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人権と労働人材育成・自己成長支援

従業員一人ひとりがキャリアを築き、活躍できる機会を提供しています。

人材育成制度

キヤノンは、中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅤ」の主要戦略の一つに、「地球儀を俯瞰して職務を遂行するグローバル人材の育成」を掲げています。この戦略に基づき、経営、技術開発、ものづくりなどのさまざまな分野で、グローバルに活躍できる人材を育成していきます。

グローバル人材の育成

グローバル化を進めるキヤノンの事業は、世界のさまざまな国・地域に広がり、2017年末時点で383の事業拠点があります。こうした中、国際舞台でリーダーシップを発揮できる人材の育成が急務となっており、その役割を担えるグローバル人材の育成を強化しています。

  • 事業拠点数は連結子会社数および持分法適用関連会社数の合計。

海外グループ会社の経営層強化

キヤノンは海外グループ会社の経営層を対象に、キヤノン式の経営哲学の共有とグローバルな環境でイノベーションを生み出す経営幹部の養成を目的とした「グローバル経営幹部研修」を実施しています。

国際出向制度による人材の活性化

キヤノンでは、グローバルな協業やグローバル規模で活躍できる人材の育成を促進する目的で、日本から海外だけではなく、海外から日本、さらには米国からアジアなど、国際間の双方向な人材交流を活性化するため、世界中のグループ会社を対象とした国際出向制度「Canon Global Assignment Policy(CGAP)」を設けています。

CGAPはグループ共通の世界人事規程であり、これに基づき、各地域で出向規程を設けています。これらを組み合わせて運用することで、人材交流がさらに活性化するとともに、基本的な理念や仕組みを共有しつつも、法律や文化など地域ごとの特性にも柔軟に対応しています。

例えば欧米では、入社3年以上の社員のための1年間の人材交流プログラム「US/Europe Exchange Program」、アジアでは幹部候補育成を目的とした欧米での1年間の研修プログラム「ASIA CGAP」などを実施しています。

これらの制度を利用して、2017年末現在で合計1,286人が国際出向中です。

国際出向制度(CGAP)

国際出向制度(CGAP)の説明図
  • IAP: International Assignment Policy

CGAP出向者数(2017年末現在)

(人)

出向先
米州 欧州 アジア・オセアニア 日本 合計
出向元 米州 0 4 0 2 6
欧州 3 17 1 1 22
アジア・オセアニア 0 1 37 37 75
日本 363 179 641 0 1,183
合計 366 201 679 40 1,286

若手社員への国際化研修

キヤノン(株)では、社員が語学力や国際的なビジネススキルを身につけるために、早くから海外勤務を経験する制度を設けています。

例えば「アジアトレーニー制度」は、30歳以下の社員を対象とした、アジア現地法人での実務研修制度です。現地の大学で約5カ月間の語学研修を受けた後、トレーニーとして約1年間現地法人で実務を経験します。1995年にスタートし、2017年までに累計106人がアジア各地の現地法人で活躍しています。

また、欧米地区に若手人材を派遣する「欧米トレーニー制度」は、2012年にスタートし、2017年までに累計52人を派遣しています。特に英語圏以外への派遣者に対しては、アジアトレーニー制度と同様の語学研修や実務研修を実施し、将来は南米やロシアなどでの活躍が期待されています。

さらに、国際社会で通用する技術者の育成や、将来キヤノンの基幹となり得る技術の獲得を目的に、技術系社員を対象とした「技術者海外留学制度」を設けています。1984年にスタートし、2017年までに累計114人が欧米の大学に留学しています。欧米での研究開発体制を強化していくことも踏まえ、今後も毎年10人程度の留学生を選出していきます。

アジアの現地法人で活躍するアジアトレーニー

各種エキスパートの育成

技術人材の育成

キヤノンは、メーカーとしてイノベーションを創出し続けるための技術人材の確保・育成を推進しています。

例えばキヤノン(株)では、機械、電気、光学、材料、ソフトウエアなど専門分野ごとの教育体系を整備し、長期的な視野に立って次世代を担う技術人材を育成しています。

中でも上記5つの主要分野では、分野ごとに「技術人材育成委員会」を設置し、新入社員から若手、技術リーダーに至るまで、階層に応じた育成体系を構築し、研修や施策を実行しています。また、解析技術など分野横断型の研修も実施しています。

2017年は各分野あわせて162講座、290クラスの研修を開催し、国内グループ会社を含めのべ4,466人の技術者が受講しました。

技術研修受講者数の推移

技術研修受講者数の推移グラフ
  • 2014年からWBT(Web Based Training)の受講者を含む

グローバルなものづくり人材育成

キヤノンは、国際社会と調和したグローバルな生産体制の持続的発展をめざして、生産拠点におけるものづくり人材の育成を推進しています。

具体的には、キヤノン(株)の「ものづくり人材育成センター」が中心となって、生産活動を支える人材の育成に注力。2017年は同センター主催による研修を海外の各生産拠点で実施し、合計566人が受講しました。

