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マネジメントシステム

グローバルな環境推進体制

総合目標および製品目標、拠点目標

キヤノングループは、環境ビジョンや目標の実現に向かって、世界各地のグループ会社が一丸となって環境保証活動を展開しています。環境担当役員であるキヤノン(株)代表取締役副社長のもと、「環境統括センター」を中核とし、事業本部、国内外の生産拠点および販売拠点とのグローバルな体制で、環境活動を進めています。

グローバル環境推進体制

グローバル環境推進体制

環境マネジメントの仕組み

キヤノングループは、環境保証活動の継続的な改善を実現していくための仕組みとして、国内外の事業所において、ISO14001によるグループ共通の環境マネジメントシステムを構築しています。
このシステムは、各部門(各事業本部、各事業所およびグループ会社)の活動と連携した環境保証活動を推進(DO)するために、中期ならびに毎年の「環境目標」を決定(PLAN)し、その実現に向けた重点施策や実施計画を策定して、事業活動に反映させています。さらに、各部門における取り組み状況や課題を確認する「環境監査」や、業績評価に環境側面を取り込んだ「環境業績評価」を実施(CHECK)し、環境保証活動の継続的な改善・強化(ACT)へつなげています。同時に、各部門の環境保証活動においても、それぞれPDCAサイクルを実践することで、継続した改善・強化を図り、グループ全体の環境保証活動を推進しています。
環境統括センターでは、環境に関わる法規制情報の収集、グループ全体の方針設定や規程などの制定、環境保証活動の評価方法の立案・管理を行うなどシステムのスムーズな運営を支援しています。
このEMS(環境マネジメントシステム)の有効性を第三者により客観的に評価するために、国内外の生産・販売会社でISO14001統合認証を取得しています。2016年時点で、キヤノン(株)および世界40の国・地域のグループ会社129社(合計130社)でISO14001統合認証を取得しています。
なお、2015年9月に改訂されたISO14001の規格に則し、キヤノンでは2015年末に環境マネジメントシステムの改訂を完了し、2016年から運用を開始しました。この仕組みの中で、環境統括センターは、グループ全体の環境保証活動を統括し、その進捗結果をマネジメントレビューでキヤノン(株)会長ならびに社長、副社長に報告します。

キヤノンの環境マネジメントシステム

キヤノンの環境マネジメントシステム

ライフサイクルを通した環境マネジメント ライフサイクルを通した環境マネジメント

ライフサイクルを通した環境マネジメント

環境法規制の遵守および苦情への対応

このようなマネジメント体制のもと、2016年も環境に重大な影響を与える事故や法規制違反はありませんでした。また、罰金などの支払いも発生していません。事業拠点において、工事騒音や植栽管理、悪臭などに関する苦情がありましたが、適切に対応し解決しました。

LCA手法を活用した製品開発の仕組み

キヤノンの環境の取り組みは、自社工場での取り組みにとどまらず、製品ライフサイクル全体を通して行われています。ライフサイクル全体での環境負荷低減を実現するために、製品開発ではLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を導入。製品開発から情報公開までを一貫体制で管理できる「LCA開発マネジメントシステム」を構築し、開発・設計段階からCO2排出量の算定を行い、目標到達に向けた製品の作り込みに活用しています。

LCA手法を駆使した環境配慮設計の流れ

LCA手法を駆使した環境配慮設計の流れ

製品環境アセスメントおよび製品環境情報管理の仕組み

製品化のステップにおいては、製品環境に関する法的要求事項およびその他の要求事項に適合し、達成すべき環境性能をもつことを確実にするため、「製品環境アセスメント」を行っています。
まず、商品企画の段階で製品が達成すべき環境性能を目標として設定。商品化判断および量産移行判断の前に、製品環境目標の達成状況を評価し、製品に対する法的要求事項およびその他の要求事項への対応状況を確認しています。

