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人と社会への配慮

キヤノンヨーロッパで展開するYoung People Programme

マネジメントアプローチ

人と社会に配慮し、よりよい社会の実現に貢献します。

なぜ重要か

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1989年のベルリンの壁崩壊以降、グローバル化の波が世界中に波及し、産業界においても経営のグローバル化と海外進出が進みました。一方で、人材の流動化や雇用状況の悪化、貧困・格差の拡大など、グローバル経済の拡大によって引き起こされたさまざまな課題も顕在化してきていますが、このグローバル化の波は今後も進展するとみられています。

キヤノンにおいても、現在売上高比率の8割を海外が占めるなど、事業活動のグローバル化を進めています。事業のグローバル展開にあたっては、その国や地域の文化や考え方、行動様式にあった経営が大切です。

例えば、本社の雇用制度を全世界に一律で展開しても、それがうまく機能するとは限りません。事業をグローバルに拡大しながらも、経営の仕組みづくりや、運営については、それぞれの国・地域の文化、風土、習慣にあわせることが合理的と考えています。

一方で、キヤノンは1937年の創業当時から「人間尊重」の精神を、そして事業のグローバル展開に伴い、1988年には世界人類との「共生」という企業理念を事業活動の礎としています。「共生」の理念に則り、文化、習慣、言語、民族などの違いを問わず、すべての人類が末永く共に生き、共に働き、幸せに暮らしていける社会をめざし、グループ一丸となって取り組んでいます。このように、人や社会に配慮しながら複眼的な取り組みを行うことが、企業の持続的な成長には欠かせません。

そしてこの考え方は、世界が一丸となって取り組むべき目標として、2015年に国連で採択した「持続可能な開発目標(SDGs)」の考え方とも合致していると考えています。

また、近年、製品の品質や不正検査をはじめとした不祥事が報道されており、お客さまのメーカーに対する安全性への懸念が高まっています。キヤノンは、製品の安全性確保と使いやすさの向上に最善を尽くし、高付加価値化とともに、お客さまの信頼性向上に努めることが、メーカーの責務と考え、さまざまなステークホルダーの皆さまの期待に応えていきます。

キヤノンのアプローチ

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キヤノンは、マテリアリティ「人と社会への配慮」は、さまざまな事業活動を進める上で、欠かすことのできないテーマであるという認識のもと、幅広い取り組みを行っています。中でも、近年ステークホルダーからの期待が高まる「人権と労働」「製品責任」「社会貢献」の分野については、次のような活動を展開しています。

「人権と労働」については、「人権の尊重」「雇用と処遇」「ダイバーシティ&インクルージョンの推進」「労働安全と健康支援」「人材育成・自己成長支援」のテーマのもとで、多様な背景や価値観をもつ従業員一人ひとりの個性を尊重し、安心してやりがいをもって働くことができる職場環境づくりをグループ全体に徹底しています。

「製品責任」の課題に対しては、「品質マネジメント」「製品の安全性の確保」「製品の使いやすさの向上」を重視しながら、お客さまの信頼に応えます。

「社会貢献」においては、キヤノンの技術や事業分野、人材を生かした活動を、「人道・災害支援」「環境保全活動」「社会福祉活動」「地域社会活動」「教育・学術支援」「芸術・文化・スポーツ支援」の各分野において展開しています。

リスク・機会の継続的な把握

企業評価の指標としてESG(環境、社会、ガバナンス)が注目される中、事業活動における人と社会、特に事業と関わりの深い地域コミュニティへの配慮が強く求められるようになっており、これを怠るとお客さまからの信頼を失うことになります。こうしたリスクを認識した上で、「人と社会への配慮」に真摯に取り組むことが、企業の持続的な成長につながると考えています。

このような考え方のもと、前述の3つの分野については、以下のようにリスクと機会を捉えています。

人権と労働

人種、宗教、国籍、性別、年齢などを理由とした不当な差別や各種ハラスメントなど、人の尊厳を傷つける行為や従業員の健康を損なうような過重労働など、人権を軽視したとみられる事案が発覚すれば、企業イメージが大きく損なわれます。

またこれらのリスクに対し、キヤノンは従業員一人ひとりの能力を最大限に発揮できる職場環境をつくることが重要であると考えています。従業員がそれぞれのさまざまな個性や価値観を生かすことで事業機会が拡大し、企業としての持続的な成長が可能になります。

製品責任

お客さまの安全に関わる品質問題が発生した場合、業績の悪化やブランド・信用の毀損など、経営に甚大な影響が及びます。その反面、高品質でお客さまのニーズに応える製品を提供するとともに、時代が求める新たな技術の創出を実現することで、大きく成長する機会を得ることができます。

社会貢献

貧困や教育格差などの社会課題は、企業が必要とする人材の確保に影響を及ぼすほか、グローバルな市場を縮小させるリスクもあります。

キヤノンは、事業活動を通じて得られた利益を地域社会に還元するとともに、キヤノンが操業するそれぞれの地域が抱える課題の解決に貢献する活動を幅広く展開。これにより、自社の信頼性向上のみならず、社会の持続的な発展にも貢献できると考えています。

SDGsとの関わり

「持続可能な開発目標(SDGs)」の観点から、持続可能な社会の実現に向け、キヤノンがマテリアリティ「人と社会への配慮」を通じて社会に貢献できる内容は、多岐にわたっています。ここでは、「人権と労働」「製品責任」「社会貢献」の3分野の活動に深く関わるSDGsゴールを紹介します。