また、海外拠点で独自の教育を推進するために、管理監督者や工場技能者などを対象に、技術・技能研修や職場管理研修の講師を育成する「トレーナー養成研修」にも力を入れています。2017年は、トレーナー養成研修を22回開催し、計96人が受講しました。

研修形態の多様化にも取り組み、2017年からは専用TV会議システムを活用して海外拠点とつないで、双方向リアルタイムでの情報が共有できる遠隔研修を実施しました。海外7拠点で計15回開催、計195人がこの遠隔方式での研修を受講しています。

さらに、技術・技能の向上を目的に、国内と同一水準の「技能検定制度」を海外拠点にも導入・運用しています。

2017年はタイ、ベトナム、中国、マレーシアの計11拠点において、成形、実装、プレスなどの7職種で検定を実施し、455人が受検しました。

キヤノン(株)の人材育成体系

キヤノン(株)では、従業員のモチベーションや専門性の向上を支援していくために、「階層別研修」「選択研修」「自己啓発」で構成される教育体系を整備しています。

階層別研修では、役割等級別に役割遂行上必要な意識および知識やスキルの修得に加え、行動指針を中心に求められる行動意識の涵養(かんよう)を図っています。なお、一般職については、階層別研修に連動する形で、役割遂行に必要なビジネススキル研修を開催しています。また、選択研修では職務を遂行する上で必要な知識やスキルの修得を、自己啓発では社員の自己研鑽を支援しています。

こうした研修では、各種ハラスメントの防止やコンプライアンスの徹底など、社会から信頼される企業人を育成するプログラムも取り入れています。

今後は経営人材やグローバル人材、技術人材の育成など、次代を担う人材を計画的に育成する取り組みを一層強化する方針です。

キヤノン(株)の人材育成体系

キヤノン(株)の人材育成体系図キヤノン(株)の人材育成体系図

キヤノン(株)のキャリア形成支援プログラム

マネジメント研修の強化

2017年より次世代リーダーの育成を目的として、従来の管理職階層別研修を刷新し、LEAD Program(Canon Leadership Development Program)としてスタートさせました。各階層においてアセスメントを実施し適性を把握した上で、役職に登用する前から研修を行い、経営視点への切り替え、リーダーシップの醸成、実践力の強化を図っています。

業績とキャリアについての定期面談制度

役割給制度のもとで、社員一人ひとりの「役割達成度」と「行動」を評価し、賃金や人材育成につなげる評価制度を全社員を対象に設けています。期初に上司が部下に役割を与え、面談において双方で内容を確認します。中間面談では、上司が進捗を確認し、適宜役割の追加・削除や達成目標の修正を行います。期末には、双方で当年度の役割の達成状況の評価を行います。

評価は、仕事の結果とそれに至る過程を評価する「役割達成度」とグローバルエクセレントカンパニーの社員として期待される「行動」という、2つの軸で行います。評価結果の通知は、より高い成果の達成と行動の改善に向けた助言・指導とあわせて行います。これにより、部下は自分の強みや弱みを具体的・客観的に受け止め、さらなる成長へとつなげられるようにしています。また、各面談において上司と部下がキャリアについて話し合い、上司が部下のキャリア観を把握し、今後の育成計画に生かすようにしています。

キャリアマッチング制度

社員の主体的なキャリア形成をサポートする仕組みとして「キャリアマッチング制度」(社内公募制度)を設けて、適材適所の人材配置や人材の流動化・活性化を図っています。2017年は同制度を利用して116人が異動しました。

また、2015年より社内公募と研修を合体させた「研修型」キャリアマッチング制度が始動しました。この制度は、たとえ未経験であっても新たな仕事にチャレンジする意欲のある社員が経験したことのない領域の仕事に応募し、研修の機会を得て必要なスキルを修得し、スキルのレベルに応じた業務に就くというものです。研修期間は職種により5カ月に及ぶものもあります。2017年は同制度を利用し、17人が新たな職種へ異動しました。

その他のキャリア形成支援

キヤノン(株)では、仕事におけるステップアップを含む自己啓発を目的とした各種のeラーニング講座を年間を通じて開催しています。2014年からは7月から9月を「ワーク・ライフ・バランス推進期間」と位置づけ、始業時刻と終業時刻を前倒し、終業後に語学や資格取得、健康増進などのセミナーを開催し、多くの社員が参加しています。

さらに、勤務地や業務都合などにより普段なかなか研修を受講できない社員に学びの機会を提供するため、社内講師の派遣による出張開催を行うなど、各拠点で偏りが生じないよう努めています。

