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新たな価値創造、社会課題の解決安心・安全な社会づくり

カメラやビデオのテクノロジーと最先端のITを組み合わせたネットワークビジュアルソリューションで、安心・安全な社会づくりに貢献します。

キヤノンが重視する社会課題と解決への取り組み

世界各地で急速に進行する都市化に伴い、世界の総人口に対する都市人口の割合は、現在の50%から2050年までに約70%に増加すると予測されています。一方で、増大する都市犯罪やテロ、IT化の進展に伴うサイバー攻撃、気候変動による大規模自然災害の多発など、私たちの暮らしやビジネスの安心・安全を妨げる脅威は多様化しています。こうした増大するリスクに対応し、都市の安全を確保し、誰もが持続的に住み続けられる居住空間を実現するには、都市空間の整備・管理方法を見直し、安心・安全な暮らしを守る新たなインフラの整備が求められます。

日本においては、「ラグビーワールドカップ2019TM日本大会」「東京2020オリンピック・パラリンピック」など大規模なスポーツイベントの開催が予定され、各地で都市の再開発が進行するとともに、海外からの旅行者もさらに増大することが予測されています。社会の治安維持や安心・安全を確保するインフラの整備は、大会の成功にとっても、重要な課題となっています。

安心や安全を脅かす危険を、事前に察知し適切に対処したい、また正確に記録し問題解決に役立てたいというニーズに応え、社会の治安維持やインフラの安心・安全に貢献するのが、ネットワークカメラです。キヤノンは、中長期経営計画「グローバル優良企業グループ構想フェーズⅤ」においてネットワークカメラを新規事業の柱の一つと位置づけ、これまで培ってきた光学技術、センサー、映像エンジン、映像解析ソフトウエアなどのカメラのコア技術とオフィス向け複合機開発で育てたネットワーク制御やクラウドサービスをあわせて、製品ラインアップの拡充とソリューション提案力の強化を図っています。

IoT時代を迎え、さまざまな形でビッグデータが活用される中、ネットワークカメラの映像をセキュリティ用途だけでなく、製造分野やマーケティング分野で活用する動きが広がりつつあります。キヤノンは、防犯・監視用途にとどまらない、ネットワークカメラを核にした革新的な映像解析ソリューションを展開していきます。

こうした展開を加速すべく、キヤノンは、ネットワークカメラ業界のリーディングカンパニーであるスウェーデンのアクシスと、ビデオ管理ソフトウエアの世界最大手の一つであるマイルストーンをグループに迎え入れました。さらに2018年には、映像解析ソフトウエアのリーディングカンパニーであるイスラエルのブリーフカムをグループに迎え、医療・介護、教育、交通、まちづくりといった幅広い分野において映像から必要な情報を取り出し活用する、ネットワークビジュアルソリューションの事業展開を進めています。

キヤノンはこれらの取り組みはSDGsのゴール11「住み続けられるまちづくりを」の達成に貢献できると考えています。このほか、行政機関や商業施設などのお客さまに最適なソリューションを提供することで、先進的かつレジリエントでサステナブルな都市インフラを求める社会からの要請に応えていきます。

関連するSDGs

  • 11 住み続けられるまちづくりを

価値創造の事例

社会の治安維持、安心・安全に貢献するネットワークカメラ

キヤノンとアクシスによる初の共同開発製品「AXISQ1659」は、キヤノンの優れた光学技術やイメージング技術とアクシスのネットワーク映像処理技術を融合することにより、高画質で鮮明な撮影を可能としました。キヤノンのデジタル一眼レフカメラEOSシリーズ用の交換レンズ8種類の選択・交換が可能で、広角から望遠まで幅広い監視用途に対応しています。

また、超高感度ネットワークカメラ「ME20F-SHN」は、キヤノン独自開発の35mmフルサイズCMOSセンサーにより、これまでのネットワークカメラでは難しかった低照度環境下のカラー映像撮影が可能になりました。肉眼では被写体の識別が困難な暗闇や、星明かりなどの非常にわずかな光のもとでも撮影でき、夜間の重要施設、河川・国境や災害現場などのモニタリングで威力を発揮します。さらに、立ち入り禁止エリアへの侵入やカメラへのいたずらなど、異常事態を自動で検知する「インテリジェント機能」も標準搭載しています。国防から防犯まで幅広い用途で、昼夜を問わず人々の安全な暮らしを守ります。

ME20F-SHNで撮影した映像(左)と肉眼で見たイメージ(右)

安心・安全のニーズに応える映像解析ソフトウエア

ネットワークカメラ市場においては、撮影した映像の録画・解析を含めたソリューションが求められており、キヤノンでも、ネットワークカメラの映像に付加価値をもたせることで、セキュリティや顧客サービス、マーケティングなどの分野に活用できる映像解析ソフトウエアの製品化を進めています。

昨年日本で開催されたラグビーの国際試合では、ネットワークカメラの映像から事前登録した人物を顔認証によりリアルタイムに検出・追跡する技術を活用した広域セキュリティシステムの実証実験を行いました。この技術は効率的な警備や、VIP対応・迷子発見などにも貢献することが期待されています。

また、スタジアム内の広場や売店前などに集まった人数をリアルタイムでカウントし、時間帯ごとに混雑状況を解析する実験も実施しました。大勢の観客が密集していたり、さまざまな方向を向いている群衆に対しても、AI技術により高精度での人数カウントに成功しました。円滑なイベント運営やマーケティングへの活用が期待されます。

人数カウント中のモニター画面

このように、ネットワークカメラの映像の活用シーンが広がる一方で、プライバシーに配慮した運用も求められています。キヤノンは、映像内の動く人物などをシルエット表示する映像解析ソフトウエア「Moving ObjectMask」を製品化しました。レストランや会議室などで、プライバシーに配慮しながら空席状況や混み具合などをモニタリングする運用が可能となります。

高画質・高精細なネットワークカメラの映像と映像解析ソフトウエアを組み合わせた映像解析ソリューションを提案することで、キヤノンは安心・安全な社会づくりに貢献していきます。

  • 本実証実験ではキヤノン社員を登録し実施しました。

映像分析を効率化する映像要約技術の活用

ネットワークカメラの急速な普及に伴い、膨大な映像データから、効率的に必要な情報を見つけ出すことが求められています。映像要約技術を活用したブリーフカムの映像解析ソフトウエア「BriefCam」を使えば、異なる時間の映像を重ねて同時に表示することで、オリジナル映像の時間を約3~5%に短縮することが可能です。さらに、大きさや色などさまざまな条件で映像を検索・表示することができ、確認したい対象の映像に瞬時にアクセスできます。

複数映像の同時検索、フィルター結果の自動グラフ表示、映像の中の人物・車両の一覧表示などの機能により、映像分析のさらなる効率化を実現しています。

オリジナル映像<30分> → 加工後の映像<53秒に短縮>