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国宝 松林図は屏風じゃなかった?

安土桃山時代、豊臣秀吉(1537~98)が天下を統一した頃に描かれた日本の水墨画の最高傑作です。画面に大きく描かれた松の樹は、墨一色の線と濃淡の加減だけで描かれていて、松林が霞の間から見え隠れする様子や、木々の間を渡る爽やかな風まで実感できます。
この作品ははじめから屏風だったのではなく、ある時、屏風に仕立てられたものです。描かれた当時は、松林の周囲にもさらに風景が広がっていたといわれています。海や山々、里山の景色が遠くに描かれていたかもしれません。
日本では松林を描いた風景画は、三保の松原や天橋立などが知られますが、この絵はいったいどこの松林を描いたものでしょうか。みなさんの記憶の中にあらわれる光景と重ねてみることで、潮騒が聞こえ、海辺の湿った空気や松の香り、鳥たちが木々の間を飛び交う姿さえ見えてくることでしょう。

  • 国宝 松林図屏風(高精細複製) 長谷川等伯 筆
  • 時代:安土桃山時代・16世紀 材質:紙本墨画 員数:6曲1双 サイズ:各156.8×356.0 cm
  • 原本所蔵:東京国立博物館 複製所蔵:東京国立博物館
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