業務用に求められる画質、高生産性を実現する技術
リテイルフォト業界 (※1)向けの業務用フォトプリンター「DreamLabo(ドリームラボ)」には、家庭用インクジェットプリンターから業務用デジタル複合機まで、幅広い製品開発を続けてきたキヤノンのプリンター技術が投入されています。
(※1)店頭やWEBサイトから受注し、写真のプリントやアルバムなどの付加価値をつけた写真商材の製作を行う業界。
2018/12/27
銀塩写真に劣らぬ良質な画質が求められる業務用フォトプリンターDreamLaboには、高密度プリントヘッド技術「FINE(ファイン)」をはじめとする、さまざまな高画質プリント技術が搭載されています。
一般的なプリンターで使用されるシアン(C)/マゼンタ(M)/イエロー(Y)/ブラック(K)の4色に加え、フォトシアン(PC)/フォトマゼンタ(PM)/グレーの合計7色の染料インクを採用しています。写真のカラー部分は、ハイライト部でもなめらかな階調での表現が可能になり、グレーインクの採用により、従来CMYK4色の重ね合わせで表現され、赤味や青味がかってしまうことがあったグレーは、カラーバランスのズレが少ない安定した色表現が可能になりました。加えて、モノクロ写真もさらに豊かな階調で表現できるようになりました。
7色染料インクによる豊かで安定した表現力
DreamLaboは、「顔検出」「シーン分類」「光源の推定」の組み合わせにより、撮影画像を自動的に解析し、明るさ、顔色などの補正を行います。熟練したオペレーターによる印刷現場での色調整作業は不要になりました。
カタログ印刷などでは写真の高画質化とともに、高い文字品位が求められます。従来のインクジェット技術では、3pt程度の小さな文字になると、インク着弾時のドット形状の崩れから、文字が潰れてしまうことがありました。DreamLaboでは、均一な極小インク滴を正確に吐出し、用紙の最適な位置に着弾させ、各ドットが真円になるように高精度な制御を行っています。そのため、文字潰れが抑えられ、美しくシャープな文字印刷が可能になりました。
リテイルフォト市場や商業印刷においては、プリントの高画質化と共に、印刷スピードやメンテナンスの容易さ、ダウンタイムの最小化などといった高い生産性が求められます。DreamLaboは、キヤノンの高生産性技術が多数搭載されています。
キヤノンは、高密度プリントヘッド技術「FINE」を応用し、300mm以上の幅で印刷できる長尺プリントヘッドを開発。迫力のある30cmX30cmの見開きアルバムも作成できます。また、長尺プリントヘッドを固定したまま1回の用紙搬送で写真を高速に印刷する「ワンパス印刷」は、L判サイズの写真なら1時間に約2600枚の高速印刷ができ、業務用プリンターに相応しい出力スピードを実現しています。
DreamLaboが標準で装備している自動両面印刷は、後工程での貼り付け作業を省きながら、A4サイズのフォトアルバム1冊20ページ分の印刷を72秒、1時間で50冊分の高速印刷を実現(※2)します。
「ダブルペーパーマガジンシステム」は、ロール紙を2本装填できるようにすることで、1本のロール紙がなくなっても、もう1つのマガジンから自動的に給紙、印刷中でも、作業を中断することなくロール紙の交換を可能にしました。さらにオプションのペーパーデッキを装着すれば、合計4本までロール紙を装填することができ、長時間の連続印刷を可能にします。
ダブルペーパーマガジンシステム
「ダブルインクタンクシステム」は、インク切れによるマシンのダウンタイムを防ぐ技術です。メインのインクタンクにあったインクを、バッファーインクタンクにいったんストック。そこからプリントヘッドにインクが供給されるため、メインタンクが空になっても、バッファーインクタンクにストックされたインクで印刷している間に、メインタンクの交換が可能です。