製品環境情報管理の仕組み 製品環境情報管理の仕組み

製品環境情報管理の仕組み

サプライヤーと連携した環境保証活動

キヤノンは、自社における環境への取り組みに加え、部品や原材料のサプライヤーとの連携にも力を入れています。
環境に関するサプライヤーへの要求事項を定めた「グリーン調達基準書」を策定し、サプライヤーとの取引において、その遵守を必須条件としています。
具体的には、「事業活動の管理」と「物品の管理」という2つの視点での管理を車の両輪として、次のA~Dの4つの枠組みが有効に機能していることを要求事項としています。
万一、サプライヤーが環境にマイナス影響をおよぼした場合には、直ちに是正処置を求め、その改善状況を確認しています。

A:事業活動の環境マネジメントシステム
事業活動によって生じる環境負荷を低減するための仕組みを構築し、運用していること。
B:事業活動のパフォーマンス
環境マネジメントシステムを構築・運用した結果、環境関連法規制およびその他の適用可能な法的要求事項の遵守、使用禁止物質の不使用、削減対象物質の使用削減、および土壌・地下水汚染防止対策を実施していること。
C:製品含有化学物質管理(物品の環境管理システム)
キヤノンに納入する物品に含有される化学物質を把握・管理するための仕組みを構築し、運用していること。
D:物品のパフォーマンス
キヤノンに納入する物品に“使用禁止物質”が含有されないこと、および“使用制限物質”が期限以降に含有されないこと。

世界各地に生産拠点を構えるキヤノンでは、こうした取り組みを着実に行うことで、サプライチェーンにおける汚染の防止、環境負荷の低減にも努力しています。キヤノンのグリーン調達の詳細はWebサイトをご参照下さい。

グリーン調達基準の要求事項の考え方 グリーン調達基準の要求事項の考え方

グリーン調達基準の要求事項の考え方

製品含有化学物質の管理体制 製品含有化学物質の管理体制

製品含有化学物質の管理体制

環境監査および環境業績評価

キヤノンでは、環境の取り組みの状況をチェックするために、主に環境マネジメントシステムの有効性を確認する「内部環境監査」と、目標達成状況および実績を評価する「環境業績評価制度」の2つの仕組みを運用しています。

内部環境監査

内部環境監査は、環境統括センターが実施する「本社環境監査」と、各事業拠点・事業本部の監査部門が実施する「事業拠点環境監査」「製品環境監査」からなり、一部の拠点では拠点間の相互監査も実施しています。
なお、年間を通した内部環境監査の結果は、環境統括センター内のグループ監査統括部門がまとめ、マネジメントレビューの情報として会長および社長、副社長に報告しています。
2016年も重大な不適合や違反がないことを確認していますが、継続的改善および未然防止の観点から、運用管理上の軽微な指摘事項についても改善対応を行っています。

環境業績評価

環境業績評価は、事業本部、事業拠点、販売会社の各組織の環境活動の実績を年2回評価、得点化するもので、経営状況などの実績と合わせて評価される「連結業績評価制度」に組み入れられています。
本評価は、環境統括センターが評価基準を策定、評価するもので、連結業績評価の総得点中、約10%を占めています。評価基準は、主に「法規制・社内基準の遵守」「環境目標の達成状況」「製品の環境パフォーマンス改善実績」「環境コミュニケーション」などであり、評価結果は半期ごとにグループ内で発表されます。
評価基準は、目標の達成状況や活動の改善状況に応じて適宜引き上げを行い、継続的改善および全社のレベルアップにつなげています。

環境業績評価の流れ

環境業績評価の流れ

環境教育

キヤノンの環境教育プログラムは、全従業員に対する「自覚教育」と特定の業務を行う従業員を対象とした「専門環境講座」により構成されています。
「自覚教育」は、環境保証活動の重要性、自部門の環境方針・目標・ルールなどの理解、「専門環境講座」は環境保証関連業務に携わる従業員の力量確保を目的としています。
「専門環境講座」は製品環境、拠点環境、環境監査に分類され、さらに製品環境講座は製品アセスメント実務者研修、物品調査実務者研修、化学物質統合管理システム研修など、担当者の力量を確保するための詳しいプログラムで研修を行っています。
これらの教育プログラムは、プログラムに応じて、eラーニングによる知識習得、集合研修によるグループディスカッション・ワークなど、目的に合わせた研修スタイルにより、必要な従業員がいつでも教育を受けることができる環境を整えています。
特に、専門環境講座のうち、リスクマネジメントに関わる講座については、グローバルな教育に力を入れており、2016年は英語および中国語による研修教材を用意し、2016年時点で関連する業務に従事している従業員すべてに対する教育を完了しました(2016年実績2,265人)。

