経験
御手洗 冨士夫    
田中 稔三      
本間 利夫      
小川 一登      
武石 洋明      
浅田 稔      
川村 雄介        
池上 政幸          
鈴木 正規        
伊藤 明子          

社外取締役および社外監査役の機能および役割、独立性、選任に関する考え方

キヤノン(株)は、金融商品取引所が定めるコーポレートガバナンス・コード(原則4-9)および独立性基準を踏まえ、独立社外取締役および独立社外監査役の独立性を担保するための基準を明らかにすることを目的として、全監査役の同意のもと、取締役会の決議をもって「独立社外役員の独立性判断基準」を制定しています。なお、当該基準は、キヤノン(株)のWebサイトに掲載しています。キヤノン(株)の社外取締役および社外監査役はすべて当該「独立性判断基準」を満たし、取締役会の透明性とアカウンタビリティの維持向上に貢献する役割を担っています。なお、キヤノン(株)は、社外取締役および社外監査役全員について東京、名古屋、福岡および札幌の各証券取引所が定める独立役員として、同取引所に届け出ています。

参考:独立社外役員の独立性判断基準

 当社は、社外取締役・社外監査役の要件および金融商品取引所の独立性基準を満たし、且つ、次の各号のいずれにも該当しない者をもって、「独立社外役員」(当社経営陣から独立し、一般株主と利益相反が生じるおそれのない者)と判断する。

  1. 当社グループ(当社およびその子会社をいう。以下同じ。)を主要な取引先とする者もしくは当社グループの主要な取引先またはそれらの業務執行者
  2. 当社グループの主要な借入先またはその業務執行者
  3. 当社の大株主またはその業務執行者
  4. 当社グループから多額の寄付を受けている者またはその業務執行者
  5. 当社グループから役員報酬以外に多額の金銭その他の財産を得ているコンサルタント、会計専門家または法律専門家(法人、組合等の団体である場合は当該団体に所属する者をいう。)
  6. 当社グループの会計監査人である監査法人に所属する公認会計士(当社の直前3事業年度のいずれかにおいてそうであった者を含む。)
  7. 社外役員の相互就任関係となる他の会社の業務執行者
  8. 各号に該当する者のうち、会社の取締役、執行役、執行役員、専門アドバイザリーファームのパートナー等、重要な地位にあるものの近親者(配偶者および二親等以内の親族)
社外取締役および社外監査役
区分 氏名 選任理由
社外取締役 川村 雄介 証券会社勤務を経て大学教授、財務省や金融庁の審議会委員、日本証券業協会の特別顧問などを務め、金融・証券制度や金融機関の経営戦略の専門家であるとともに、社外取締役としての経験も豊富であることから、その豊富な経験および金融・証券に関わる高度な知見に基づき、M&A、株主・投資家の視点を踏まえたESG関連テーマの議論等において、特に有益な助言がいただけるものと期待し、社外取締役として選任しています
池上 政幸 名古屋、大阪各高等検察庁検事長等の要職を歴任後、約7年間、最高裁判所判事を務められるなど、長年法曹として企業案件を含む様々な事案に関わっており、その豊富な経験および高度な知見に基づき、特に企業のコンプライアンス確保の観点を含む内部統制の仕組みやコーポレートガバナンスのあり方に関し、有益な意見および監督をいただけるものと期待し、社外取締役として選任しています
鈴木 正規 長年の財務省勤務の後、環境省に転じ、事務次官等の要職を歴任、退官後は民間金融機関の代表取締役も務められ、特にコーポレートファイナンスや環境分野に関する有益な意見をいただけると考えており、加えて、高度な適正性・コンプライアンスが求められる金融機関での経営経験に基づく助言および業務執行監督をいただけるものと期待し、社外取締役として選任しています
伊藤 明子 建設省(現国土交通省)に技官として入省し、同省初の女性局長(住宅局長)、人材育成及びしごとやまちづくりを含む地方創生の政策担当を経たあと、消費者庁長官を務められ、退官後は、引き続きかかる分野の研究に携わる傍ら企業の社外取締役を務め、特に顧客・消費者視点からの有益な助言および監督、また多様な人材の活用促に関しても助言をいただけるものと期待し、社外取締役として選任しています
社外監査役 田中 豊 長年にわたり民事事件を担当する裁判官を務めた後、弁護士として企業法務の実務に携わるとともに、法科大学院の教授の任にあたるなど、法務に関する豊富な経験と高度な専門的知識を有しており、それらを当社の一層の適正な監査の実現のために活かしたく、社外監査役として選任しています
吉田 洋 長年にわたり公認会計士として企業会計の実務に携わり、企業会計に関する豊富な経験と高度な専門的知識を有していることから、それらを一層の適正な監査の実現のために活かしたく、社外監査役として選任しています
樫本 浩一 長年にわたり、第一生命保険株式会社において経営管理業務に携わってきたほか、法務を含む総務業務の統括責任者を務め、国際経験も豊富であることから、その知識と経験を、海外を含む当社グループを俯瞰した監査に活かしたく、社外監査役として選任しています