なお、キヤノン(株)における2017年の社員1人当たりの平均研修時間は約18時間、会社側は16万7,000円の費用を負担しました。

自己啓発向けeラーニング受講実績の推移

  2013 2014 2015 2016 2017
講座数(件) 52 199 318 343 307
受講者数(人) 746 6,766 9,999 9,938 5,987

2017年のイベント開催実績

テーマ イベント名 回数(回) 参加人数(人)
語学支援 英語力診断テスト 7 291
グローバルマインド醸成 異文化交流セミナー 2 50
ヒューマンスキル支援 モチベーションアップセミナー 7 504

定年後を見据えたキャリアプラン・ライフプラン研修

社員が定年退職後の人生をより豊かなものにできるよう、45歳、50歳、54歳時に「クリエイティブライフセミナー」を実施しています。ライフプランやキャリアプランについて考える機会を早い段階で設けることにより、60歳以降の準備を自立的かつ計画的に進められるようにしています。45歳時には将来にわたる生活基盤としての経済面の見通しを、50歳時には定年までの10年間やその後の人生を俯瞰した最適なキャリアプランの構築を、54歳時には定年後の生きがいや収入・支出、健康など幅広い観点からのライフプランの策定を、それぞれ目的としています。

2017年キャリアプラン・ライフプラン研修受講者

(人)

  45歳 50歳 54歳
受講者数 171 403 1,106
(社員774、配偶者332)

人と組織の成長を促すCKI活動の推進

キヤノンは行動指針である「三自の精神」を強化し、「人と組織の成長」と「業務成果の達成」の同時実現をめざす「CKI※1活動」を推進しています。

1999年より、組織活性化の一環として経営革新委員会の開発システム革新専門委員会風土分科会のもとで技術KI※2を導入しました。2004年には導入の単位をプロジェクト単位から組織単位に進化させ、社内コンサルタントによるコミュニケーションの活性化や業務の見える化の支援を開始し、現在まで続くキヤノン式KIである「CKI活動」となりました。コンサルティング以外にも社内コンサルタントによるCKI導入後の部門のフォローアップや、新任課長を対象としたマネジメント実践力強化研修、活動事例を共有する年1回のCKIフォーラム、職場風土診断など、複合的な活動を展開しています。CKI活動は2017年までに国内グループ会社14社を含む、439部門、のべ1万5,000人に拡大しています。

  • ※1 CKI:Canon Knowledge-intensive staff Innovationの略。
  • ※2 技術KI:日本能率協会グループが開発した業務改善方法の一つ。日常業務を見直し、知的生産性向上と組織風土活性化の実現をめざす。KIはKnowledge-intensive staff Innovationの略。

功績をたたえる多様な認定・表彰制度

キヤノンは、多様な認定・表彰制度を設けて、グループ社員の功績を評価しています。

例えば、「Canon Summit Awards」では、キヤノングループの活動および製品分野において、社業の発展に多大な貢献をしたグループ内の企業、部門、チームおよび個人を表彰しています。

このほか、発明および知的財産活動に貢献した社員に対する「発明表彰」や、品質向上活動に対する「品質表彰」、生産革新の優れた活動に対する「生産革新賞」、幅広い技能でものづくりを支える個人に対する「マイスター認定・表彰」、卓越した技能をたたえ、キヤノンに必要な技能の伝承を図るための「キヤノンの名匠認定」、優れた環境活動を表彰する「環境表彰」、調達機能の強化に大きく貢献した活動を表彰する「調達革新表彰」などを実施しています。

2017年の認定・表彰

Canon Summit Awards 製品分野 4件
活動分野 1件
発明表彰 39件290人
品質表彰 最優秀賞 1件
優秀賞 3件
審査委員会賞 2件
生産革新賞 生産革新優秀賞 2件
生産革新準優秀賞 8件
(準優秀賞 4件、着眼賞 4件)
卓越技能者表彰 キヤノンの名匠2人
マイスター認定・表彰 S級1人、1級12人
(累計 S級74人、1級332人)
環境表彰 最優秀賞 1件
優秀賞 3件
調達革新表彰 優秀賞 4件
奨励賞 3件

2018年の認定・表彰(2018年3月末現在)

生産革新賞 生産革新優秀賞 2件
生産革新準優秀賞 6件
卓越技能者表彰 キヤノンの名匠1人
マイスター認定・表彰 1級17人
(累計 S級74人、1級349人)

CKI活動が「ODNJエクセレントアワード組織賞2017」を受賞

キヤノン(株)は2017年6月、組織開発の研究・普及をすすめるNPO法人ODネットワークジャパン(ODNJ)が主催する「ODNJエクセレントアワード組織賞2017」を受賞しました。長年にわたる社内コンサルタントによる組織的なCKI活動、およびその間に蓄積された知見を取り入れたOD(組織開発)実践力が高く評価されました。

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