野鳥写真図鑑

シジュウカラ

スズメ目シジュウカラ科 全長約14.5cm

絞り:F4|シャッタースピード:1/2500秒|ISO:200|露出補正:0|焦点距離:500mm|一眼レフカメラ(APS-C)|撮影地:北海道

全国各地で、山にも町にもいる。白いほお、白い腹に黒いネクタイ模様が目立つ。スズメほどは人を恐れず、スズメより活発で素早く動く。最も早い時期にさえずり始める小鳥で、オスは年明けから「ツーピ」という鳴き声を繰り返すようになる。春が近づくと繰り返しが増え、「ツツピ、ツツピ」などとバリエーションが増える。地鳴きはさまざまだが、にごった声でジジジジと続ける鳴き方が特徴的。

さえずり
地鳴き

※鳴き声が再生されます。

野鳥を楽しむはじめの一歩

肉眼で見たほうがよい?

「身近にいるのはスズメとカラスくらい」と思っている方に、まず気づいていただきたい小鳥です。山や林では茂った枝先を動き回るので、庭や公園のほうが観察しやすいはずです。ただ、双眼鏡で見るのは、簡単とは言えません。双眼鏡は視野が狭いので、小さくて動きが速い小鳥は捉えにくく、ピントも合わせにくいのです。開けた水辺で、動きが少ないサギカモ、町の中ならカラスやハトを双眼鏡で捉えられるようにならないと、森の小鳥は観察するのも、撮影するのも、難しい対象です。まずは肉眼で、相手がいる場所を見定めてから、目元に双眼鏡を当てて、見るのがコツです。シジュウカラを双眼鏡で見られるようになれたら、一人前(一鳥前?)と言えましょう。

シジュウカラ メスもオス同様、背には緑味があり、翼や尾には青味がある。雌雄はよく似ているが、メスはネクタイ模様がやや細い。

小鳥の代表はスズメでなくシジュウカラ

スズメは種子が主食という点で小鳥の例外といえます。一方、シジュウカラは体重15g前後で虫を主食としており、スズメサイズの小鳥では一般的です(スズメは20g強)。また、小鳥が虫が増えすぎてしまうのを抑えている例として、シジュウカラは1年間に12万5千匹もの虫を食べると、教科書でも扱われてきました。これはドイツでの古い研究で、シジュウカラが1年に要する乾物量を1100gと試算して、それをマツシャクトリというガの幼虫に換算した数字です。
日本の研究例では、シジュウカラが1日に使うエネルギーの量を約15kcalとして、これを2cmの虫にすると約200匹相当になるそうです。素早く動くにも、空を飛ぶにも多くのエネルギーが必要ですから、たくさんの虫が小鳥の命を支えていることに間違いはありません。一方で、飛ぶためには軽い体を保たなくてはならないので、頻繁に食べては、すぐにフンをするのです。

繁殖後の巣箱の中 木の洞に営巣する習性から、巣箱もよく利用する。巣材にはコケ類を多用するので、町の中では花壇や植木鉢からコケを失敬していくこともある。

動画で野鳥観察!:シジュウカラを探してみよう!

白いほお、白い腹に黒いネクタイ模様が目立つシジュウカラは、全国各地、山にも町にもいます。そして、さまざまな鳴き声でコミュニケーションすることでも知られています。ヒナの鳴き声の特徴、オスメスの見分け方、水浴びの重要性、子育ての苦労話など盛りだくさんです。動画でバードウォッチングをお楽しみください。

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