1996グランプリ
写真はなぞなぞを解くカギ。
制作は一つの旅。
作品は論理。
そして常に、すべてを超える偶然の現実。
これは、潜る人の記録です。
初めて、ダイバーに出会ったのは冬の日。
その姿は月にゆく人のようでした。
不思議だったのです。
潜ルという行為について考えてみました。
私は写真を撮りつづけます。
日々を占める99%のなぞなぞのために。
まず、驚きがあるんだよ。その姿の異様さから一種の宇宙人みたいな感じがして、「何だろう、この人?」みたいな。そして、「あっ、潜る人だったんだ」というのが状況を追って普通に捕らえられているだけなんだけれど、驚きと新鮮さが的確に表現されているね。見る人が、コンセプトや考え方をわからなくても、ボーっとみていて楽しめる。ちゃんと写真になってるね。逆にいうとコンセプトがわからなくても、これは写真として魅力的な存在になっているんだ。
1971年生まれ。さいたま市出身。那覇市在住。1992年より写真作品の制作を始め、展覧会を中心に作品を発表。現代美術の国際展にも数多く参加している。1996年、キヤノン写真新世紀年間グランプリ受賞。2002年、第52回芸術選奨文部科学大臣新人賞(美術部門)を受賞。国内での主な個展に「予感 」(丸亀市猪熊弦一郎現代美術館、2001年)、「飛ぶ夢を見た」(原美術館、2004年)、「光は未来に届く」(IZU PHOTO MUSEUM、2011–2012年)など。作品は東京国立近代美術館、国立国際美術館、グッゲンハイム美術館、ポンピドゥ・センターなどに収蔵されている。
1996グランプリ