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ライティングを活かした写真を撮りましょう[順光・逆光・サイド光]

写真は光と影。野鳥撮影では、主に太陽を「光」として利用することになります。光を活かした写真の演出のことをライティングと呼びますが、ここでは、基本のライティングである「順光」「逆光」「サイド光」の3種類をベースに、その違いや、メリットを紹介します。それぞれの効果を活かした写真を撮ることで、同じ鳥でも雰囲気の違った作品になります。

イメージ
ヒメウ
ヒメウ
ヒメウ
拡大する

ヒメウの成鳥は、「構造色」の羽をもち、光の当たり具合によって、メタリックグリーン、ブルーの光を放ちます。しかし、相手は生きもの。思い通りのポーズで止まっていてくれません。動きと当たる光の角度から、思い通りの色が出た瞬間にシャッターを切りましょう。



撮影データ
  • 絞り:F8
  • シャッタースピード:1/2000秒
  • ISO感度:800
  • 露出補正:0
  • 焦点距離:1000mm相当(500mmにx2テレコンバータを使用)
  • 一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)

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光の当て方で発色が変わる!

イメージ

撮りたい野鳥にはどの方向から光が当たっていますか?羽の色をきれいに写すには、どの向きから光が当たるとよいのでしょうか?
野鳥には「構造色」の羽をしたものがいます。羽自体に色があるわけではなく、光の当たり方で色が変わって見えるものです。クジャクや玉虫(タマムシ)のような美しい発色も、この構造色です。この構造色を一番きれいに撮影したいと思うなら、順光でねらいましょう。逆光や曇りだとこの鮮やかな色がきれいに出ないのです。
きれいな発色のためにどのようなライティングを選ぶか、また、自分はどの位置から撮影するとよいか、気に留めながら撮影してみましょう。


順光

イメージ

順光とは、被写体の正面から照らす光です。被写体に向かったとき、太陽が背中側にあれば順光となります。
身体(羽の色)が一番きれいに出て、もっとも撮影がしやすい光なので、人によっては、撮影は順光のみと決めている人もいるようです。ただし欠点としては、写真の雰囲気が平面的になりやすく、単調な印象を受けやすくなる、ということもあります。ボケを使ったり、背景をうまく取り込んだりすることで立体感を出すことができるので、工夫して撮影してみましょう。

マガモ 新潟県上越市

カモのオスはきれいな色をしているものが多く、特に私たちが一番目にしやすい「青首」と呼ばれるマガモは、首から顔にかけて鮮やかな緑色をしている。このきれいな色を撮影したくて、苦労する方も多いのでは?しかし、光の当たり具合で青や黒に見えることもあり、意外ときれいな緑色に撮るのがむずかしい。「構造色」なので、光の当たり方で色が変わって見えるのだ。順光できれいに光が当たると、きれいな色で撮影ができる。飛び立つシーンで、特に顔の色を意識して連写してみた。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/1250秒
ISO感度
400
露出補正
+1
焦点距離
700mm相当(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(APS-Hサイズ)
イメージ
ファインダー内
マガモ
マガモ
マガモ
拡大する

カイツブリ 愛知県西尾市

順光で、カイツブリのとてもきれいな色を表現できた。対角構図にしながら、緑と青の写りこみの奥に草を入れ、カイツブリも水面に写りこみが入るようにした。さらに、望遠レンズによる手前から奥にかけてのボケを利用している。順光は平面的になりやすいが、周囲の環境やレンズの特徴を利用することで立体感のある写真を撮影できる。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/2500秒
ISO感度
400
露出補正
-1
焦点距離
500mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
カイツブリ
カイツブリ
カイツブリ
拡大する

逆光

イメージ

順光の反対の光。撮影者から見ると、被写体の向こう側に太陽が見えることになります。
通常の撮影(P、Av、Tvモードなど、自動露出を使った撮影)では、逆光を使うと、被写体が暗くなり、露出補正が必要になることが多いため、嫌う人が多いのも事実です。半面、暗い背景を上手に選び、逆光で野鳥を撮ると、羽毛が黒い背景の中に光って浮かび上がる撮影ができます。また、花や木の葉などを逆光で撮影すると、透過光を美しく表現することができるため、それを利用して立体的な表現もしやすいのです。

アオサギ 愛知県刈谷市

夕方の逆光の中で撮影。稲穂が透過光で輝く。とても美しいが、オートで撮影した場合、アオサギは黒くつぶれてしまう。そこで、マニュアル露出(絞り、シャッタースピード、ISO感度をすべてマニュアルで設定すること)で身体の模様が出る明るさに調整して撮影。前ボケと後ろボケがきれいに表現されて、アオサギを引き立ててくれた。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/320秒
ISO感度
400
焦点距離
700mm相当(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
アオサギ
アオサギ
アオサギ
拡大する

オオワシ・オジロワシ 北海道羅臼町

流氷の上でくつろぐワシたち。通常は、正面に太陽がくるようには撮影しないが、この時は太陽が雲の中から出ていることで光が柔らかくなっていることもあり、露出補正を+0.3と少な目に明るさの調整をした。もろに太陽を入れるとフレアやゴーストが出るので、太陽を写真上部に配置してそれらを防いだ。また、流氷の海だからこそ、不思議な雰囲気で撮ることができた。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/640秒
ISO感度
400
露出補正
+0.3
焦点距離
40mm
一眼レフカメラ(フルサイズ)
イメージ
ファインダー内
オオワシ・オジロワシ
オオワシ・オジロワシ
オオワシ・オジロワシ
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サイド光(斜光)

