高輝度・高画質と小型化を両立。四隅まで明るい高精細映像を提供
キヤノンのプロジェクターは、投写する大画面の四隅まで明るく、高精細な映像投写を実現。独自の光学システムとレンズ技術が、使いやすさと美しさを支えています。
2018/12/27
キヤノンは、カメラで培った光学技術を結集し、2004年にプロジェクターの映像表示素子(※1)に反射型液晶LCOS(Liquid Crystal On Silicon、以下LCOS)パネルを採用。高輝度・高画質でかつ小型化を両立するために、プロジェクターの開発を進めてきました。
LCOSによる映像は、通常のプロジェクターに見られる黒い格子のような影が目立たず、滑らかで美しいことが特長です。
LCOSの性能を最大限に引き出すために開発されたキヤノン独自の光学システムが、AISYSです。AISYSは、光源からの光を制御する「照明光学系システム」と光をRGBの三原色に分離合成し、投写レンズへ送る「色分離合成光学系システム」から構成される光学システムです。
AISYSにより、キヤノンのプロジェクターは、高輝度かつ高画質でありながら、小型化を高いレベルで両立しています。
AISYSは、LCOSパネルに当てる光を、縦方向と横方向で独立して効率的に制御することで、高輝度・高解像度投写と小型化の両立を実現します。縦方向では光軸に対して平行に近い光で光もれ(※2)を防止し、コントラストを保ち、横方向は光源ランプからの光を収束させて明るさを高めるように設計されています。
一般的なLCOS方式のプロジェクターでは、ランプから出た光を3原色であるR(赤)、G(緑)、B(青)の3つの経路に分けますが、キヤノンのLCOS方式は、R+BとGの2つの経路に分ける構造のため、光学ユニットの体積を小さくすることが可能です。
一般的なLCOS方式
AISYSを採用したLCOS方式
最新のAISYSにおいては、従来よりも照度の効率を上げるとともに、光学部全体のスリム化を行い、ランプ光源モデルとレーザー光源モデルの共通プラットフォーム化を実現しました。交換レンズや天吊り金具の共通化が可能になり、複数のプロジェクターを導入する際の設置の簡便化を実現しています。
ランプ光源
レーザー光源
独自に開発された反射型蛍光体ホイールとレーザー光源光学系は、白色光を効率よく生成するとともにプロジェクター本体の小型化と軽量化の両立を実現しました。
最高の映像を求めるプロフェッショナルのために作られ、キヤノンの最高峰の製品だけに許された証としてあしらわれる鮮やかな一本の赤い「レッドライン」のデザイン。
4K専用レンズをはじめ、キヤノンプロジェクターのレンズ群には、キヤノンの光学技術の粋を集めた技術が搭載され、最高画質を実現します。
プロジェクターは複数台組み合わせて設置することも多いため、四隅まで歪まない投射が重要です。
この課題を克服するため、キヤノンでは天文台の鏡やEFレンズで培われた高精度研磨技術による「高精度非球面レンズ」を搭載しています。
これにより高精細な4K画像においても映像の歪みをほぼ1画素レベル以下まで低減することを可能にしています。
レンズを通ったRGBの光は、波長によって屈折率が異なるため、スクリーン投写時に色のにじみ、いわゆる「色収差」が発生してしまいます。色収差には、光軸方向の軸上色収差、軸外の倍率色収差(軸外色ずれ)などがあります。
高精細な4K画像においては、色収差の補正についてさらなる工夫が必要でした。
キヤノンでは、色収差の発生が少ないUD(Ultra Low Dispersion)レンズをプロジェクターにおいても採用、プロジェクターで発生する色収差をおさえることに成功しました。
一般的なプロジェクターは、投射距離によって光学性能が変化します。特に近距離の投影において収差が発生しやすい傾向があります。
キヤノンのプロジェクターは、フォーカシングの際に複数のレンズ群を独立して動かして収差を最小限に抑制するフローティングシステムを採用。
全ての投写距離において常に高解像度な画像投写を可能にしています。