野鳥写真図鑑

カワウ

カツオドリ目ウ科 全長約82cm

絞り:F11|シャッタースピード:1/320秒|ISO:400|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:愛知県

ウの仲間はどれも似ているが、都市部で見るのはまずカワウ。浅い海から内陸の河川や湖沼まで見られ、東京都内でも東京湾と淡水域との移動のためか、よく上空を飛んでいる。繁殖期には、首や足の付け根に白い羽毛が生じる。

鳴き声

※鳴き声が再生されます。

美しい瞳をした困ったちゃん

エメラルドの瞳にご注目

鵜飼に使われる「ウ」は、カワウではなくウミウです。ウミウは本来、岩礁がある外海にいることが多く、内陸ではまれです。ウミウは日本近海にしかいないので、中国での鵜飼にはカワウが使われます。

カワウやウミウの若い鳥は褐色をしていますが、成鳥は微妙な光沢を帯びた黒い羽をまとっています。どちらも、アップで見るなら目と鼻に注目しましょう。瞳は、美しいエメラルドグリーンをしています。鳥類の上嘴(じょうし)の付け根にあるはずの鼻の穴(鼻孔)は、見えません。ツル類のように、真横から見ると向こうの景色が見えるほど大きな穴があいている鳥もいますが、潜水して魚類を食べる習性のウ、カツオドリ、ペリカンなどの仲間では、穴は閉じていて線のようになっています。

カワウ 鳥には歯はないので、どんな魚も「鵜呑み」にする。頭から飲みこむのも、ウの仲間に限ったことではない(尻尾からではうろこやひれが引っかかって、飲み込みにくい)。

増加して困ったちゃんに?

1970年代は減少著しいとされていたカワウは、今や公園の池や都市河川でもよく見ることができます。減少の背景には、主要な採食場所である内湾の埋め立て、水質汚濁などがあったはずですが、その後、増えた理由は何でしょう? 河川改修によって魚がとりやすくなったとか、人為的な稚魚の放流がプラス要因になった可能性も考えられます。しかし、数が増えたために、今度はカワウによる被害が発生するようになってきました。大きな体だけにたくさんの魚を食べるので、内水面漁業などでは困ったちゃんといえます。

近年は、カワウの保護管理を目指して広域協議会が設立されている地域もあります。また、共存に向けた取り組みは、日本野鳥の会のホームページでも紹介されています。

カワウ 飛ぶと首が長く、ガン類に似て見える。また、群れで飛ぶときにきれいな列になるので、よく雁行と間違えられる(編隊飛行はガン類に限らず、ウ、ツルやハクチョウなど大型の鳥で見られる)。
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