サステナビリティに関するCEOメッセージ

代表取締役会長兼社長 CEO 御手洗冨士夫

キヤノンの企業理念は「共生」です。これは、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず、すべての人々が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会をめざすというものです。

キヤノンはこの理念のもと、技術・事業を通してお客さまや地域社会、国や地域、地球や自然とも良好な関係を構築し、社会課題の解決に積極的に取り組んできました。またこの「共生」の理念は、国連が掲げるSDGsの考え方とも合致しており、キヤノンのさまざまな企業活動が、SDGsの個々の目標に貢献できると考えています。

特に環境への取り組みについては、グローバル企業の責務と受け止め、1990年に他社に先駆けて使用済みトナーカートリッジの回収・リサイクルを始めました。CO2削減や資源循環といった環境対応は事業競争力を構成する大きな要素であり、環境への取り組みを中長期経営計画の主要戦略の一つとして位置づけ、活動のさらなるレベルアップを図っています。昨年は、環境への取り組みの合言葉として「Minimum Energy 360」を設定し、社員一人ひとりが360度全方位で事業活動のエネルギー最小化に取り組み、バリューチェーンのあらゆる場面において製品ライフサイクル全体でのCO2排出量削減に努め、2050年にはCO2排出量をネットゼロとすることをめざしています。

また、人権尊重や人材育成への取り組み、社会貢献活動などもキヤノンと社会の持続的な発展を支える基盤だと考え、取り組みを強化しています。人権については、グループ全体で人権デュー・デリジェンスを進めるほか、サプライチェーンを含むそれぞれの事業活動における人権リスクを特定し改善を進めています。

昨年秋に開催した「Canon EXPO 2023」では、最新の製品やサービス、ソリューション、そしてそれを支える技術が社会課題をどのように解決し、また新たな価値を創出しようとしているのかをご紹介しました。今後は展示した製品・技術・ソリューションを具現化して市場にお届けし、安心・安全な社会、より健康で快適な生活の実現に向け、研究機関や他企業、政府自治体などさまざまなパートナーと連携しながら、幅広い活動を展開していきます。

世界中でサステナビリティ意識が高まり、産業や社会、働き方や暮らし方までもが大きく変わりゆくなか、ステークホルダーのみなさまから寄せられるニーズや期待にイノベーションとテクノロジーの力で応えていくことで、世界各地で親しまれ尊敬されるグローバル優良企業グループとして社会と自社の持続的な発展に力を尽くしたいと考えています。今後ともご支援賜りますようお願い申し上げます。

2024年5月
キヤノン株式会社
代表取締役会長兼社長 CEO

御手洗 冨士夫