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資源循環

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資源循環型社会の実現に向け、資源消費の抑制、「製品to製品」の資源循環を推進しています。

近年、資源枯渇への懸念や、廃棄されたプラスチックが海を汚染する海洋プラスチック問題などを受けて、資源の循環利用の重要性が世界的に高まっています。キヤノンは、限りある資源の有効利用と廃棄物削減のために、製品の小型・軽量化による省資源化、使用済み製品のリユース・リサイクルを進めています。また、事業拠点においては生産に伴い発生する廃棄物の削減や水使用量の削減などに取り組んでいます。

キヤノンが目指す資源循環

資源を繰り返し使い続ける「製品to製品」の資源循環を追求。製品が消費された場所でリサイクルを行うために、世界各地にリサイクル拠点を構えています。

資源循環に向けたキヤノンの取り組み

キヤノンは「資源循環がもたらす価値」の最大化に向け、資源をくり返し使い続けることができる「製品to製品」の資源循環を追求しています。なかでも、回収したオフィス向け複合機を新品同様に生まれ変わらせるリマニュファクチュアリング、トナーカートリッジのクローズドループリサイクルの取り組みに力を入れています。

キヤノンの資源循環フロー

資源循環がもたらす価値

キヤノンのリサイクル拠点における取り組みは、資源循環型社会への貢献に加え、脱炭素社会の実現にも貢献するものと考えています。リマニュファクチュアリングによる部品リユースやクローズドループリサイクルによるプラスチックの再資源化により、新たに材料を使用する場合と比較して、原材料調達、輸送で発生するCO2を削減できます。キヤノンエコロジーインダストリーでは、拠点の運営にともない、2022年にはスコープ1、2にあたるCO2を約2,900t排出しましたが、上述の取り組みにより、約7,900tのCO2削減効果を生み出した、と認識しています。

資源循環がもたらす価値

「製品to製品」資源循環量(累計)

2008年以降、使用済み製品から取り出され製品の原材料として使われたプラスチック量は4万4,343t、リユースされた製品・部品量は3万5,216tとなりました。

「製品to製品」資源循環量

※ 資源循環の取り組みは2007年以前から実施。データは2008年を基準に集計

世界に広がるキヤノンのリサイクル拠点

キヤノンは現在、日本、欧州(2拠点)、米国、中国の計5拠点にリサイクル拠点を構えています。これにより、製品が消費された地域で資源を循環させる体制を整え、取り組みを継続しています。

キヤノンのリサイクル拠点

※ キヤノンエコロジーインダストリー運営

Pick Up

資源を効率的に利用できる製品の開発を目指して

製品の環境配慮設計

限りある資源の有効利用に向けて製品の環境配慮が求められています。キヤノンは開発・設計段階から使用後の回収・リサイクルまでを考慮した製品づくりを行っています。
各国・地域の製品環境法規制、グリーン公共調達基準、環境ラベル基準など、製品設計において配慮すべき事項は「環境配慮設計ガイダンス」としてまとめ、リデュース配慮設計(小型軽量化、製品の長寿命化、メンテナンス性向上)、分解容易化設計、分別容易化設計、情報開示など、さまざまな項目において具体的な設計指針を設定しています。

Pick Up

複合機のリマニュファクチュアリング

回収した使用済みの複合機を分解し、洗浄・清掃。必要な部品は交換し、再び新品同等の品質に高めて出荷しています。

キヤノンは、1992年以来、使用済み複合機のリマニュファクチュアリングを推進しています。リマニュファクチュアリングでは、回収した使用済みの機器を部品レベルまで分解し、最適な技術を用いて洗浄・清掃。厳密な再生基準に従って、劣化・摩耗部品などを交換し、新しい部品のみで生産される機器と同じレベルの生産・検査ラインで、品質を新品同等にまで高めて出荷しています。
複合機「imageRUNNER ADVANCE」をリマニュファクチュアリングした製品は、日本では「Refreshed」シリーズとして、欧州では「ES」シリーズとして商品化しています。

リマニュファクチュアリングの流れ(キヤノンエコロジーインダストリーの場合)

