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人権と労働労働安全と健康支援

従業員が安心して働ける職場環境づくりのために、安全の確保と健康支援に取り組んでいます。

方針および体制

キヤノンは、安全衛生を企業経営の基盤と位置づけ、「安全なくして経営なし」を活動の理念としています。この理念のもと、安全衛生に関する規程類を制定しており、労働組合との間で締結している労働協約においても、安全衛生について定めるなど、労使一体となって計画的に安全衛生の推進に取り組んでいます。

キヤノンでは、安全衛生の最上位機関として安全衛生担当役員が委員長を務める「中央安全衛生委員会」を設置し、主に国内においてキヤノン全体の安全衛生に関する方針や中期計画を策定し、労働災害の撲滅、健康の維持・増進、交通安全、防火・防災、快適な職場づくりなどを推進しています。海外においても、主にアジアの生産拠点を中心に、その地域や法人ごとの置かれた状況を踏まえて安全衛生活動を展開しています。

労働安全

「安全・安心」を実感できる職場環境づくり

キヤノンでは、労働災害や健康障害の発生を未然に防止し、誰もが個々の能力を発揮できる「安全・安心」な職場環境づくりに取り組んでいます。

具体的には、中央安全衛生委員会においてめざす姿を定め3年間の中期計画を作成し、その重点項目を推進しています。

中期計画の重点項目

  1. キヤノン独自の労働安全衛生マネジメントシステムの導入と定着
  2. 機械装置による重大な災害ゼロの定着
  3. 転倒などの生活型災害の半減

「健康経営優良法人~ホワイト500~」に認定

キヤノン(株)およびキヤノンマーケティングジャパン(株)、キヤノンITソリューションズ(株)は、経済産業省と日本健康会議が2017年から運用を開始した「健康経営優良法人認定制度」において「健康経営優良法人~ホワイト500~」に認定されました。この制度は健康経営に取り組む優良な法人を「見える化」することで、「従業員の健康管理を経営的な視点で考え、戦略的に取り組んでいる法人」として社会的に評価を受けることができる環境を整備することを目的としています。また、キヤノンマーケティングジャパン(株)は東京証券取引所の上場企業の中から1業種につき1社選定される「健康経営銘柄」にも認定されました。

健康経営優良法人~ホワイト500~のロゴマーク

キヤノン独自の安全衛生マネジメントシステムの導入と定着

キヤノンはこれまで国内生産拠点を中心に、中央労働災害防止協会方式の労働安全衛生マネジメントシステム(JISHA方式※1OSHMS※2)の導入を進めてきました。

現在は安全衛生水準のさらなる向上をめざし、各拠点でのより自主的な安全衛生活動の推進を図るために、JISHA方式OSHMSの要求事項を元に、キヤノン(株)の基準やルールなどを確認項目に反映した「キヤノングループ労働安全衛生マネジメントシステム」へと発展させています。

2017年は国内クループ会社の全拠点において、同システムの導入・運用を開始し、拠点間での相互確認を踏まえて、さまざまな問題対応策や好事例の水平展開に取り組みました。今後も同システムの着実な運用を促進してキヤノン全体の安全衛生活動のレベルアップを図り、労働災害の防止と労働者の健康の増進、さらには快適な職場環境の形成をめざします。

  • ※1 JISHA(中央労働災害防止協会):Japan Industrial Safety and Health Associationの略。
  • ※2 OSHMS(労働安全衛生マネジメントシステム):Occupational Safety and Health Management Systemの略。

機械装置による重大な災害ゼロの定着

キヤノンでは、国内生産拠点を中心に、キヤノン全社統一基準によるリスクアセスメントの確実な実施と、その結果に対するチェック・フォローを徹底的に実施することによって、残留リスクの低減を推進しています。特に機械装置による重大な災害ゼロの定着に向け、重点的に取り組んでいます。

2017年は、安全衛生担当者が機械装置への理解を深め、職場と一体となって安全化を推進するために2016年に立ち上げた「機械装置技術研修」を継続して実施しました。また機械装置による重大なはさまれ・巻き込まれ災害の防止に特化したキヤノン独自の「はさまれ・巻き込まれ災害防止基準」について、運用状況を確認し、改定基準の確実な定着を図り、機械装置のさらなる安全化を推進しました。

