本郷 理華選手|2015-2016シーズン インタビュー|キヤノン・ワールドフィギュアスケートウェブ

インタビュー - Interviews -

本郷 理華選手
インタビュー

「ずっと前からスケートは好きだけど、
試合が楽しいと思えるように」

文・野口美恵(スポーツライター)

昨季はGPファイナル出場、世界選手権6位と、シニアデビューながら世界のトップグループ入りを果たした本郷理華選手。2年連続の世界選手権出場を手にした今季、さらなる飛躍を誓っている。

「トップで戦いたい思いが強くなった」 シニア2年目に向け、終日練習の日々
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大活躍の昨季から、いよいよシニア2年目。どのような気持ちで今季に挑んでいますか?

昨季は、国際試合になると上手な選手がたくさんいて「自分がここにいて良いのかな」と思っていました。そのぶん順位にこだわらず思い切って演技できた面もあります。なので今季も、そのような気持ちは残しつつ、頑張っていこうと思っています。

4月からは中京大の大学生になりましたね。キャンパスライフは楽しめていますか?

いいえ、お休みの日は全く無いです。中京大のキャンパス内にリンクがあって、滑ろうと思えば一日中滑れる環境になったので。朝は長久保(裕)先生と(邦和スポーツランドで)練習して、学校では授業の空き時間があれば中京大のリンクで滑っています。夕方も中京大で滑り、さらに時間があれば夜はまた邦和スポーツランドで滑っています。でも本当に毎日そんなに滑ったら、足が持たないですけどね・・・。ただ、今季のうちに「練習溜め」をしておきたいという気持ちがあります。

意欲に溢れていますね。お休みは無いのですね。

アイスショーで他の街に行くときの移動日が、練習のお休みです。だからアイスショーはご褒美のようなもの。練習を頑張って試合で良い成績をとり、アイスショーに呼ばれる選手になろうと思い、また頑張るんです。アイスショーでは楽しんで演技できるし、海外から来る選手や日本の先輩達から学ぶこともあるので、とても嬉しいです。

昨季の好成績もあって、今季は世界のトップグループの一員として試合に臨んでいますね。何か感じる変化はありますか?

今までテレビで観ていた世界のトップ選手に、自分が入ったとはあまり思っていません。でもトップで戦いたいという思いは強くなりました。それに、ずっと前からスケートは好きだけど、ジュニアの時に比べて試合が楽しいと思えるようになりました。やっぱりシニアのGPシリーズは、観客の数が全然違うので、試合前から楽しくなっちゃいます。あと、試合後に海外の選手と話すのも楽しくて、もっと英語を話せるようになりたいなと思いました。

「不思議な世界を表現する」ショートの『キダム』 『リバーダンス』は、手拍子で好演技
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プログラムについて教えてください。

ショートは『キダム』です。ショートは不思議な世界を表現するもので、先輩の鈴木明子さんの振り付けです。手の使い方とか、足の使い方とかが変わった動きになっていて、『キダム』の世界観をどう表現するかを習いました。明子さんが私の動きの特徴をみて、持ち味を引き出してくれたので、大好きなプログラムに仕上がりました。明子さんはとても細かく、厳しく踊りをみてくれて、その成果が試合で出ているので、本当に感謝しています。

いかにもシルク・ドゥ・ソレイユの『キダム』らしいメイクですよね。

メイクは、夏のアイスショーの時期にプロのメイクさんから習いました。ショーの時ほど濃くはしないのですが、そのメイク方法を思い出して、試合本番では自分でお化粧をしています。


フリーは毎回、手拍子で盛り上がっています。

フリーは『リバーダンス』。宮本賢二先生に振り付けを依頼しました。足をたくさん使って踊る、とてもハードな曲です。最初はゆっくりですが、途中から速くなって、そのまま最後まで踊り続けます。

とても特徴のあるステップシークエンスです。

はい。コレオシークエンスとステップシークエンスの場面は、『リバーダンス』の動きがたくさん入っているので、インターネットの動画を見たり、名古屋での公演も観に行ったりして、勉強しました。最初はシークエンスにスパイラルを入れていたのですが、曲調が速い曲なので、「リバーダンスらしい脚の動きをもっとたくさん入れた方が曲に合うね」ということを宮本先生や長久保先生達と相談して、思い切ってスパイラルは入れないプログラムにしました。それが良かったと思います。

「表現に気を配った」中国杯で2位 ロシア杯は、ファイナルが気になっての5位
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中国杯では、ショートで首位発進と好スタートを切りました。

実は今まで、最初のジャンプを跳ぶまではジャンプのことだけで頭がいっぱいになってしまい、繋ぎの演技の部分の表現に気が回っていませんでした。でも鈴木明子さんからのアドバイスで、「滑り始めから最初のジャンプの前までも、表現に気を配って」と言われていたので、その部分に気をつけて楽しく表現できたことが良かったです。自己ベストを更新して65点を超えたので、最低限の結果は出せました。

