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測距点をもっと自在に操ろう

これまでの講座では、ピントを合わせる測距点(点で捉える領域で捉える)は、すべて中央合わせにしてきましたが、実際には測距点を中央以外に移動させることもできます。では、測距点を動かすことで何ができるかを説明していきましょう。

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オオセグロカモメ
オオセグロカモメ
オオセグロカモメ
拡大する

カモメたちが飛翔するコースを見つけた。そこは背景が山並みのいい場所だが、中央でピントを合わせてしまうとせっかくの風景が台無しになってしまう。そこで構図を整えてからオオセグロカモメが飛翔する一番いい位置に「領域拡大AF(任意選択周囲)」を設定して撮影した。

撮影データ
  • 絞り:F5.6
  • シャッタースピード:1/1250秒
  • ISO感度:400
  • 露出補正:0
  • 焦点距離:100mm
  • 一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

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シャッターチャンスが増えて有利になる!

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野鳥の撮りかた12では、ピントを合わせたあと、「AF-ONボタン」から親指を離してピントを固定(AFロック)した状態で、構図を変える方法を説明しました。止まっている被写体の場合、中央でピントを合わせてから構図を変えればいいだけです。しかし、さえずっていたり、リラックスして羽繕いをしていたり、顔の向きなどを変えたりといった具合に動いている被写体を望遠レンズで撮影しようとすると、微妙にピント位置がずれることがあります。そんな場合、測距点を鳥に合わせておけば、鳥が少し移動したときに親指AFでこまめにピントを合わせることができます。「カメラをいちいち動かさなくてよい=チャンスに強くなる」ということです。ここでは構図重視の撮影をする際、測距点を移動させてピントを合わせる方法を説明しましょう。

※自動選択AF以外はすべて、「任意」が付いていますが、これはファインダー内で測距位置を動かすことができるため「任意」と名前が付いています。

1 測距点を動かすためには、カメラの背面右上にあるAFフレーム選択ボタンを押します。ファインダーの中で測距点が赤く点灯します。

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AFフレーム選択ボタン
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ファインダー内

2 測距点が点灯している間にメイン電子ダイヤルを動かすと、測距点は上下に動きます。サブ電子ダイヤルを動かせば左右に動きます。マルチコントローラーでは、これらの操作を上下左右自由に動かせます。

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メイン・サブ電子ダイヤル
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ファインダー内

撮影後はホームポジションに戻しましょう

設定ボタンを押し込むと、フレームの端に測距点が移動していても中央(ホームポジション)に戻すことができます。撮影が終わったら、測距点を中央に戻す癖をつけましょう。測距点が端になっていると、突然シャッターチャンスに出くわした時、合わせたい場所にピントが合わずに悔しい思いをしてしまいます。

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設定ボタン
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ファインダー内

AFフレームと測距点を使いこなす

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被写体がとまっている場合は「点」で狙うほうが有利です。「1点AF」か「領域拡大AF(任意選択上下左右)」にしておくとわかりやすいでしょう。 飛翔している鳥については、メインの野鳥が測距点から外れてしまったり、もしくは入らない場合にピントが合いません。構図を優先した飛翔写真が撮りたいときには、「領域拡大AF(任意選択周囲)」か「ゾーンAF」のほうがよいでしょう。


構図優先なら「1点AF」か「領域拡大AF(任意選択と上下左右)」

オオイタドリにとまっているノゴマを見つけた。さえずるわけでもないのに動かなかったので中央で撮影した後、構図を整えてからノゴマの位置に「領域拡大AF(任意選択上下左右)」の測距点の位置を合わせて、ピントを合わせる。左の空間が開きすぎのように思うかもしれないが、このような構図はポストカードで使用する場合などに、文字スペースとして活用できる。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/160秒
ISO感度
400
露出補正
0
焦点距離
700mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
ノゴマ
ノゴマ
ノゴマ
拡大する

飛翔姿を構図優先で撮るなら「領域拡大AF(任意選択周囲)」か「ゾーンAF」

流氷の浮かぶ海上を飛翔するオオセグロカモメ。流氷と山並みが重なるいい場所だが、中央でピントを合わせてしまうとせっかくの流氷が構図に入りきらない。そこで構図を整えてから、オオセグロカモメが飛翔する一番いい位置に「領域拡大AF(任意選択周囲)」を設定して撮影した。

絞り
F8
シャッタースピード
1/500秒
ISO感度
200
露出補正
0
焦点距離
35mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
オオセグロカモメ
オオセグロカモメ
オオセグロカモメ
拡大する


column戸塚先生コラム


ローアングルに適したライブビュー撮影

液晶モニターの向きを自由に変えることのできるバリアングル機能がついたカメラは、ローアングル撮影にとても便利です。
通常なら、ローアングルで撮影する場合、地面に寝転がったりしますが、これが水辺だと合羽を着ていても濡れてしまいます。また目の錯覚も起こりやすく、しっかりと水平を取ったつもりでもなぜか傾いてしまう! しかしバリアングルなら、低いイスや地面に座るなどしてカメラを手の平に載せて撮影したり、地面に置いたりして撮影できます。しかも、どういう写真が撮れるかは液晶モニターで確認することができるので、無理な姿勢で撮影しないですみます。またピント合わせを液晶モニター(タッチパネル)でおこなえる機種も多く、素早いピント合わせが可能となっています。

餌を食べているようで近づくことができたので、景色が入るようにオナガガモの群れを撮影。このような場合、バリアングルだと寝転んで撮影せずに水平も取りやすく撮影が楽にできる。

絞り
F4
シャッタースピード
1/2500秒
ISO感度
200
露出補正
0
焦点距離
17mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
バリアングル
オナガガモ
オナガガモ
オナガガモ
拡大する

実際に撮ってみました

木に止まっているヒヨドリを見つけました。木の枝とのバランスを考えて、鳥の位置を真ん中からずらしたかったのですが、こまめに頭を動かしていたため、構図を決めた後で測距点の位置を鳥の位置に移動させ(測距エリアは「1点AF」に設定)、何度かピントを合わせながら撮影しました。

  • ファインダー内1点AF

    撮影時の設定
    AF動作:AIサーボAF
    測距エリア:自動選択AF

  • ヒヨドリ(生徒撮影)
    ヒヨドリ(生徒撮影)
    ヒヨドリ(生徒撮影)
    拡大する
    絞り
    F5.6
    シャッタースピード
    1/640秒
    ISO感度
    400
    露出補正
    -0.3
    焦点距離
    400mm
    一眼レフカメラ(フルサイズ)

戸塚先生のコメント

木の枝から顔を出すヒヨドリをフレーム中央に配置した場合、あまり良くない構図になることが多いのですが、枝から顔が出ていることでヒヨドリがとってもかわいく表現されています。ヒヨドリのバックの木の幹も同色で、だまし絵的になっているのも成功ですね!