GALLERY

鈴木 育郎

「 鳶・CONSTREQUIEM 」

  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ
  • イメージ
loading

2013グランプリ

ARTIST STATEMENT

鳶・CONSTREQUIEM

地元、浜松で24歳までいろんなバイトをしながら絵、バンド、写真と表現する事をメインに生活をしていた私の一大転機はなにげなく立ち寄った図書館で鬼海弘雄さんの写真集「PERSONA」を手に取り衝撃を受けその表紙を飾っていた舞踏家・吉本大輔さんのポーランド・ツアーに同行した事でした。

帰国後そのまま母親と弟の住む1Kのアパートに転がり込んで飲食店で朝から晩まで居酒屋とカフェで働き、街ですれ違う人に声をかけ写真を撮っていました。そんな生活が半年経つ前に3月11日の地震によって収入が激減し、写真を続けていくためにももう2度とやらないと決めていた鳶をやろうと決心しました。
そして段ボール2箱分の荷物と共に新宿にある寮へと引越ししました。
3DKに5人で住み、私はつい最近バックレたという人が使っていたベッドを使う事になりました。
仕切りの無い部屋は落ち着かず、私は仕事から帰るとすぐシャワーを浴び逃げ込むようにゴールデン街へと向かう日々を送っていました。それがきっかけで2冊目となる自主制作の写真集を完成させ、本に重点を置く写真の撮り方とまとめ方が沁み付きました。

ちょうどその頃、日勤に加えて夜勤が始まり一番つらい時期が訪れました。
そんな苦痛を和らげたくて、作業中に写真を撮りたいと当時の親方に言ったら親方は秋田なまりで快くOKしてくれました。それまでは休憩中や終わった後に写真を撮っていましたが、作業中に撮れるというのは大きな一歩でした。

それから私はインスタントカメラやコンパクトカメラを胸ポケットに入れて仕事をするようになりました。
常に持ち歩く事により光の変化により敏感になりました。
身体を動かす分、食事も美味しく、男だらけの職場な分、女性を見る目は輝き夏には休みをとって行ったことのない土地や友人を訪ねて旅をする。本来の人間らしい生き方を模索しながらもゴミを垂れ流しコンクリートを積み上げてゆく。写真というとてつもない道具を使って表現する事や都会で生活している事自体が矛盾していて、たとえ田舎で自給自足しても矛盾はついて回る。矛盾を抱えながらも怒りに振り回されず、自分の感覚を研ぎ澄ませて守るべきものを守り悔いのないように生きる。
写真はさらにそれを後押ししその過程を記録する、そして私の人生が前に行く。、その日常はたくましくも危うい出会いと別れの繰り返し。いつかの風は今は私が起こす風、キミの瞳に映る私の姿、時は決して止まることはなく、すべての写真は幻、出会うその時まで。

過去を現存へと蘇らせ未来へと進む力をくれる写真。
勇気と愛おしさをありがとう。
まぁとにかく本日も安全作業で頑張ろう!!!!!

応募作品形態:ブック/カラ―プリント/174ページ/137点

審査評 選:大森 克己

作品が鳶職である作者の実人生の反射率の高い鏡のようでキラキラと輝いている。
人間が生きている体温が感じられるのがとてもいい。まっすぐなまなざしで現実と向き合う姿勢に将来性を感じるデヴュー作に相応しい作品。展示にも期待したい。

close

PROFILE

鈴木 育郎Ikuro Suzuki

1985年静岡県浜松市生まれ。21歳より写真を撮り始める
2010年 舞踏家 吉本大輔氏のポーランドツアーに同行。帰国後より東京に移る
2012年 個展「月夜」新宿ゴールデン街マチュカバー
2013年 個展「月の砂丘」蒼穹舎
写真新世紀[第36回公募]優秀賞(大森 克己 選)、「写真新世紀東京展2013」グランプリ
(2013年当時)
close

2013グランプリ

鈴木 育郎

鳶・CONSTREQUIEM

loading