フリーは観客から大声援がありました。

いつもなら最後のステップの時に「まだ1つジャンプが残っている」と思ってしまうのですが、会場のみなさんが手拍子して下さったおかげで、それを考えずに楽しくステップができました。点数も、フリーで125点を目標にしていたのですが、129.97点も出てびっくりしました。すごく嬉しかったです。

続くロシア杯は5位。昨季優勝した会場でのロシア杯でした。

中国杯で2位になったことで、中国杯の時よりもロシア杯のほうが結果を意識するようになっていましたし、この試合でGPファイナルの出場が決まるので緊張していたんだと思います。昨季は優勝した試合ですが、メンバーは全然違いましたし、ロシアの女子は勢いがありました。

全日本選手権は4位。緊張していたのでしょうか?

ショートは2位で終えて、悪くなかったと思います。表彰台もフリーの結果次第では目指せる位置にありました。でも、フリーも順位にこだわっていたのではなく「自分ができることを出し切るだけ」と思っていたので精神的には悪くなかったと思います。

技術的な面でのミスでしょうか?

ルッツのエッジエラーを気にしすぎて、タイミングがズレてしまったのかなと思います。緊張はありましたが、プレッシャーによる失敗ではないですね。とにかく全日本選手権は、悔しい気持ちが大きいです。たくさん練習してきた成果を出せなかったので、まだまだだなという印象です。

浅田選手の復帰で「挑戦者の気持ちに」 トリプルアクセルから刺激を受ける
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今季は浅田真央選手が復帰。シニアの試合で一緒に滑るのは初めてですね。

はい。自分より実績もあり技術も高い、そんな選手が復帰するのは自分にとっては大変なことですが、ジュニアの頃から憧れていた選手と一緒の試合に出られることは嬉しいです。昨季は自分より年下の子が多い中で「頑張らないと」と思いましたが、今季は目標の選手に少しでも近づこうと、挑戦者の気持ちが強くなりました。

中国杯では一緒の試合でしたね。

浅田さんの試合前の動きを見ていて、たくさん勉強になりました。前から凄い選手だと思っていたけど、初めて同じ試合に出たことで、改めて凄いなあと。練習や試合直前とかの集中力もありますね。これが、世界で戦い続けて、世界チャンピオンにもなったことがある本当のトップ選手なんだな、と思いました。技術的なことよりも、練習態度や雰囲気で学ぶ部分がたくさんありました。

浅田選手とは会話できましたか?

中国杯に一緒に行くまで話したことは無かったんです。それで私は緊張していたのですが、浅田選手の方から声をかけてくれました。中国杯のショートの後も、「演技よかったね、おつかれさま。フリーも頑張ろう」と言ってもらえて、嬉しかったです。

浅田選手に刺激される面はありますか?

やはりトリプルアクセルを間近で見て、驚きました。とても上手にトリプルアクセルを決めているのを見て、やっぱりトリプルアクセルが跳べたら良いし、今後は必要になってくるなと思いました。だから長久保先生に「トリプルアクセルの練習もやりなさい」と言われると、「やらなきゃなあ」くらいの感覚だったのですが、改めて「ああ!やらないと!」という気持ちに変わりました。今の自分には浅田選手のトリプルアクセルのような武器はなく、ただ勢いだけで演技しています。なので、自分の武器になるものを見つけて伸ばしていきたい、と思うようになりました。

四大陸選手権、世界選手権へ意欲 「ショート、フリー共にそろえたい」
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2月の四大陸選手権、そして3月の世界選手権への出場が決まりました。

まず四大陸選手権では、世界選手権の前に自分が練習した成果をどれだけ出せるかを試せると思います。そして、自分がどれだけ結果を残せたかが、世界選手権に繋がると思います。まずは四大陸選手権に向けて全力で頑張りたいです。

シーズン前半を振り返って、一番成長した実感がある部分は?

今季は表現力をもっと上げることを目標に、シーズンオフから明子さんに色々と細かい表現を教わってきました。少しずつではありますが、成果は出てきたかなと思います。

それでは、世界選手権に向けた抱負を。

シーズン前半は、フィンランディア杯から始まって、中国杯では納得のいく演技ができましたが、ロシア杯や全日本選手権では課題が残りました。世界選手権に向けては、フリーの失敗が目立ったので、フリーをしっかり練習していきたいです。今季はまだショート、フリーを完璧にそろえられた試合がないので、しっかりショート、フリー共に満足のいく演技ができるように、そして今回の世界選手権は2度目の出場なので、昨季よりも成長した姿をお見せしたいです。

2016年2月、四大陸選手権にて取材

本郷 理華選手の
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