CANON TECHNOLOGY

閉じる

イメージイメージ

商業印刷用プリンターの搭載技術

出版物やカタログ・チラシといった販促物、ダイレクトメールなどのように、事業やビジネスに必要な物を印刷する「商業印刷」。版をつくる必要があるオフセット印刷と比べ、短納期、多品種小ロット、一部ごとに内容を変えられるバリアブル印刷などデジタル印刷の需要が商業印刷のなかで年々拡大しています。キヤノンでは、グループ会社のオセとともに、さまざまな技術開発を進め、デジタル印刷の生産性や画質の向上を追求。特に高品位なカタログ、ダイレクトメール、ポスター、サイネージなど「グラフィックアーツ」と呼ばれる分野にも注力しています。さらには、凹凸も表現できる隆起印刷技術も開発するなど、印刷の新たな可能性を生み出しています。

2018/12/27技術紹介

連帳プリンターのテクノロジー

#商業印刷#イメージング技術

連帳プリンターとはロール紙に連続して高速印刷するプリンター。帳票、ダイレクトメール、書籍、マニュアルなどの印刷に向いています。

イメージイメージ

業務用高速連帳プリンター「Océ ProStream 1000」

業務用高速連帳プリンター「Océ ProStream 1000」には、高画質を実現するベースコート剤、独自開発のインク、用紙の負荷を低減する乾燥方式など、オセの技術が詰め込まれており、オフセットで使うコート紙にも高品位な印刷ができます。

高画質を実現するインクセットテクノロジー

#商業印刷#イメージング技術#化学

ベースコート剤であらゆる用紙に対応する「カラーグリップ」

さまざまな用紙でも高画質を実現するインクセットテクノロジー。それを支えるテクノロジーの1つがベースコート剤「カラーグリップ」です。インクを印字する前に紙表面へ塗布。紙の風合いを変えることなく、紙表面を整え、顔料粒子を素早く固定させることを可能にしました。画像全体におけるインク量の均一化にも効果を発揮します。
さらに、独自開発したポリマー顔料インクは摩擦への強度が高く、鮮明な色づくりを実現。

イメージイメージ

高解像度に対応するOcé DigiDotテクノロジー

「Océ ProStream 1000」では、インクヘッドから吐出するインク滴を印字する内容に応じて、2ピコリットル(※)、4.6ピコリットルで吐出する「マルチレベルドロップ」により、スムーズなグラデーションを実現。1200dpiの高解像度にも対応します。

イメージイメージ

マルチレベルドロップ

  • (※)ピコリットル
    インク液滴の体積を表す単位。1ピコリットル=1兆分の1リットル。1ピコリットルとは1辺が10μm(1/100mm)の立方体の体積。

非接触乾燥でさまざまなメディアに高品位な印刷を実現

#商業印刷#イメージング技術#物理学

「Océ ProStream 1000」に搭載されている「エアーフローテーション非接触乾燥テクノロジー」は、高温エアーでインクを溶かし、塗布した後、素早く乾かすことでオフセットで使うコート紙でも高画質を可能としました。まず最大150℃まで熱した空気を紙両面に吹き付けることでロール紙を浮かせます。そして紙や画像の状態に合わせて徐々に紙の温度を100℃以上まで上げると、インクのポリマー粒子が溶け、顔料の周りに接着層が形成されます。さらに、冷却エアーによって、ロール紙の温度を60℃以下に一気に下げると、急速にインクが冷め、高温かつ潤湿なポリマー層が固定。温度上昇・冷却ともに、用紙と非接触の乾燥方式で行うため、用紙への負荷を低減。これにより、さまざまなメディアに対応でき、それぞれの繊細な紙の風合いと光沢を守りながら、80m/分という高速での両面印刷と高画質の両立を実現しました。

大判プリンターのテクノロジー

#商業印刷#イメージング技術

キヤノンは、高画質な大判出力を必要とする分野において画質、生産性、耐久性などを向上させる技術を実用化しました。なかでも、「Océ Colorado 1640」には、独自開発のUVジェルインクや高品質を保つための技術が搭載されています。

イメージイメージ

Océ Colorado 1640

精度・印刷スピード向上を実現するUVジェルテクノロジー

#商業印刷#イメージング技術#化学

オセが独自開発したUVジェルインクは、既存のインクテクノロジーの長所をもった優れたインクです。広い色域や耐光性を持つエコソルベント、無臭・低臭気などの環境性能を持つラテックス、即時硬化するUVインクのそれぞれの特長が生かされています。

イメージイメージ

ジェル状であるために、不要なインクの混ざりがないことに加え、印字位置精度が高く、CMYKの4色だけでも広い色域を実現できます。

イメージイメージ

また、従来の液体状のインクでは、インクが紙に塗布されてから、自動的にインクが広がり全体がにじんでしまうのを避けるために、インク吐出後すぐに硬化させる必要があります。そのため、インクを吐出するプリントヘッドと硬化ユニットは一体となっています。一方、「Océ Colorado 1640」では、インクをジェル化することによって、インク吐出後にすぐに硬化しなくてもインクの形状を保持できるようになったため、プリントヘッドと硬化ユニットを一体化する必要がなくなりました。これにより、硬化を考慮せずに、インクの噴射量を増加でき、また印字スピードを向上させることができました。これにより、40㎡/時という高い生産性を達成しています。
加えて、従来のUVインクでは、インク吐出と硬化が都度繰り返し行われるため、印刷後に紙の表面が粗くなり、防水などのラミネーションを施す場合に気泡が入り、光が乱反射してしまうという課題がありました。オセのUVジェルインクでは、インク吐出が完全に終わってから硬化を行うため、印刷表面の平坦性を保つことができるようになり、ラミネーション時の課題も解決できました。

