野鳥写真図鑑

ヒバリ

スズメ目ヒバリ科 全長約17cm

絞り:F5.6|シャッタースピード:1/2500秒|ISO:400|露出補正:0|焦点距離:700mm|一眼レフカメラ(APS-Cサイズ)|撮影地:愛知県

丈の低い草地で、虫や草の種子を食べる。地鳴きは「ビルッ」と短い声だが、繁殖期の雄は、空中で飛びながら長時間さえずる。積雪地域では秋に暖地に移動するものが多く、繁殖しない南西諸島でも、冬に見られることがある。

地鳴き
さえずり

※鳴き声が再生されます。

草地で飛びながら歌う

草地の鳥が危ない

森林には低木、中木、高木などさまざま環境に応じて多様な種が暮らしていますが、草地でも草丈や茂り具合によって、そこに住む種が違います。例えば、河川敷ではまばらな草地にヒバリ、ススキが茂っているとセッカ、潅木(かんぼく)があるところにはホオジロやモズ、ヨシ原ならオオヨシキリ(春夏)やオオジュリン(秋冬)がいます。
かつては麦畑で普通に見られたヒバリですが、畑が減り、農薬で虫も減る中、東京都では絶滅危惧とされました。ウズラやチュウヒなど環境省指定の絶滅危惧種にも草地を住みかにしている鳥がいるので、草地の保全は重要課題と言えましょう。

ヒバリ(繁殖期) スズメと比べると翼が大きく、体が長く見え、尾は短め。繁殖期の雄は、写真のように頭部の羽毛を立てていることが多い。

飛びながら歌うワケ

民話では、お天道様に金を貸したので、舞い上がって催促しているそうです。そこから、長い複雑な歌を「日一歩、利トル、利トル」などと聞きなすようになりました。
小鳥は森で進化して小さくなったと考えられることはハクセキレイで述べましたが、さえずりも森で発達したと考えられます。見晴らしが効かない森でも、声は通るからです。
それでも雄は目立つところ、高いところでさえずる傾向があり、森を出た小鳥、ヒバリにとっては、目立つにも、声が届くにも舞い上がって歌うほうが有利なのでしょう。
小鳥では珍しくウォーキング(片足ずつ交互に出す)や砂浴びをすることも、森を出た結果と言えるかもしれません。(多くの小鳥は、水浴びはするが、砂浴びはしない)

ヒバリ さえずらない秋冬は、頭部の羽毛を立てていないことも多くて、その存在に気づきにくい。しかし、足を交互に出す歩き方は特徴的である。(小鳥の多くはホッピングで、ウォーキングはヒバリのほかはセキレイ科とムクドリ科)
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