イメージ

被写体を横から照らす光です。実際には、真横だけでなく、被写体の斜め手前から照らす光(半順光)や、被写体の斜め後ろから照らす光(反逆光)になることもあります。被写体に影が出やすく、明暗のはっきりした描写になるため、立体感のある写真を撮ることができます。

カワセミ 愛知県安城市

この写真は完全な逆光ではなく、カワセミの右後ろから光が当たっている半逆光。ほぼ真上からの光(トップライト)で、明るいバックにカワセミが浮き上がっている。左手前の葉が透過光でとてもきれいだったので、それが表現できるように撮影したが、光が強すぎてカワセミの背中がテカっているのが、ちょっと残念。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/1000秒
ISO感度
800
露出補正
-1
焦点距離
700mm相当(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(フルサイズ)
イメージ
ファインダー内
カワセミ
カワセミ
カワセミ
拡大する

オナガガモ 滋賀県山東町

オナガガモのオスが水浴びをする姿を見つけた。撮影していると、水浴びをしながらくるくると回転することがわかったので、顔がこちらを向き、光がほぼ真横(半順光)から当たる位置に来る瞬間を待つ。その結果、狙い通り、バックの森の映り込みに飛び散る水しぶきが輝くシーンを撮影することができた。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/2500秒
ISO感度
400
露出補正
0
焦点距離
400mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
オナガガモ
オナガガモ
オナガガモ
拡大する

オジロワシ 北海道羅臼町

流氷の上でエサを食べるシーンだが、もし順光だったら撮らなかっただろう。なぜなら、手前に流氷があることで身体が隠れてしまっているからだ。ところが、雲を通した柔らかい逆光が左から入り、さらに流氷からの反射(レフ板効果)でオジロワシの顔に光が当たることで、黒つぶれを補正してくれている。また流氷のエッジに光が当たり立体感が出ているのがとても美しく、迷わず撮影をした。

絞り
F8
シャッタースピード
1/250秒
ISO感度
400
露出補正
0
焦点距離
150mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
オジロワシ
オジロワシ
オジロワシ
拡大する

オオルリ 北海道樺戸郡

これは残念な作例です。オオルリの身体に当たる光が強すぎることでテカってしまい、青色が抜けてしまった。また右に顔を向ける瞬間を狙ったのだが、この鳥の特徴でくちばしから目にかけて黒い色であることと、顔が影になってしまったことで、目にキャッチライトが入っているにもかかわらず、表情がわかりにくくなっている。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/800秒
ISO感度
800
露出補正
+1
焦点距離
700mm相当(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
オオルリ
オオルリ
オオルリ
拡大する

ヒドリガモ 愛知県豊明市

一見順光に見えるが、じつは斜光。光は写真右から当たり、よく見るとヒドリガモの身体の左が影になっているのがわかる。この光の角度のお蔭で立体感が出ている。また、ちょうど早咲きの桜の花が咲いていたので、手前に配置して前ボケにすることで遠近感も出した。花にも光が横から入り、若干透過光気味になったことで独特の色合いに輝いている。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/250秒
ISO感度
200
露出補正
0
焦点距離
278mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
ヒドリガモ
ヒドリガモ
ヒドリガモ
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トップライト

イメージ

トップライトとは文字の通り、正午前後の真上からの光。実はむずかしい光で、私は敬遠することが多い。バックの状況にもよるが、舞台のスポットライト的な役割で、主役の野鳥を引き立てる効果もある。

イソシギ 北海道斜里町

岩の上で休息するイソシギは、肉眼ではいまいちなシーンに見えたのだが、レンズを通したらまったく違う雰囲気がファインダーに広がった。岩が白いことでレフ板効果が出て、腹側の影が薄くなりきれいにイソシギを写すことができた。迷ったら一度ファインダーをのぞいてみるのもいい。

絞り
F5.6
シャッタースピード
1/1600秒
ISO感度
200
露出補正
-0.7
焦点距離
700mm相当(500mmにx1.4テレコンバータを使用)
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
イソシギ
イソシギ
イソシギ
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アカショウビン(亜種リュウキュウアカショウビン) 沖縄県宮古市

晴れた日の森の中は、木漏れ日がキラキラときれいだが、実はこれがとんでもなく厄介。太陽が高い位置にあると、強い光が森の木々の葉の隙間から降り注ぐ。強い光が暗い場所に入ると、異常にコントラストが高くなり、野鳥の身体にまだらにかかると何ともならない写真になる。直接光が鳥に当たらなくとも、周囲に入ることでとても見苦しくなる。ちなみに鮮やかな色のアカショウビンだが、このキラキラの木漏れ日の中だと見つけるのがむずかしい。鮮やかな色もこのような環境では保護色になることが理解できる。

絞り
F4
シャッタースピード
1/250秒
ISO感度
400
露出補正
-2
焦点距離
400mm
一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)
イメージ
ファインダー内
アカショウビン(亜種リュウキュウアカショウビン
アカショウビン(亜種リュウキュウアカショウビン
アカショウビン(亜種リュウキュウアカショウビン
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