イメージイメージ

独立したプリントヘッドと硬化ユニット

ノズル不良を検知するOcé PAINT テクノロジー

#商業印刷#イメージング技術#物理学

印刷を続けていると、紙粉やダスト(ほこり)でノズル不良(ノズル詰まり)が発生し、きれいに印刷できなくなることがあります。ノズル不良が発生してからノズルメンテナンスや交換を行うと、印刷できない無駄な時間が発生し、生産性に影響してしまいます。それを解決するため、ノズル不良を検知するOcé PAINT テクノロジーを開発しました。
インクの噴射の前にプリントヘッド上のすべてのノズルに音響パルスを送り、返ってくるエコー(反響)の測定を行います。エコーがある一定の帯域幅におさまっていない場合、ノズル詰まりと判断し実際の噴射時に他のノズルで補完噴射します。常に高品位な印刷を継続するために、極めて重要な技術です。

イメージイメージ

インドアでも掲示を可能に

#商業印刷#イメージング技術#化学

UVインクには独特な臭いがありますが、UVジェルテクノロジーはUVインクでありながら低臭気を実現しました。そのため、UVジェルインクによる印刷物は、アウトドア用途だけでなく、インドア用途にも使用できます。また、メディアに対する熱負荷が小さいため、熱に弱い薄手のビニールなどのメディアやオフセットコート紙のようなメディアにも対応が可能です。従来のようにエコソルベントやラテックスというインクの違いでプリンターを使い分ける必要がなく、成果物の多くをColorado1台で対応することができます。

イメージイメージ

UVインクを使用した印刷物

隆起印刷技術

#商業印刷#イメージング技術#化学

隆起印刷技術はUV硬化インクを使用し、複数のインク層を積み重ね、一部を立体的に印刷する技術です。今までになかった外観や触感を表現できるようになりました。

イメージ

隆起印刷技術が古代エジプト文化を復元

#商業印刷#イメージング技術#社会貢献#化学

古代エジプト王の墓が多く世界遺産となっているエジプトの岩窟墓群「王家の谷」にあります。エジプトにある「王家の谷」。盗掘被害などにより墓の多くで内部が荒らされ、その再建が大きな課題となっています。NPO団体「Factum Foundation for Digital Technology in Conservation」は第19王朝の王であるセティ1世の墓を3Dで撮影し、そのデータを基に、オセと共同で壁や柱、棺の型を制作する活動を行っています。オセは、独自の隆起印刷技術により、最大で15mmの厚さがあるレリーフ(浮き彫り)を出力。最終加工を「Factum Arte」が行い、復元されたセティ1世の墓の一部は、スイスのAntiken Museum(古代博物館)において特別展示として公開されています。

イメージイメージ

隆起印刷で再現された装飾

ストリートサイネージでも活躍

#商業印刷#イメージング技術#社会貢献#化学

オランダ北ブラバント州で、視覚障がい者や旅行者向けの情報を提供するストリートサイネージをオセが制作しました。北ブラバント州出身の学生が発案した企画で、オセは「Dedicon」(国が助成する盲人向けコンテンツ提供機関)と協力しながらプロジェクトを進めました。ストリートサイネージには、点字表記によるストリート名と隆起させたQRコードが含まれています。街中の主要エリアに設置され、視覚的障害のある住人や訪問客への点字表記によるアシストはもちろん、隆起QRコードによって現在地や周囲の建物、名所などへのアクセス情報を提供しています。

イメージイメージ

隆起印刷で再現された装飾

絵画はパリの美術館で展示

#商業印刷#イメージング技術#社会貢献#化学

オセが隆起印刷技術で協力した視覚障がい者向けの絵画が、フランス・パリのケ・ブランリ美術館で展示されました。オセは、絵画3点「Fighting antelopes(ジャン デュナン作)」「Portrait of Savorgnan de Brazza(アルフォンス モンシャブロン作)、「Mourners in Cairo(エミール ベルナール作)の複製品を隆起印刷で制作。表面に大きな隆起が施され、視覚障がいのある来場者が音声ガイドを聞きながら、作品に触れて構図を知り、楽しむことができます。高精細な撮影データをもとに作品をプリントしているため、元の作品の筆づかいや色づかいまで忠実に再現されていることも大きな特徴です。
絵画制作の企画は、パリの高級眼鏡ブランド「アランミクリ」を手掛けるMilki Diffusion France社が、視覚障がい者へのサポートの一環として実現。オセは企画の趣旨に賛同し、技術協力を行いました。

イメージイメージ

オセの作品に触れて美術鑑賞を楽しむ来場者

イメージイメージ

視覚障がい者向けに大きな隆起を施したプリント

コンテンツの改善に関するフィードバックをぜひお送りください

このコンテンツはお役に立ちましたか?

理由をお聞かせください

ご協力いただき、ありがとうございました。
今後もより良いコンテンツ制作をめざしてまいります。

トレンド記事

イメージ

2018/12/27

技術紹介

ミラーレスカメラ

一眼レフで培った技術とノウハウで撮影領域を拡大

イメージ

2018/12/27

活動紹介

綴プロジェクト

最新デジタル技術と伝統工芸を融合し日本の美を未来に継承

イメージ

2018/12/27

活動紹介

人工衛星の開発

キヤノン電子が参入した人工衛星ビジネスの可能性

イメージ

2017/09/14

開発者が語る

高精細CT

圧倒的な解像度を誇る高精細CTの開発秘話

カテゴリ

CANON TECHNOLOGY TOPに戻る