今後も機械装置による重大な災害ゼロの定着をめざし、定期的な機械装置の点検はもとより、多面的な活動に取り組んでいきます。

転倒などの生活型災害の半減

キヤノン(株)および主な国内グループ会社では、通路歩行時の転倒や階段昇降時の転落など、日常生活において発生しやすい災害を「生活型災害」と位置づけ、その防止に重点的に取り組んでいます。

2017年は、職場からの「ヒヤリとした」「ハッとした」体験談の収集を強化しました。報告された体験から、危険箇所を構内図に示すことによる見える化、所属部署内における定期的な情報共有などを実施し、安全化を徹底しました。また、安全衛生通信を定期的に発信するなど啓発活動を行うことにより、グループ全体で安全意識の喚起・徹底を図っています。

今後も啓発活動の継続的な実施により、個人の安全意識の強化に取り組んでいきます。

キヤノン(株)および主な国内グループ会社の労働災害発生件数

(件)

  2013 2014 2015 2016 2017
休業災害 13 19 25 18 22
不休災害 132 133 110 112 101

キヤノン(株)および主な国内グループ会社の労働災害発生率

(%)

  2013 2014 2015 2016 2017
度数率 0.13 0.20 0.25 0.18 0.22
強度率 0.003 0.108 0.007 0.006 0.006
  • 度数率は、100万のべ労働時間当たりの労働災害による死傷者数をもって労働災害の頻度を表すもの。
  • 強度率は、1,000のべ労働時間当たりの労働損失日数をもって労働災害の重さの程度を表すもの。

事故や疾病リスクが高い業務への重点対応

キヤノンでは、国内生産拠点を中心に、安全衛生に関するさまざまなリスクアセスメントの確実な実施に取り組んでいます。職場の管理者や作業責任者・リスクアセスメントの担当者などは、キヤノン全社統一基準によるリスクアセスメントの手法を学び理解を深めるため事前に集合研修を受講し、各職場にてリスクアセスメントを実施します。また定期的に職場巡視やリスクアセスメントの見直しなどを行うことで、リスク管理体制の維持・向上を図っています。

このようにリスクアセスメントを繰り返し実施することにより、事故や疾病のリスクが高い業務を漏れなく洗い出し、適切なリスク低減措置や残留リスクの管理を行うことで、労働災害の発生を未然に防止しています。

また事故リスクについては、保護具の配布や作業前教育の実施のほか特に機械装置による「はさまれ・巻き込まれ災害」を重視しており、中期計画の重点項目にも掲げ、厳重な対策を講じています。

加えて、化学物質を取り扱う作業による疾病リスクの防止も重視しており、工場では、原則定常作業については、取り扱いに関する具体的な手順を定めているほか、キヤノン全体で化学物質を一元管理できるシステムを導入済みです。法改正などに際しては迅速な対応を取ることはもちろん、日本の労働安全衛生法などでは規制されていない化学物質による疾病発症の事例などに対しても即座に対応できるよう、キヤノン全体で化学物質管理の徹底を図っています。

さらに、重量物作業については、作業における制限値を設け、従業員の安全を確保しています。

海外グループ会社での安全衛生向上の取り組み

キヤノンは、海外においても日本と同レベルの労働安全衛生管理体制の構築をめざしており、主に生産拠点を中心に活動を展開しています。

労働安全衛生マネジメントシステムの導入も進められており、キヤノン珠海、キヤノンハイテクタイランド、キヤノンオプトマレーシアなどでは国際規格OHSAS18001を導入しています。

今後も海外グループ会社の安全衛生担当者と積極的に情報交換などを行い、連携の強化を図ることで、安全衛生のさらなるレベルアップをめざします。

  • OHSAS: Occupational Health and Safety Assessment Seriesの略。

健康支援

「健康第一主義」「三自の精神」の健康管理

キヤノンでは、創業当時より掲げている「健康第一主義」「三自の精神」の行動指針に基づき、会社は従業員が安心して働ける環境を提供すること、また従業員一人ひとりは、自分の健康状態を知り(自覚)、自分で改善・向上に向けた行動を起こし(自発)、継続的に自己管理できる(自治)ことをめざしています。