リマニュファクチュアリングの流れ 回収 ① 回収

回収した使用済み製品を集め、受入チェックを行います。

リマニュファクチュアリングの流れ 分解 ② 分解

外装カバーや部品を取り外します。

リマニュファクチュアリングの流れ 清掃 ③ 清掃

本体フレームや分解した部品を清掃します。

リマニュファクチュアリングの流れ 組み立て ④ 組み立て

清掃したフレームにリユース部品や新品の部品、外装カバーを取り付けます。

リマニュファクチュアリングの流れ 検査 ⑤ 検査

すべての機能が適切に動くよう、新品と同じ検査を行います。

リマニュファクチュアリングの流れ 出荷・販売 ⑥ 出荷・販売

新品と同じように梱包し、市場へ出荷します。

Pick Up

リサイクル

回収したトナーカートリッジの素材を再度製品に使用する「クローズドループリサイクル」等の取り組みを行っています。

トナーカートリッジのリサイクル

キヤノンは他社に先駆け、1990年から「トナーカートリッジリサイクルプログラム」を継続して行っています。回収した使用済みトナーカートリッジは、キヤノンのリサイクル拠点に集められ、カメラを使い選別をしています。その後、リユースできる部品は取り出し、必要な洗浄やメンテナンス後に新しい製品の部品として再使用されます。また、リユースできない部品や材料は破砕し、帯電性や比重などの物理的特性を利用して、素材ごとに分別されます。

材料を繰り返し利用するクローズドループリサイクル

キヤノンは、トナーカートリッジの材料を繰り返し利用する独自の「クローズドループリサイクル」の仕組みを構築しています。回収されたトナーカートリッジの筐体などに使われているHIPS(耐衝撃性ポリスチレン)は、この「クローズドループリサイクル」によって、新しい製品に生まれ変わります。

クローズドループリサイクルイメージ

使用済みトナーカートリッジの回収質量(累計)の推移

こうしたトナーカートリッジの回収は、2022年末現在、世界24カ国で実施され、2022年までの累計回収量は約45.4万tとなっており、国内外の4拠点でリサイクルされています。また、2022年までの累計で新規資源の消費を約32.2万t抑制することができました。

※トナーカートリッジのリサイクル拠点:キヤノンエコロジーインダストリー(日本)、キヤノンバージニア(米国)、キヤノンブルターニュ(フランス)、キヤノン大連(中国)

使用済みトナーカートリッジの回収質量(累計)の推移

Pick Up

インクカートリッジのリサイクル

インクカートリッジのリサイクルイメージ

キヤノンは、使用済みインクカートリッジの回収・リサイクルを1996年から継続しています。
日本では、プリンターメーカー共同で「インクカートリッジ里帰りプロジェクト」を実施。郵便局や図書館、地方自治体の施設などに回収箱を設置するとともに、ベルマーク運動とも連動しながら、学校などでも回収活動を行っています。
他の国や地域では、それぞれの状況に応じて、量販店、提携販売店、ショッピングモール、企業、学校、図書館、駅、キヤノンサービス店、キヤノンショールームなどに回収箱を設置し、回収を行っています。

使用済みインクカートリッジの回収質量(累計)の推移

2022年末現在、30の国と地域で展開し、2022年までの累計回収量は2,731tとなりました。

使用済みインクカートリッジの回収質量(累計)の推移

※集計範囲は全世界。大判インクジェットプリンター用、コンパクトフォトプリンター用を含みます。

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複合機由来のリサイクルプラスチックを原料とした3Dプリンター用フィラメントの開発と活用

キヤノンエコロジーインダストリーは、プラスチック資源循環を推進する新たな取り組みとして、リサイクルプラスチック100%の3Dプリンター用フィラメントを開発しました。リサイクルプラスチックの原料は、プラスチック材料として信頼性と実績があり、複合機の外装カバー、カセットなどに多く使われているPC+ABS、HIPSです。キヤノン製品のリサイクルで培った技術を応用し、市場から回収した複合機の外装カバー、カセットを最適な技術を用いて破砕、洗浄、押出成形し、リサイクルプラスチック100%でありながら安定した線径精度のフィラメントの製造が可能になりました。

キヤノンでは、こちらのフィラメントから造形した部品を製品輸送時の保護部材に活用しています。

廃棄物を削減するための取り組み

事業拠点で3R(リデュース、リユース、リサイクル)活動を推進し、廃棄物削減に積極的に取り組んでいます。

廃棄物の発生を抑制するために

キヤノンは、廃棄物を分別・回収して資源として再利用したり、廃棄物自体がなるべく発生しないように取り組むなど、廃棄物の排出量を削減するための活動を推進しています。特に生産拠点においては、各拠点の生産工程または部門ごとに、廃棄物の発生と関連の大きい要素を特定し予実管理を徹底することで、廃棄物削減の取り組みを継続しています。

