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Océ-Technologies(オランダ)
野鳥繁殖調査とOcé Weerd

Océ-Technologiesの横にはマース川が流れ、川沿いの土地には、自然保護エリアであるOcé Weerd(オセ・ビアーツ)という草地が広がっています。また、敷地には古木の混在する森も広がり、さまざまな野鳥が生息しています。ここでは、野鳥の繁殖状況を調査し、野鳥の生息に適した環境整備を進めています。

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Océ-Technologiesの生物多様性に対する考え方

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Océは、1877年にオランダ・フェンロに設立されました。Océ-Technologiesは、現在Océグループの本社であり、開発・生産拠点の機能も備えています。マース川(※)が横に流れ、多くの自然に囲まれた敷地には、多種多様な動植物が生息しています。
私たちは、生物多様性と健全な生態系がとても大切であると考えています。そのため、まず自分たちの事業活動が敷地内や周囲の生態系にどのような影響を与えているかをきちんと把握することに努めています。そしてその結果を踏まえて、野鳥をはじめとする生物の多様性がさらに向上することを目指し取り組みを行っています。

※マース川:フランス北東部を水源としてベルギー・オランダを経て北海に注ぐ、全長925kmの川です。 

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Océ Weerd(オセ・ビアーツ)とは

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Weerd(ビアーツ)とは、河川の平坦な風景を意味する古いオランダ語です。Océ Weerdは、2005年に、「マース川回廊計画(Maas-corridor project)」の一環として、Océ-Technologies の敷地である川沿いの土地につくられた自然回復エリアです。この計画は、自然を回復させることにより川の氾濫被害を未然に防ぐ取り組みで、複数の地方自治体、自然保護団体や企業が参加しています。
Océ Weerdは、草地や低木、小さな林などで構成された自然豊かなエリアとなっています。ここでは、ヌマヨシキリ、ノドジロムシクイ、ムネアカヒワ、ゴシキヒワそしてマミジロノビタキなどの野鳥の姿を見たり、その鳴き声を聴いたりすることができます。これらの野鳥は、荒地や、川岸に広がる草木の中、低木が点在し季節ごとに冠水する地面などで繁殖します。

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最初の野鳥繁殖調査

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2015年に、敷地内で第1回目となる野鳥の繁殖調査を行いました。4回に及ぶ現地調査によって、さえずりをしている野鳥となわばりを持つ野鳥を調査票に記録しました。そして、それらの記録をもとになわばりを特定し、49種の野鳥が繁殖しているであろうことが分かりました。
また、調査の時には、ウサギ、キツネ、テンやコウモリの仲間などの哺乳動物も確認されました。このような調査の結果を踏まえて、2017年に約90か所に巣箱を設置しました。

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2018年、2回目の野鳥繁殖調査

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2018年に、第1回と同様の方法で野鳥の繁殖調査を行いました。繁殖が確認された野鳥は48種で、前回とほぼ同じでした。しかし、確認されたなわばりの数は、残念ながら前回の358か所から286か所へと減少してしまいました。
なわばりの数が減少してしまった最大の原因は、以前林であった場所で進められている新本社棟の建設ではないかと考えられています。調査の結果、以前の状態に戻すためには、従来からあったオークの木の植樹、枯れた生け垣を再生するための枯れ枝の除去、そして多くの植物や昆虫そして野鳥が生息するために湿った地面の再生が必要であることが分かりました。

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巣箱のそれから

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巣箱から顔を出すアオガラ

一方2018年の調査では、2017年に設置した巣箱の調査も同時に行われました。敷地内には巣箱を約90か所に設置していましたが、調査の結果、35か所で営巣が確認され、野鳥たちの繁殖の一助になっていることが確認されました。営巣する野鳥の多くはヨーロッパシジュウカラあろうと考えていましたが、実際にはヨーロッパコマドリ、ヨーロッパアオゲラ、アオガラ 、ヒメモリバトやゴジュウカラも利用していました。さらに、スズメバチとマルハナバチが野鳥の巣箱に巣を作るというハプニングにも遭遇しました。

