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齋藤直人

写真:齋藤直人

「自分のラグビーを信じてやり抜く」

まず新しいジャージーを着た感想は?

新ジャージーはデザイン的に襟元が変わり、新鮮な感じがします。この代表のユニフォーム着るたびに、新たな覚悟とそれから責任というのをすごく感じます。

自分の強みは?

早いテンポのパス回しと、あとはピンチやチャンスに絡む嗅覚だと思います。

流大選手や福田健太選手との9番のポジション争いに勝つためには何が大事になってくると思いますか?

一番は自分のラグビーを信じてやり切ること、そして、そのために準備を欠かさないことだと思っています。(ライバルより)上回るとかいうより、テンポや判断、嗅覚という部分が強みなので、自分のラグビーを前面に出していきたいです。

桐蔭学園高校や早稲田大学でも活躍した齋藤選手、学生時代の経験はラグビー日本代表でどう活きていますか?

高校時代に一番学んだのは「絶対に手を抜かない」ということです。手を抜けばもちろん最終的には自分に返ってくるのですが、もしそうすれば、コーチも含めてチームメイトもわかるので、絶対ごまかせない。最終的には、それは自分に返ってくるからこそ毎回の練習、トレーニングもそうですけど、毎回、毎回、常に出し切らなければいけないということを学んで、それは今にもすごく活きているかな。大学時代にも高校での学びを活かしながら活動しました。寮にも入ったので、すぐにトレーニングできる環境でしたし、誰とどこでどういった練習をやるかなど、具体的な行動を自分でプランニングしていけるようになったと思います。それは今にもつながっています。

東京サントリーサンゴリアスではニュージーランド代表やオーストラリア代表選手とも一緒にプレーしました。どんなことがプラスとなりましたか?

ラグビー面は本当にたくさんの学びがあって、そういった選手から学んだことの一つとして、オンとオフのところ、つまりグランドやトレーニングを100%やるためにオフの時間も100%でやるということを一番、学びました

SH齋藤選手は強気なリードも長所になっています。強気のメンタルはどうやって育まれてきたのでしょうか?

自分ではあまりそう思っていないですが(苦笑)、マインドの部分はすごく日本代表に入ってから変わったなと思っています。代表に入って3年目ですが、アシスタントコーチにたくさんコミュニケーションとってもらい、「一番大切なのは自分を信じて自分のラグビーをやりきることだ」と毎回言っていただいたため、今そういう風に評価していただけることにつながったのかなと思います。

リーダーの一人としてどのようにチームに関与していきたいですか?

ラグビー以外の面だと、同じ宿舎に泊まっていて、リカバリーや食事では常に誰かしらいるので、そういう時間も大事にして、たくさんコミュニケーションを取っていきたいなと思います。

※プロフィール
齋藤直人 1997年8月26日生まれ。神奈川県出身。東京サントリーサンゴリアス所属。ポジションはSH(スクラムハーフ)。3歳からラグビーを始めて桐蔭学園高校から早稲田大学に進学し、ユース代表を歴任した。社会人でもルーキーイヤーから試合に出続けて、今季はサンゴリアスで共同主将も任された。2021年6月、代表初キャップを獲得した。身長165cm、体重73kg。日本代表11キャップ(2023年7月1日現在)。

インタビュー・文 スポーツライター斉藤健仁
写真 フォトグラファー大塚浩史