廃棄物の社内循環利用と社外再資源化の取り組み

キヤノンでは、事業活動にともない発生する廃棄物の発生抑制(リデュース)、再使用(リユース)、再資源化(リサイクル)を積極的に推進し、循環利用ができない廃棄物は法律などの定めに従い適正に処理しています。
社内循環利用としては、射出成形工程におけるプラスチック廃材の再利用や社内備品としてのリサイクルなど、各事業拠点でさまざまな工夫をしています。
キヤノンから社外に排出せざるを得ない廃棄物についても、埋め立てゼロを目指し、資源ごとに再資源化処理を委託しています。2022年は、新しい資源としての循環活用につなげられるよう、8万6,367tの再資源化処理を委託しました(リサイクル率約97%)。

※行政の管理に基づき処理される、一部の事業系一般廃棄物を除く。

廃棄物総排出量の推移

2022年の廃棄物総排出量は、8万8,732tとなりました。取手工場やキヤノンベトナムにおける通い箱のリターナブル化やキヤノンハイテクタイランドでのプレス廃材の削減といった継続的な削減活動を実施しましたが、生産拠点の部品物流の増加にともなう梱包材増加などの影響もあり、2021年と比較し6%の増加となりました。

廃棄物総排出量の推移

※ 回収した使用済み製品の廃棄は除く

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使い捨てプラスチック削減に向けた取り組み

海洋汚染の原因の一つとされている使い捨てプラスチックに対し、社会的な関心が高まっている中で、キヤノンは使い捨てプラスチックの削減に向けて取り組んでいます。

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さらに、キヤノンは、業種を超えた幅広い関係者の連携とイノベーションの加速により海洋プラスチック問題の解決をめざす官民連携のアライアンスである「クリーン・オーシャン・マテリアル・アライアンス(CLOMA)」に参画しています。今後もCLOMAと連携し、プラスチックの使用削減、リサイクルしやすい製品・技術・システムの開発などを推進していきます。

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水資源を持続的に利用するために

事業活動で必要な水を今後も持続的に利用していくため、水の使用効率の向上に努めています。

キヤノン生産拠点の立地地域における水リスク

キヤノンでは、事前評価の仕組みにより、取水可能量を確認した上で、事業所の建設や設備の導入を行っています。さらに、生産拠点が立地する地域の水リスク(量的リスク)を、世界資源研究所の水リスク地図「AQUEDUCT」を用いて定期的に評価・確認し、地域に応じた水使用量の削減に取り組んでいます。一方、一部地域では、異常気象の増加により、洪水被害のリスクが高まっています。これまでにも、タイの生産拠点において高台に第2工場を設立するなど、気候変動への適応策を進めてきました。今後もリスク対応計画の更新・策定を進めることで、レジリエンスの向上を図っていきます。

※世界資源研究所(World Resources Institute): 米国に本拠を置く、地球の環境と開発の問題に関する政策研究と技術的支援を行う独立機関。

主要生産拠点立地地域における水リスク(量的リスク)

水リスク地図

※ 水リスク地図「AQUEDUCT」(第3版)を用いた生産拠点に対する“Physical risk quantity”評価の結果(2023年3月時点)

水の使用量を削減するために

キヤノンでは、取水の状況を取水源別(上水道/工業用水/地下水)に集計し、各地域の取水制限を超過しないよう管理しています。さらに生産に起因する水使用量の目標を定めて管理し、生産工程の改善や水使用の効率化、管理水準の向上により、削減に努めています。

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総水資源利用量の推移

2022年の総水資源使用量は、キヤノン蘇州における老朽化設備の更新、大分キヤノンマテリアルの洗浄機集約稼働といった生産拠点での継続的な削減活動により、8,397千m3と、前年と比較して2.1%の減少となりました。

総水資源利用量の推移

※ 2018年から水資源使用量について第三者検証を取得
※ 主にISO14001統合認証の取得会社を集計の範囲としています

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そのほかの重点的な取り組み

キヤノンが重点的に取り組んでいるその他の環境活動はこちらをご覧ください。

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