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巣箱から顔を出すアオガラ

昆虫たちにも暮らしやすい環境を

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2018年の早春には、昆虫のためのシェルターも設置しました。このシェルターは、写真のような木、竹、カバノキ、レンガそして石灰石から作られています。さまざまなサイズの穴を持つ材料を使うことにより、単独生活をするハチ、テントウムシ、クサカゲロウなどの昆虫たちのためのシェルター(避難場所)となっています。特に、単独生活しているハチたちは、ミツバチと同様に花粉を運ぶ優れた媒介の役割を持っており、地域の生態系を維持するといった役割を果たしています。さらに、多くの社員がこのシェルターを見に訪れており、社員の自然に対する関心を高めるという役割も果たしています。

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今後に向けて

「自然を壊すことは一瞬だが、自然を再生するには多くの年月が掛かります」

当事業所では、2015年から生物多様性の活動を始めています。最初は、シェルターを作ったり、実をつける低木を植えたり、巣箱を据えつけたりと野鳥が棲みやすい環境を整えてきました。敷地内を歩き回り、自分たちの活動の効果を確認していく作業はとても刺激的でした。また同僚や仲間からもたくさんのポジティブな意見をもらい、とても良いスタートが切れたと思っています。
さらに、私たちにはこれから実現したいことがあります。そのひとつは、数年以内に敷地内にある池を整備して、カエルやイモリといった両生類の生育環境を向上させることです。また、ウェブカメラを使って巣箱を観察することや、草地の管理を行うことでもっと多くの植物や昆虫が棲めるようにすることも検討しています。 私たちは、自分たちの周りにある自然に注意を払うことがいかに大切であるかを忘れてはいけません。「自然を壊すことは一瞬だが、自然をもとに戻すには多くの年月が掛かる」のです。

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Peter Geurts
Environmental Expert
Environment & Corporate Social Responsibility
Océ-Technologies B.V.

経営陣からのメッセージ

「美しい自然が身近にあることは、とても幸福なこと」

マース川やOcé Weerdという美しい自然が身近にあることは、Océ-Technologiesにとってとても幸運なことだと考えています。多くの社員が、ランチタイムの散歩がてら、この自然を満喫しています。
生物多様性の低下は、世界規模の問題であるとともに、国や地域の問題でもあります。Océは、いまこの機運をとらえて、自社の敷地において生物多様性を向上させる取り組みを進めています。単に自然保護をサポートするだけではなく、生物多様性の向上に向けて更なる貢献を目指して行動して行きたいと考えています。

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Ron Notermans
Vice President
Quality & Environment
Océ-Technologies B.V.

事業所で見られる鳥

  • ゴシキヒワ
    © Karin de Jonge

    ゴシキヒワ

    赤い顔と鮮やかな黄色い羽根に大きな特徴があります。群れているゴシキヒワは、色がとりどりに混ざり合いとてもすばらしい光景です。アザミの種をついばむ姿をよく見ます。

  • ノドジロムシクイ
    © Karin de Jonge

    ノドジロムシクイ

    サハラ砂漠南部などアフリカで冬を暮らす小鳥です。彼らのさえずりを聞くと、春の訪れを感じます。

  • ムネアカヒワ
    © Patrick Palmen

    ムネアカヒワ

    農耕地や日が入る明るい森などの開けた場所を好みます。じっとしていることが少なく、いつも動いている印象があります。

  • ヨーロッパビンズイ
    © Karin de Jonge

    ヨーロッパビンズイ

    飛びながらさえずるという特徴を持っています。木から飛び立ち、上昇したと思うと翼を丸めて降下し、他の木へと移ってゆきます。

  • ヨーロッパシジュウカラ
    © Patrick Palmen

    ヨーロッパシジュウカラ

    日本のシジュウカラと違い、腹が黄色いのが特徴です。木々の中だけではなく、都市部の公園でも見ることができます。野鳥の餌台やシードフィーダーに良く訪れます。

  • ヌマヨシキリ
    © Karin de Jonge

    ヌマヨシキリ

    ノドジロムシクイと同様に夏鳥です。激しいテンポで鳴き、他の鳥の鳴き声を真似ることもあります。

  • マミジロノビタキ
    © Karin de Jonge

    マミジロノビタキ

    昆虫を主なエサとしてます。エサを取っている間、周りを見渡せるように、高い木の上や柵の支柱の上を好みます。

  • ニワムシクイ
    © Karin de Jonge

    ニワムシクイ

    見つけにくい野鳥として知られ、開けた木々の中で繁殖します。鳴き声は、クロウタドリよりも速い速度で鳴きますが、良く似ています。