信頼されて半世紀。進化を続ける放送用レンズの技術
キヤノンは、半世紀以上にわたり高性能レンズを通じて放送・映像業界に大きく貢献してきました。4K放送レンズやシネマレンズなどに加えて、次世代の8Kのスーパーハイビジョン放送用レンズを開発し、プロのニーズに応えていきます。
2019/04/18
「DIGISUPER 100 AF」は、キヤノン独自のオートフォーカス(以下AF)機構を搭載する100倍 フルハイビジョン(以下HDTV)対応のズームレンズです。位相差方式測距センサーを採用し、HDTV映像にふさわしい高い合焦精度、高速移動する被写体に焦点を合わせ続ける追従、大きく外れたピントからの高速フォーカス合わせなどを実現。プロのビデオグラファーのニーズに対応した実用的なフルタイムAFを可能にしました。
キヤノンの放送用TVレンズは、優れた光学性能と高い信頼性で放送・映像業界から高い支持を得ています。世界初※の122倍超高精細テレビズームレンズは、放送用TVレンズの最上位モデルです。 このレンズは、新開発のガラス材料や異常分散ガラス、蛍石、大口径非球面レンズなどの光学素子製造技術および素子特性を最大に発揮する光学設計技術により、色収差(色にじみ)や像面湾曲(画面周辺像の解像力低下)などの補正を行うことで122倍ズームを実現。 撮影状況に応じて防振特性の切り替えを可能にしたシフト式光学防振機構は、従来のHDTVのフィールドレンズから大幅に性能を高めるとともに、レンズ操作を高精度に行う技術も進化させました。
※2018年9月現在。2/3型センサー搭載の4K放送用カメラ対応フィールドズームレンズにおいて。
ダイナミックな映像を生み出すキヤノンのズームレンズの評価は特に高く、NHKが2018年に放送開始した8Kのスーパーハイビジョン(以下SHV)対応の映像システムの開発も進めています。 SHVは、HDTVの16倍の情報量をもつ垂直方向の走査線4,320本の超高精細映像で、撮影用のレンズには、縦幅1mmの間に白黒の線が少なくとも240組認識される解像度が求められます。
SHVの解像度比較
SHVは、現行HDTVの16倍の解像力があります
この様な高度な条件のもと、キヤノンは、独自の光学理論と設計技術、そして新たな光学材料の採用や製造技術の向上により、SHVシステム初の51倍の変倍比を誇るズームレンズの開発に成功しました。 色収差(色にじみ)と像面湾曲(画面周辺像の解像力低下)を広角端から望遠端までどのズームポジションでもほぼゼロとし、自然で高品位な描画性能を実現しています。 また、実用性の面から小型化・軽量化を図り、HDTV/UHDTV用ズームレンズと同等の操作性を実現しています。
SHVの51倍ズームレンズ