取締役会の実効性に関する分析・評価

キヤノン(株)では、年1回、以下の項目について各取締役および各監査役にアンケート調査を行い、その結果を踏まえて取締役会において取締役会全体の実効性に関する分析・評価を実施しています。

  • 取締役会の運営について(資料の配布時期、開催頻度、審議時間の妥当性など)
  • 取締役会の役割(意思決定・監督機能)について(取締役会付議事項・付議基準、報告内容の妥当性など)
  • 監査役・社外取締役の役割について(会社の業務・組織を理解する研修等の機会の必要性など)

2023年度については、議案に関する社外取締役・監査役会への事前説明、経営戦略会議等への社外取締役の出席を通じた経営に関する情報共有、社外取締役・監査役会間の定期的な意見交換など、取締役会における審議の活性化のための継続的な工夫が図られており、業務執行を担当する取締役だけでなく、社外取締役や監査役からも積極的かつ有用な発言がなされていることから、取締役会の実効性に問題はない旨の評価がなされました。

今後も、年1回の分析・評価を継続し、結果概要を開示するとともに、必要に応じて取締役会の運営等につき改善を図ります。

役員報酬

代表取締役・業務執行取締役の報酬は、次の「基本報酬」、「賞与」および「株式報酬型ストックオプション」によって構成されます。

<基本報酬>

取締役の職務遂行の対価として毎月支給する定額の金銭報酬です。当該取締役の役位と役割貢献度に応じた所定の額とし、その総額は、株主総会の承認を得た額以内としています。(ただし、社外取締役を含むすべての取締役の基本報酬の総額。)

<賞与>

取締役の任期1年間の成果に報いる趣旨で年1回支給する金銭報酬です。グループ全体の年間の企業活動の成果である「連結税引前当期純利益」を指標とし、この利益の額に当該取締役の役位に応じた所定の係数を乗じた額と役割貢献度に応じた個人別査定額を合計して算出します。

賞与は、その支給の可否および上記により算出した支給額の合計について毎年の株主総会に諮ります。

<株式報酬型ストックオプション>

株価変動のメリットとリスクを株主と共有し、中長期的な業績向上や企業価値向上に向けた取締役の動機がより高まることを期待し、年1回、当社株式の新株予約権を付与するものです。当該新株予約権の総額は、株主総会の承認を得た額以内とし、当該新株予約権の付与数は、役位ならびに前事業年度の「連結税引前当期純利益」および役割貢献度に応じて定められる額(当該新株予約権と引換えにする払込みに充てるために取締役に付与する金銭報酬債権の額)と付与時の株価水準をもとに算出した数としています。在任期間を通しての成果に対する報酬との考えから退職の時に権利行使できる仕組みとしています。

なお、社外取締役および監査役の報酬については、毎月固定額を支給する基本報酬のみとしています。

報酬決定プロセス

キヤノン(株)は、報酬決定プロセスの透明性・客観性、報酬体系の妥当性の確保を目的として、代表取締役CFO、独立社外取締役4名および独立社外監査役1名からなる任意の「指名・報酬委員会」を設けています。当該委員会は、基本報酬や賞与の算定基準、株式報酬型ストックオプションの付与基準を含む報酬制度の妥当性を検証した上で、取締役会に対し、当該制度は妥当である旨の答申を行っています。

個々の取締役に対する報酬の額・内容(基本報酬および賞与の額ならびに株式報酬型ストックオプションの付与数)の決定は、代表取締役CEOに委任しています。ただし、受任者は、上記に記載したところに従って所定の基準にもとづき決定するものとし、決定に際しては、事前にその案を「指名・報酬委員会」に提示して確認を受けています。