環境教育一覧
研修名 研修形態 研修の概要
自覚教育 グローバル環境教育《自覚》プログラム WBT教育 グループ全従業員が、環境に関する基礎的知識を理解する
管理職のための環境マネジメント教育 WBT教育 管理職が、各職場業務と環境保証活動との関わりを理解し、組織の環境活動に反映することを学ぶ
海外赴任者向け環境教育 WBT教育 海外赴任者が、環境に関する社会動向やキヤノンの取り組み、法規制などの情報を学ぶ
専門教育 環境監査員研修 基礎編(事業拠点) 集合教育 事業拠点系の環境監査に関する基礎的知識と技能を学ぶ
基礎編(製品環境) 製品環境系の環境監査に関する基礎的知識と技能を学ぶ
製品環境保証物品調査実務者研修 集合教育 物品判定の実務担当者、経験者が、製品化学物質保証の一環として実施する物品調査概要の理解と、物品調査データの検証・判定方法などの習得を図る
CAPRI
実務者研修
物品調査担当者編 集合教育 CAPRIのシステム概要、基本操作、物品調査実務のワークフローに従った調査実務に必要な操作を学ぶ
製品評価担当者編 CAPRIのシステム概要、基本操作、製品評価実務のワークフローに従った評価実務に必要な操作を学ぶ
取引先環境評価者研修 集合教育 取引先環境評価者に必要な知識および評価手法を習得する
開発・設計者のための製品環境保証講座 WBT教育 環境配慮設計に必要な技術標準、関連法規制、製品アセスメントなどの概要を理解・習得する
化学物質管理担当者研修 集合教育 各職場の化学物質管理担当者が、環境と安全衛生の両面から、化学物質の適正な使用と管理方法を習得する
化学物質管理基礎講座 WBT教育 化学物質管理の基礎を学ぶ
化学物質取扱者基礎講座 WBT教育 化学物質による環境汚染や労働災害の防止を図る上で最低限知っておくべき事項を習得する
コンプライアンス
教育
製品アセスメント実務者研修 WBT教育 製品アセスメントにおいて、評価項目を定める方、および製品アセスメントの適合性、目標達成度を判断する方が、関連する知識と仕組みを習得する
物品調査実務者講座(基礎編) 製品含有化学物質保証業務において、規制やルールなどの要求事項および物品調査の仕組みなどの保証体制を学ぶ
物品調査実務者講座(妥当性評価編) 物品調査における取引先からの回答について、妥当性の評価を行う上でのポイントや知識を学ぶ
物品調査実務者講座(適合性確認編) 物品調査結果に基づく、物品の製品への適合性確認方法、使用可能合否の判定基準などを学ぶ

環境コミュニケーションによる情報開示と教育・啓蒙

キヤノンは、さまざまな媒体や機会を活用して多様なステークホルダーへ環境情報などの非財務情報の開示に努めてきました。
環境・CSR活動をまとめた「サステナビリティレポート」の発行をはじめ、「環境への取り組み」Webサイト、各種の展示会などを活用して、キヤノンの取り組みを知っていただく努力をしています。日本では、2016年に(株)トライベック・ブランド戦略研究所が実施した、企業の環境サイト調査「Eco Site Survey 2016」で1位を獲得しました。
また、地域の小学校への環境出前授業や地域の団体と連携した環境プログラムの提供など、地域の皆さまへの環境に関する教育・啓蒙につながる活動を各地で推進しています。