開く

新たな価値創造、社会課題の解決産業イノベーションの推進

キヤノン独自の光学技術や画像処理技術でものづくりの現場を支え、経済の持続的な成長に貢献します。

キヤノンが重視する社会課題と解決への取り組み

持続可能な社会を実現するには、社会環境の変化に対応するイノベーションを創出し続ける必要があります。第四次産業革命と呼ばれる、IoT、ビッグデータ、AI、ロボット技術などを活用した新たな技術革新が進行する中で、オーダーメイドやカスタマイズされた製品やサービスの可能性はますます広がっています。

キヤノンは、中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅤ」のもとBtoB分野への事業領域拡大を推進。長年にわたり磨き上げてきた独自の光学技術や画像処理技術を産業用の機器に応用し、新たな価値の創造を進めています。

半導体露光装置においては、従来の光露光方式以外にもナノインプリントリソグラフィ技術の確立に取り組み、半導体の回路線幅の微細化の実現とコスト低減の両立により、IoT時代をけん引する最先端半導体デバイス製造への貢献をめざしています。電子機器の心臓部ともいえる半導体チップは、スマートフォン、PC、テレビ、エアコン、自動車など身の回りの多様な機器に搭載されており、現代の生活には必要不可欠です。日本政府が推進するSociety 5.0でも示されたように、これからの社会の持続的発展は、AIやIoT、ロボットなどの革新的な科学技術を用いたデータの活用が鍵となります。大量のデータを処理できる高性能半導体チップの製造を可能にするナノインプリントリソグラフィ技術には大きな期待が寄せられています。

また、キヤノントッキの有機ELディスプレイ製造装置やキヤノンアネルバのスパッタリング装置も人々の豊かな生活を支える不可欠な装置として活躍しています。加えて、工場における生産現場の自動化の分野において、システムソリューションを展開するための協業を加速させ、製造業における生産性の向上に寄与しています。

キヤノンは、この分野の事業拡大を通じて、SDGsゴール9「産業と技術革新の基盤をつくろう」の達成に貢献できると考えています。従来の産業の効率化を一層進めるとともに、新しい産業に積極的に取り組み、持続的な経済成長に貢献していきます。

  • Society 5.0:超スマート社会。AIやIoT、ロボットなどの革新的な科学技術を用いて、社会のさまざまなデータを活用することで、経済の発展と社会課題の解決の両立をめざす日本政府が掲げる新たな社会像の実現に向けた取り組み。

先進国と新興国の経済成長率推移

  • 出典:IMF「World Economic Outlook, January 2019」

関連するSDGs

  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう

価値創造の事例

人々の豊かな生活を支える技術

電子機器の頭脳となる半導体デバイスは、モバイル機器用メモリーの需要増加や車載用など用途の多様化を背景に、あらゆるものがインターネットにつながるIoT時代に欠かせない存在となっています。キヤノンは半導体製造工程における露光装置を提供しています。半導体デバイスは回路パターンの微細化により集積度が上がり、性能や記憶容量が向上します。キヤノンは従来の露光方式ではなく、回路パターンをスタンプのように押し付ける画期的な技術(ナノインプリントリソグラフィ)で、回路パターンの微細化と製造プロセスの削減による大幅なコストダウンの両立をめざしています。このナノインプリントリソグラフィ技術を用いた半導体製造装置は、半導体メモリーのリーディングカンパニーである東芝メモリ株式会社に納入され、量産に向けた評価が行われています。

東芝メモリで稼働するナノインプリント半導体製造装置

また、キヤノンアネルバは真空中で薄膜を形成、加工する技術を生かし、半導体製造用スパッタリング装置や世界シェア100%を誇るHDD用ヘッド製造用スパッタリング装置を製造しています。加えて、高速通信を行う4G(第4世代)や次世代5G(第5世代)で注目される通信用デバイスにおいては、キヤノンアネルバの製造装置が高性能化と大幅なコストダウンに貢献しています。

一方、キヤノントッキが開発・製造する有機ELディスプレイ製造装置も、有機ELディスプレイの需要が高まる中、生産になくてはならない装置となっています。有機ELディスプレイは、液晶ディスプレイと比較して薄く、鮮やかな色彩を表現することができ、また「曲げられる」「折りたためる」などの応用性に期待が寄せられています。有機ELディスプレイ製造においては、他社の追随を許さない圧倒的な技術力で、スマートフォンやテレビをはじめとする需要に応え、新たな価値を創造していきます。

キヤノントッキで開発・製造する有機ELディスプレイ製造装置

ものづくりの革新を支える技術

キヤノンは、工場の生産現場における自動化(Factory Automation、以下FA)の分野にも力を入れています。近年、生産現場では人手不足や人件費の高騰などから、FAに対するニーズが高まっています。キヤノンは、こうした市場動向を背景に、ネットワークカメラや産業用カメラなどのイメージング技術や、画像処理技術などを結集し、「Canon Industrial Imaging Platform」として幅広いシステムソリューションの開発を推進。生産現場を「見える化」し、生産の自動化と生産性向上の支援をめざしています。2018年には、生産現場のデジタル化と自動化に強みをもつシーメンス株式会社や、ものづくりITソリューションを展開する東芝デジタルソリューションズ株式会社との協業を開始しました。今後も、さまざまなパートナーと協業し、生産現場の自動化と生産性の向上に貢献していきます。