キヤノンは、「健康第一主義」に基づいた取り組みが、安定した労働力を確保するだけでなく、個々の能力が最大限に発揮され、大きな成果を生み出す原動力であると考えています。この健康経営の理念のもと、キヤノンは体系的な健康支援策を積極的に推進しています。

例えば、キヤノン(株)および国内グループ会社では、中央安全衛生委員会で中期計画を作成し、その実施に取り組んでいます。特に、法定項目である各種健康診断(全従業員を対象とする年一回の健康診断を含む)やストレスチェックは、事後措置に関する一定の基準を設け、丁寧な個別フォローを実施しています。過重労働対策についても、健康支援部門と人事部門が連携して適正な労働時間管理を推進するとともに、グループ内基準に該当する対象者全員に医師による面接指導を実施し、未然防止・早期対応に努めています。また、下記の重点項目にも取り組んでいます。

2017年は、全従業員向けのWebサイトに健康情報を集約し、従業員が健康に関する情報がいつでも得られる環境を整えました。また、キヤノン(株)および国内グループ会社と国際出向者を対象に、25歳から50歳まで5年ごとをポイント年齢として、健康への意識を促す取り組みを開始しました。

中期計画の重点項目

  1. 全従業員に向けた年代別啓発・教育活動
  2. メンタルヘルス対策
  3. 生活習慣病対策
  4. がん対策(がんの早期発見・早期治療、効果的な検診制度の見直し)

さらに健康保険組合との協働(コラボヘルス)に積極的に取り組むことで、生活習慣病などの重症化予防を中心とした医療費対策等の施策を、より効果的に進めています。

セルフケアをめざしたメンタルヘルス対策

キヤノンでは、国内において総合的なメンタルヘルス対策を推進していくために、「4つのケア」と「3つの予防」を組み合わせた各種プログラムを効果的に実施しています。近年は、ストレスチェックの実施および従業員や管理職への教育、そして人事担当を含む産業保健スタッフの育成に注力しています。

2017年は、2015年に施行された改正労働安全衛生法の適用事項を踏まえて、ストレスチェックを受検しやすい環境づくり、ポスターや各種媒体による周知・啓発を継続して実施しました。

また、これまで管理職のみとしていたeラーニングの対象を海外赴任者を含めた一般社員にも拡大し、受講率は管理職が92.6%、一般社員が88.5%となりました。

このほか、休業者への支援強化のため、従来の体制や復職支援プログラムを見直し、休業直後から復職後一定期間、家族・主治医・職場・産業医・人事担当および健康支援担当などが連携して支援を行うことで休業日数の減少や再休職を防止するための施策を推進する体制を整備しました。

キヤノン(株)および国内グループ会社のメンタルヘルス施策

キヤノン(株)および国内グループ会社のメンタルヘルス施策の説明図キヤノン(株)および国内グループ会社のメンタルヘルス施策の説明図
  • EAP: Employee Assistance Program(従業員支援プログラム)

メンタルヘルス対策の教育プログラム

従業員教育 従業員教育として、毎年、入社時および入社2年目の全従業員を対象にした教育を実施しています。セルフモニタリングや生活習慣改善方法、ストレス対処方法などの講義のほか、社内外のサポート体制も周知しています。また、各拠点の特性に応じて、セルフケアセミナーも開催しています
管理職のメンタルヘルス研修 全管理職を対象にメンタルヘルス研修を実施しています。管理職自身が健康であることの重要性と健全な職場環境づくりに向けて、コミュニケーションの取り方や気づきのポイントを伝えています。研修内容をグループで標準化するとともに、eラーニング環境も整え実施しています
産業保健スタッフの育成 2013年からメンタルヘルス能力向上研修を継続的に実施しており、対応力やサポート力、連携力の強化を図っています。2017年は休業日数減少や対応が難しいケースをテーマに年4回実施し、キヤノン(株)および国内グループ会社ほぼ全拠点の人事・健康支援担当者が受講しました

