豊かさと環境の両立へ
製品ライフサイクルを通じた環境保証
LCA(ライフサイクルアセスメント)とは
製品の原材料調達から、生産、流通、使用・維持、廃棄・リサイクルに至るまでのライフサイクルにおける投入資源、環境負荷及びそれらによる地球や生態系への潜在的な環境影響を定量的に評価する手法です。
Canon’s LCA
キヤノンの環境の取り組みは、自社工場での取り組みにとどまらず、製品ライフサイクル全体を通して行われています。ライフサイクル全体での環境負荷低減を実現するために、製品開発ではLCA(ライフサイクルアセスメント)の手法を導入。製品開発から情報公開までを一貫体制で管理できる「LCA開発マネジメントシステム」を構築し、開発・設計段階からCO2排出量の算定を行い、目標到達に向けた製品の作り込みに活用しています。
キヤノンのLCA開発マネジメントシステム
キヤノンは、一般社団法人サステナブル経営推進機構(SuMPO)が運営する「エコリーフ環境ラベルプログラム」を利用し、環境ラベル登録をおこなっています。
エコリーフ環境ラベルプログラムは、製品やサービスの原材料調達から廃棄・リサイクルまでの製品ライフサイクル全体における環境に及ぼす影響を定量的に「見える化」することを目的としています。算出項目は、温暖化ガス排出量に加え、エネルギー資源消費や鉱物資源消費、酸性化に対して、ライフサイクルの各ステージが与える影響を評価しています。
キヤノンでは、公開目的に合わせて温暖化のみの単一環境影響指標(シングルクライテリア)を開示する「カーボンフットプリント(CFP※1)」、あるいは温暖化を含む複数の環境影響指標(マルチクライテリア)を開示可能な「エコリーフ※2」に対応しており、製品分類ごとに定めるPCR(product category rule)に即して、想定使用期間におけるトナーなどの消耗品やメンテナンス部品の交換に関わる環境影響の評価も行っています。
キヤノンの製品は、工場の活動だけでなく、材料や部品を提供していただくサプライヤー、材料・部品や製品を輸送する事業者、製品を販売する事業者など、たくさんの方の活動に支えられており、これらの活動も全て、地球環境に影響しています。また、お客さまが製品を使用し、使用後にリサイクルや廃棄処理される時まで、環境への影響は続きます。 キヤノンは、このように製品が一生の間に関わるサプライチェーン全体での環境影響を捉えるために、2014年実績からGHG*のScope3を算出、Scope3の全カテゴリの検証を受けています。(キヤノンは下図の※1、※2の部分も算定しています)
Scope3はさらに15カテゴリと、任意の「その他」に分かれています。「その他」は環境省・経済産業省の基本ガイドライン独自のカテゴリですが、それ以外はGHGプロトコルのScope3基準と整合しています。
なお、対象となる温室効果ガスは、二酸化炭素(CO2)、メタン(CH4)、一酸化二窒素(N2O)、ハイドロフルオロカーボン類(HFCs)、パーフルオロカーボン類(PFCs)、六ふっ化硫黄(SF6)、三ふっ化窒素(NF3)です。
本書ではこれらの“温室効果ガスのCO2換算量”のことを“CO2”と表記し、“CO2換算後排出量”のことを“排出量”と表記しています。
出典:環境省「サプライチェーン排出量算定の考え方」
キヤノンは、ライフサイクルのそれぞれのステージでCO2削減の取り組みを行っています。
経済産業省が推進する「CFPを活用したカーボン・オフセット制度」の活用により、ライフサイクルCO2排出量が実質的にゼロとなる製品を実現しています。
対象製品である「imageRUNNER ADVANCE」シリーズ、プロダクションプリンター「imagePRESS」の一部の機種においては、お客さまは製品使用により発生すると想定されるCO2排出量を自社の削除分として、地球温暖化対策の推進に関する法律に基づく管轄省庁への報告を行うことができます。
キヤノンは、LCA手法を活用し、インク / トナーカートリッジ回収リサイクルプログラムにおける、回収輸送、及びリサイクル拠点におけるリサイクル工程で発生するCO2排出量を見える化しました。
この回収輸送、及びリサイクル拠点におけるリサイクル工程で発生するCO2排出量を、「カーボン・オフセット制度」を活用してオフセットすることで、CO2排出量実質ゼロの回収リサイクルプログラムを実現しました。