びょうぶをまなぶ

絵は右から左に時間が流れている

絵の見方がわからない。

そんな声をよく耳にします。そうかもしれません。でもちょっとだけヒントがあれば、見えてくるものがあるはず。今日は、こんなヒントをお伝えします。「絵の中の時間は、右から左に流れている」。

絵の中の時間ってなんだろう。絵巻(えまき)を例にして考えてみましょう。絵巻は、紙を何枚も貼りあわせて作った長さ20メートルほどの横長の画面に物語が描かれます。時には、物語を描いた文章が書かれた後に、絵が描かれることもあります。すると、現代の私たちも文章を読むのに合わせて、自然と右から左に視線を移動しているはずです。それが正解。物語を描いた絵も、文章と同じように右から左に進みます。ですから絵巻の中の時間は右が過去、左が未来。まさに、「絵の中の時間は、右から左に流れている」のです。

この原則は、屏風にも共通しています。例えば、下の屏風を見てみましょう。タイトルは四季山水図屏風(しきさんすいずびょうぶ)。この中には春夏秋冬が描かれています。じっくり季節を探してみてください。

  • 重要文化財 四季山水図屏風 楊月筆
  • 室町時代・15世紀 6曲1双 紙本墨画淡彩
  • 東京国立博物館 A-11968

向かって右に、春の花が咲いていますね。左に目を移していくと、柳の緑がまぶしい夏。

  • 四季山水図 春
  • 四季山水図 夏

さらに左に進むと秋になり、木々の葉が色づいています。そして左端には、雪山。冬にたどり着きました。

  • 四季山水図 秋
  • 四季山水図 冬

そう、まるでひとつの景色のようなこの屏風には、じつは四季という時間の流れが描かれていたのです。季節の移り変わりだけでなく、朝から夕方、あるいはもっと短い時間の流れを表現した絵画もあります。もちろん一瞬を切り取ったような絵画もあります。でも、こんな風に時間の流れを感じ、季節や時間の流れを発見することで、絵を楽しむことができるのではないでしょうか。

絵の中の時間は、右から左に流れている。わかりにくいといわれる美術を楽しむ小さなヒントでした。「びょうぶとあそぶ」の会場では、もっとたくさんのヒントと発見がお待ちしています。

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