生活習慣病の改善と重症化予防対策

キヤノン(株)および国内グループ会社では、生活習慣病の予防に向けて、毎年の定期健康診断の際にライフスタイル調査を実施しています。その結果に基づき、会社ごとに改善目標項目を設定して生活習慣の継続的な改善と生活習慣病の重症化予防に取り組んでいます。

2017年は、2016年に引き続き、「睡眠キャンペーン」に取り組み、睡眠の質と作業効率・労働生産性の関係性を踏まえて従業員への啓発と支援を実施しました。睡眠に不安をもつ従業員に対して睡眠計を活用して睡眠状況を見える化したほか、睡眠時無呼吸症候群のリスクの高い従業員に対しては個別指導を行いました。質の良い睡眠についての意識が向上し、健康診断問診票での「睡眠による休養がとれているか」の問いに対しては、調査を開始した2007年より10ポイント高い63.3%の社員が「はい」と回答しました。

また、キヤノン(株)および国内グループ会社では、2016年より敷地内一斉禁煙を実施しています。2017年には、国内グループの喫煙率は2015年より3.0ポイント減少して23.8%となりました。

キヤノン健康保険組合と連携したがん対策

がん対策として、生活習慣の改善と意識向上を目的とした一次予防、がん早期発見・早期治療に向けた二次予防、適切な治療と両立支援に向けた三次予防を軸に、キヤノン健康保険組合と連携してがん検診の啓発活動や受診環境の整備に努めています。

2017年は、組織的な勧奨やサポートの継続と、より効果的ながん検診制度の確立をめざし、健康保険組合が中心となりがん検診制度を見直しました。今後は新制度の運用開始に向け、従業員に周知・啓発を行うとともに、在職死亡者の減少や医療費抑制につながる支援を推進していきます。

海外グループ会社での健康管理プログラムの展開

海外グループ会社においても、従業員の健康増進に向けて、さまざまな健康管理プログラムを推進しています。また、各拠点の特性に応じた独自の取り組みも積極的に実施しています。

アジア各国のグループ会社では、これまで計17回にわたって、現地社員・出向者の健康管理体制を充実させるため、キヤノン(株)の産業医による海外拠点巡視を実施しています。医療水準の異なる各地域の医療機関の視察や出向者面談などを通じて、各地域における健康支援体制を確認しています。また、海外グループ会社における健康管理では、欧州・米州・アジア・オセアニアの地域ごとに、現地の人事担当とTV会議を定期的に実施し、情報共有や、地域ごとに必要な支援の確認などに努めています。

これらの取り組みにより、安全衛生・健康支援に関わる施策や計画のグローバルな展開がスムーズになり、現地の状況やニーズを踏まえた支援・提言が可能になりました。

このほか、海外拠点の安全衛生活動の実態を把握するため、2017年には海外の16拠点を対象に安全衛生および健康支援に関する調査を実施しました。その情報をもとに、現地の健康支援に取り組んでいます。

海外グループ会社での健康管理プログラム例

拠点名 健康管理施策・イベント
キヤノン中国
  • 定期健康診断
  • 健康情報発信
  • EAPサービス
台湾キヤノン
  • 有酸素系運動推進活動(運動イベント)
  • 健康食品講座
  • 血圧管理講座
  • ダイエットイベント
キヤノンオプトマレーシア
  • 献血
  • 健康相談
  • 健康セミナー
キヤノンハイテクタイランド
  • 生活習慣改善プログラム
    内容:講義、実践(食事、運動)、測定
  • ヘルシー料理教室
    対象:食堂スタッフ、総務スタッフ
キヤノンベトナム
  • ドクター健康相談
  • 婦人病講習会
  • 妊婦講習会
  • 社員寮プログラム:ヨガ、空手
キヤノンギーセン
  • 健康増進プログラム
キヤノンブルターニュ
  • 栄養教室
  • 運動教室
キヤノンバージニア
  • コレステロールセミナー
  • 食品ラベルセミナー
  • ダイエットセミナー
  • Holiday Eating セミナー

キヤノンオプトマレーシアでの健康セミナー