なお、取締役の基本報酬および株式報酬型ストックオプションの総額は、株主総会により承認された報酬総額(上限)の枠内となります。取締役の賞与につきましては、定時株主総会において賞与支給議案が承認されたときに、支給が確定します。

また、監査役の個別の報酬額は、株主総会により承認された報酬総額(上限)の枠内において、監査役の協議により決定します。

2023年の役員区分ごとの報酬の総額、報酬の種類別の総額および対象となる役員の員数
役員区分 対象となる
役員の員数(人)
報酬の種類別の総額(百万円) 報酬の総額
(百万円)
基本報酬 賞与 株式報酬型
ストックオプション
取締役(社外取締役を除く) 3 607 326 72 1,005
社外取締役 2 48 - - 48
監査役(社外監査役を除く) 3 43 - - 43
社外監査役 3 59 - - 59
  • 上記社外取締役の員数には、2023年3月30日開催の第122期定時株主総会終結の時をもって退任した監査役1名が含まれています
  • 賞与は、当期の取締役賞与引当額を記載しています
  • 株式報酬型ストックオプションは、当事業年度の費用計上額を記載しています

取締役・監査役のトレーニング及び連携状況

取締役・監査役に対するトレーニングの方針

キヤノン(株)では、取締役および監査役に対し、就任時、その役割、職責についての理解の徹底および職務を適切に果たすために必要または有用な知識の確保を目的として、研修を実施しています。また、就任後も、会社の費用負担にて社内外の研修を受講できます。さらに、社外取締役や社外監査役が当社の業務に精通できるよう、適宜、経営戦略会議などの社内重要会議への出席、事業部門の責任者などとの会合、事業所の視察などの機会を設けています。

監査役と内部監査部門の連携状況

監査役および監査役会は、内部監査の実効性を確保するための取組みとして内部監査部門から事前に内部監査計画の概要、監査項目について報告を受け、内部監査実施後にはすべての監査結果および評価の報告を直接聴取しています。また、必要に応じて適宜、意見・情報交換を行うなど、緊密な連携を図っています。

監査役と会計監査人の連携状況

監査役及び監査役会は、会計監査人から監査開始前に監査計画の概要や重点監査項目などについての説明を受け、その妥当性について確認しています。また、会計監査人から月1回以上、会計監査、四半期レビューおよび、内部統制監査などの実施状況の報告を受けるとともに意見表明前に監査結果の報告を受けています。「監査上の主要な検討事項」については、定期的にリスク対応手続の実施状況の報告を受け、意見交換を行っています。

監査役は会計監査人の実地棚卸立会に同行するほか、主要な関係会社の監査を担当する会計監査人とのミーティングを実施し、監査実施状況の把握に努めています。会計監査人の監査の品質管理体制について詳細な説明を受け、必要に応じて情報提供を求めてその妥当性を確認しています。なお、会計監査人の独立性を監視することを目的として、子会社を含めて、監査および非監査の業務契約等の内容及び報酬額を監査役会が事前承認する制度を導入しています。

株主との建設的な対話に関する方針

方針

キヤノン(株)は、持続的な成長と中長期的な企業価値の向上に資するため、株主総会、経営方針説明会、決算説明会、主要機関投資家との面談などにより、株主との間で建設的な対話を行います。

対話を促進する体制

IR部門、SR部門、サステナビリティ部門及び法務部門が連携して対話促進を担当し、代表取締役CFOがこれを統括しています。

アナリスト、機関投資家に対し、年に一度CEOによる経営方針説明会や、四半期毎にCFOによる決算説明会を実施するとともに、ホームページにも資料を掲載し、経営状況の迅速且つ正確な情報開示を継続しています。さらに、海外投資家向けには、英語版IRページを設け、国内と同様の情報を同タイミングで開示しています。

また、適宜、担当役員、社外取締役、監査役などとの面談の機会を設け、国内外のアナリスト・機関投資家との対話に努めています。詳細は、「コーポレート・ガバナンスに関する報告書」に記載のとおりです。

なお、株主との対話により得られた意見または要望については、適宜、担当部署がCFOに報告し、重要なものについてはCFOがCEOまたは取締役会に報告します。