人権と労働

3 すべての人に健康と福祉を

キヤノンは、安全衛生を企業経営の基盤と位置づけ、創業初期から「健康第一主義」を掲げ、労働安全と健康支援に取り組んでいます。

5 ジェンダー平等を実現しよう

キヤノンは、多様な能力をもった人材を結集し、新たな価値を創造し続けることが重要であるとの認識から、人種、宗教、国籍、性別、年齢などにかかわらず、人材を公平に登用・活用するダイバーシティ&インクルージョンの取り組みを推進しています。

8 働きがいも 経済成長も

キヤノンは、世界各地で優秀な人材を獲得し、そのもてる力を継続的に発揮してもらうために、公平・公正な雇用と処遇を徹底しています。これを実現するため、人材育成や従業員の自己成長を支援する制度を充実させています。

10 人や国の不平等をなくそう

キヤノンは、80年以上の歴史の中で「人間尊重」を企業文化として脈々と受け継いでいます。また「キヤノングループ行動規範」においても「個人の尊重と差別の禁止」を明記し、グループ全体で差別やハラスメントを排し、人権の尊重を徹底しています。

製品責任

12 つくる責任 つかう責任

キヤノンは、さまざまなお客さまが安心して快適に使用できる製品の開発に努めています。製品の安全性を確保するため、グループの各部門において法規制遵守を徹底する内部統制を強化するとともに、開発段階から製品の品質完成度を高めるための活動を進めています。

社会貢献

4 質の高い教育をみんなに

キヤノンは、地域社会に根ざした企業市民として、子どもたちの知識や多様な価値観を育む学校建設、異文化交流活動に取り組むとともに、事業活動から得られた先端技術を生かして次世代育成支援に取り組んでいます。

  • 1 貧困をなくそう
  • 2 飢餓をゼロに
  • 3 すべての人に健康と福祉を
  • 5 ジェンダー平等を実現しよう
  • 9 産業と技術革新の基盤をつくろう
  • 11 住み続けられるまちづくりを
  • 12 つくる責任 つかう責任
  • 13 気候変動に具体的な対策を
  • 15 陸の豊かさも守ろう
  • 17 パートナーシップで目標を達成しよう

キヤノンは、地域によって異なる社会課題を把握した上で、すべての人が幸せに生きる場の実現をめざし、さまざまな社会貢献活動を展開しています。

重要課題と2018年の総括

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人権と労働

人権の尊重

あらゆる差別やハラスメントのない職場づくりにキヤノングループ全体で継続して取り組みました。

雇用と処遇

福利厚生の充実やワーク・ライフ・バランスの実現など、職場としての魅力向上に継続して取り組みました。

ダイバーシティ&インクルージョンの推進

女性の活躍の推進、LGBTなど性的マイノリティへの対応、グローバルの事業拠点における現地採用、障がい者が働きやすい職場環境の整備など、ダイバーシティの実現に向けて継続して取り組みました。

労働安全と健康支援

国内グループ会社の全拠点において2017年に導入した「キヤノン式労働安全衛生マネジメントシステム」を活用して労働災害防止の強化を継続しています。また、労使一体となって安全性の確保と健康支援にも取り組み、従業員が安心して働ける職場環境を整備しています。

人材育成・自己成長支援

次世代リーダーの育成を目的とした管理職階層別研修「Canon Leadership Development Program(LEAD Program)」などの人材育成制度も、2017年から継続して運用しています。

製品責任

品質マネジメント

キヤノン(株)の社長を委員長とし、各事業のトップをメンバーとする開発段階での品質向上に注力した全社横断委員会を中心に、品質問題の根絶に取り組みました。また、全従業員を対象とした品質教育、意識向上活動も継続し、対象の拡大、推進を行っています。

製品の安全性の確保

お客さまへ安心・安全を提供すべく、品質管理においては法令で定められた基準にとどまらない、独自の製品安全基準を設けているほか、製品の安全性を正確かつ徹底的に評価できる環境を整えています。

製品の使いやすさの向上

お客さまのご意見・ご要望を伺うフィールドテストやインタビュー、社内モニター制度、専門家による評価を継続して実施し、製品、サービス、アプリケーションなどの分かりやすさ、使いやすさを実現するための取り組みを進めています。

社会貢献

地域社会の未来を支える若者の育成をめざした「Miraishaプログラム」や「Young People Programme」「4E’sプロジェクト」をはじめ、さまざまな教育支援活動を展開しました。

また、世界各地で発生した自然災害の被災地に対する寄付・募金活動など、地域の課題やニーズに応じた支援をグローバルに展開し、地域社会の持続的発展に向けた活動を推進。中でも、キヤノンの技術を駆使し、日本の文化の継承に寄与する「綴プロジェクト」では、国立文化財機構文化財活用センターとの共同研究プロジェクトを発足し、より多くの人に文化財に親しむ機会とより深い文化体験の提供を開始しました。

  • 人権の尊重
  • 雇用と処遇
  • ダイバーシティ&インクルージョンの推進
  • 労働安全と健康支援
  • 人材育成・自己成長支援
  • データ集
  • 品質マネジメント
  • 製品の安全性の確保
  • 製品の使いやすさの向上
  • 社会貢献活動
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