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坂本 花織※2018/12/3更新

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スポーツライター 野口美恵's EYE

ISU 四大陸フィギュアスケート選手権 2018

日本女子の五輪代表切符をめぐる争いの中、最後の最後で笑顔を見せたのは坂本花織でした。シニアデビューとなる今季、坂本の大躍進とパワーは日本女子の中でも最も力強い輝きを放っていました。

坂本は2000年生まれの17歳。昨季はジュニアのGPファイナルで銅メダル、全日本ジュニア選手権優勝、世界ジュニア選手権銅メダルと活躍。パワーの溢れるスケーティングと、飛距離のあるジャンプが持ち味です。日本女子選手の中では「お笑い担当」と言われるほど明るいキャラで、何事もポジティブシンキングな少女です。

シニアデビューとなった今季、坂本は五輪出場の夢をしっかりと見据えていました。他の五輪候補選手がシニアですでに実績を積んでいる中、坂本ができる最大の作戦は、とにかくたくさん試合に出てシニアの試合感覚を掴むことでした。

8月のアジアフィギュア杯優勝、9月のUSインターナショナル4位、10月にはGPシリーズのロシア杯で5位となります。そして11月は怒濤の3連戦で、西日本選手権優勝、全兵庫選手権優勝と国内大会で勢いをつけると、GPシリーズのアメリカ杯で2位へと駆け上がりました。

「とにかくたくさん試合に出ました。アメリカで2位になって、もしかして(五輪)行けるんちゃう?って思いました」と言う坂本。この波に乗ったまま12月の全日本選手権を迎え、ショート、フリーともにパーフェクトの演技で銀メダルを獲得すると、「2枠」の五輪代表の切符を掴んだのです。シーズン前半だけで実に7試合をこなすという、若さと気合いを活かした戦略は大当たりでした。

また坂本の急成長を支えたのが、ショートとフリーのプログラムです。まずショートの『月光』は、坂本のスケーティング力を伸ばすことに繋がりました。第1楽章のおごそかな三連符から曲は始まり、ゆったりとした重厚感ある滑りでステップシークエンスを見せます。そして演技後半、第2楽章、第3楽章の力強くスピードのあるパートにジャンプを集中。最後まで力強く滑り切ります。

一方、フリーの『アメリ』は、パントマイムも盛り込まれた見応えのある振り付けです。シーズン始めは踊りの難しさに気を取られていましたが、さすがに7試合こなしただけあって、全日本選手権では坂本の世界観が見えてくるような演技に仕上がりました。どちらも見応えのある作品として、必見です。

ISU グランプリファイナル 2018

「18歳になった今季のテーマは大人」と宣言。平昌五輪シーズンに愛嬌あふれる笑顔を見せた少女は、新たな成長を目指しています。

昨季は、シーズン前半はプログラムを演じる難しさに苦労していたものの、全日本選手権で覚醒ともいえるパーフェクトの演技を披露。女子2枠の五輪切符を手にしました。その勢いのままに、四大陸選手権は優勝、平昌五輪も6位と駆け抜けました。

坂本の一番の魅力は、ジャンプのダイナミックさです。スピード、飛距離、キレ味、そして着氷したあとの流れ、どれも一級品。ジュニア時代から、躍動感あふれるジャンパーとして、観客を魅了してきました。

今季のルール改正で、ジャンプの質への評価が「±3」から「±5」に広がったことは、坂本のような質の高いジャンプを跳ぶ選手にとっては有利に働くでしょう。他の選手が、「+5」を狙って細かいステップや空中姿勢の工夫などを試行錯誤する中、坂本は「更に大きく余裕のあるジャンプを跳ぶ」という方向性で「+5」を狙っていきます。

「ジャンプを降りた後に伸びたスケーティングを見せて、これだけ余裕に跳んでいますよというアピールをして加点を狙いたいと思います。ちゃんと降りたジャンプはすごくプラスがついていたので、自信になっています」。

実際に、アメリカ杯のショート、フリーともに、3回転ループに「+5」をつけたジャッジが1人ずつ。女子はまだ「+5」を獲る選手が少ない中で、高い評価を得ていることがわかります。

ジャンプでは手応えを得ている分、今季は「大人」のテーマ通り、どこまで自己管理を徹底できるかがカギになりそうです。オフの間は体重が増え、9月の初戦ロンバルディア杯はミスが相次ぎ4位。

「ロンバルディアまでは身体が重くて、脚も痛くジャンプも安定しませんでした。10月のジャパンオープン前に2㎏減らしたら足の負担も減ったので、このまま体重をちょっとずつ減らしていけば、去年の全日本選手権みたいに思い切っていけると思います。自分がベストでいける状態でGPシリーズを迎えます」。

そう誓うと、10月中旬のアメリカ杯までには見事に体重をコントロールした坂本。ほぼパーフェクトの内容で213.90点をマークし2位に入りました。さらにフィンランド杯も、フリーで巻き返しての3位となり、GPファイナルへの進出を決めました。

「4年後のオリンピックまでには中身も大人になれるよう、今季はまず外側から大人になっていこうかと思います」。

お茶目な坂本の笑顔はそのまま、今季はちょっとだけ大人の彼女が、氷上を沸かせてくれそうです。

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