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MRI装置の搭載技術

磁場と電磁波によって人体の縦・横・斜めといった自由な断面を撮像できるMRI装置は、X線被ばくのリスクがない装置で、小児でも安心して検査を受けることができます。また、X線を使う装置と比べて、脳や脊髄などを鮮明に撮影できます。

2018/12/27技術紹介

MRIの仕組み

#ヘルスケア#イメージング技術#社会貢献#機械工学#電気工学#情報工学#物理学

人の体の約7割を占める水分に含まれる「水素原子核」という物質は、普段はさまざまな方向を向いていますが、強い磁場(静磁場)空間に入ると決まった周波数でスピンしながら同じ方向を向き、さらに水素原子核と同じ周波数の電磁波を加えると一斉に向きを変え(磁気共鳴現象)、電磁波の照射を止めると元に戻る性質があります。
MRI 装置は、この原理を利用して、水素原子核が元に戻る時に発生するエネルギーの量の違いを、データ収集・処理装置や制御装置によって画像化します。なかなか元に戻らない悪い部分(病変)と正常な部分を画像の濃淡で見分けることができ、脳や脊髄、胴体など柔らかい部分の診断が得意で、血管も簡単に撮影することが可能です。

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MRI装置のイメージ。実際にはU字磁石ではなく、リニアモーターカーに使われるような強力な超電導磁石が入っている。

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MRI装置の構造

X線被ばくがないという利点がある一方で、検査時間が長い、造影剤の投与が必要、騒音が出る、といった課題があり、患者さんの負担軽減が求められています。キヤノンメディカルシステムズ(以下、キヤノンメディカル)では、より早く、確実、快適な検査を行えるように技術革新を進めています。

静音化技術 PianissimoTM

#ヘルスケア#社会貢献#特許#電気工学

MRI撮像時には大きな騒音が生じ、患者さんに不快や恐怖を感じさせることもありました。騒音は、大きな磁石の中にある傾斜磁場コイルに電流が流れる時、フレミングの左手の法則に従って力が生じ傾斜磁場コイルが振動し、振動が磁石本体などに伝播することによって装置全体から発生していました。キヤノンメディカルの静音化技術「Pianissimo機構」は、音を発生させる傾斜磁場コイルを真空に封入することで音の伝播を90%カット。静かな検査により、患者さんの負担を軽減しています。

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騒音の原因となる振動が生じる原理

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傾斜磁場コイルを封入する真空容器を開発

造影剤を使わずに血管撮像を可能にする技術「非造影MRA」

#ヘルスケア#イメージング技術#社会貢献#機械工学#電気工学#情報工学#物理学#化学

MRAとは、MRI装置を使用した血管撮像(MR Angiography)です。血管を観察するために造影剤を用いると、得られる画像が明瞭になりますが、造影剤は吐気・気分不良、頭痛などの副作用をもたらす場合もあります。キヤノンメディカルは世界に先駆けて1990年代から非造影MRAアプリケーションを開発。2006年からは、観察したい血液だけを抽出できるTime−SLIP(Time−Spatial Labeling Inversion Pulse)法を用いた非造影検査のしくみをMRI装置全機種に搭載しています。

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Time−SLIP法により選択的に描出された大動脈と腎動脈(左)、大静脈と門脈(右)

検査時間の短縮と精度向上を実現する心臓位置決め支援技術

#ヘルスケア#イメージング技術#社会貢献#自動化#機械工学#電気工学#情報工学#物理学

常に動く臓器である心臓を検査するには、正確に心臓の位置や形状を把握する必要があります。そのためには患者さんは何度も息を止めなければならず、負担がかかり、さらに技師の熟練も求められています。心臓MRI検査をスムーズに開始するには、心臓断面の位置決めを簡易化することが課題です。キヤノンメディカルでは、診断に必要な断面の位置決めをアシストする機能を拡充させ、心臓の検査効率を向上させています。

検査の設定を自動化する「SUREVOITM Cardiac」

一度撮影した画像をモデル(見本)と比較して心臓位置を推定する技術です。熟練した知識が必要とされる心臓のMRI検査において、寝台の位置や撮像対象範囲(VOI)設定を生体構造の認識技術によりアシスト。被験者の心臓位置を装置が自動で検知します。

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一度撮影した画像をモデル(見本)と比較。立体構造を認識し、心臓位置を検知。

一度の撮像で14断面の位置決めができる「CardioLine+」

心臓の複数の特徴部位の統計的なパターンを認識する事例ベースの部位推定技術により、体格差や性別、病状による影響を受けることなく、自動的に心臓の位置や向きを推定し、心臓MRI検査の基本断面の位置決めを精度よく行います。撮像までに必要だった、位置決め用の複数の息止め撮像を不要とし、1回の息止め撮像で、心臓の14断面(左室基本断面の水平長軸像、垂直長軸像、左室短軸像、左室四腔像、左室二腔像、左室三腔像、右室基本断面の右室短軸、右室四腔像、右室二腔像、右室三腔像の他、大動脈弁、肺動脈弁、左室流出経路、右室流出経路)が検出できるようになりました。

一般的な心臓MRI検査では、検査時間の約43%(※)は設定など手動による操作に費やされます。キヤノンメディカルは生体構造の認識技術によって心臓位置、断面を自動把握するSUREVOI、CardioLine+などのアシスト技術で検査時間に対する操作時間の割合を9%まで削減し、検査時間を大幅に短縮。患者さんの負担を大きく減らすことを可能にしました。

  • (※)
    キヤノンメディカル調べ。

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