- 概要
- 主な仕様
発売年月 | 2012年(平成24年)3月 |
発売時価格 | オープン価格 |
従来、キヤノンのデジタル一眼レフカメラの最上位モデルは、特に高画質を追求した「1Ds」シリーズと高速性能に最も優れた「1D」シリーズの2系統で展開していた。“EOS-1D X” はそれらを統合し、高画質性能と高速性能を最高レベルで兼ね備えたプロ仕様の旗艦モデルである。
■ 圧倒的な高画質性能
新開発の35mmフルサイズ、約1810万画素のCMOSセンサーと、DIGIC 4の約17倍の処理能力を持つ新映像エンジンDIGIC 5+を2基装備したデュアルDIGIC 5+の搭載により、常用ISO感度を最高ISO51200※ まで拡大。これにより、屋内など暗所での撮影においてもノイズを抑えた美しい画像が得られる。
■ AE/AF性能の大幅な進化
10万画素のRGB 測光センサーとDIGIC 4を組み合わせることで、明るさだけでなく被写体の顔や色の認識が可能な新AEシステムの採用により、より高精度な露出制御を実現。
また、従来機種「EOS-1D Mark IV」(2009年12月発売)のF2.8測距と同等の精度を持つF4.0対応の測距センサーを20点配置した、総測距点数61点の新AFセンサーの搭載により、被写体の捕捉率とピント合わせの精度が、従来機種から大幅に向上。さらに、新AEシステムとの連携により、被写体の顔や色を追尾してピントを合わせ続けることが可能。
■ プロの高度なニーズに応える高速性能
デュアルDIGIC 5+の搭載により、高精度にAE/AFを行いながら最高約12コマ/秒(ISO32000以上では最高約10コマ/秒)の高速連写を実現。さらに、最高約14コマ/秒の超高速連写(ミラーアップ撮影、JPEG記録のみ)も可能にし、プロが狙う決定的瞬間を捉える。
※ 動画撮影時の常用ISO感度は、ISO100~25600。
[型式] | |
型式 | デジタル一眼レフレックスAF・AEカメラ |
記録媒体 | CFカード(タイプI, II準拠、UDMAモード 7対応) * CFカード対応デュアルカードスロット |
撮像画面サイズ | 約36×24mm |
使用レンズ | キヤノンEFレンズ群(EF-S、EF-Mレンズを除く) (有効撮影画角は、表記焦点距離の等倍に相当) |
レンズマウント | キヤノンEFマウント |
[撮像素子] | |
型式 | CMOSセンサー |
カメラ部有効画素 | 約1810万画素 |
アスペクト比 | 3:2 |
ダスト除去機能 | 自動/手動/ダストデリートデータ付加 |
[記録形式] | |
記録フォーマット | DCF 2.0 |
画像タイプ | JPEG、RAW(14bit、キヤノン独自) RAW+JPEG同時記録可能 |
記録画素数 |
L(ラージ) :約1790万(5184×3456)画素 M1(ミドル1):約1420万(4608×3072)画素 M2(ミドル2):約800万(3456×2304)画素 S(スモール):約450万(2592×1728)画素 RAW(ロウ) :約1790万(5184×3456)画素 M-RAW :約1010万(3888×2592)画素 S-RAW :約450万(2592×1728)画素 |
JPEG画質 | 10段階 |
記録機能 | 標準、カード自動切り換え、振り分け、同一書き込み |
フォルダ作成/選択 | 可能 |
ファイル名 | カメラ固有設定、ユーザー設定1、ユーザー設定2 |
画像番号 | 通し番号、オートリセット、強制リセット |
[撮影時の画像処理] | |
ピクチャースタイル | オート、スタンダード、ポートレート、風景、ニュートラル、忠実設定、モノクロ、ユーザー設定1~3 |
ホワイトバランス | オート、プリセット(太陽光、日陰、くもり、白熱電球、白色蛍光灯、ストロボ)、マニュアル、色温度指定(約2500~10000K)、カスタムホワイトバランス(5件)、ホワイトバランス補正、ホワイトバランスブラケティング可能 * ストロボ色温度情報通信対応 |
ノイズ低減 | 長秒時露光、高感度撮影に対応 |
画像の明るさ自動補正 | オートライティングオプティマイザにより対応 |
高輝度側・階調優先 | 可能 |
レンズ光学補正 | 周辺光量補正、色収差補正 |
[ファインダー] | |
方式 | ペンタプリズム使用、アイレベル式 |
視野率 | 上下/左右とも約100%(アイポイント約20mm時) |
倍率 | 約0.76倍(50mmレンズ・∞・-1m–1) |
アイポイント | 約20mm(-1m–1時/接眼レンズ中心から) |
視度調整範囲 | 約-3.0~+1.0m–1(dpt) |
アイピースシャッター | 内蔵 |
フォーカシングスクリーン | Ec-C V標準装備、交換可能 |
AF作動表示 | あり |
グリッド表示 | 可能 |
水準器表示 | 水平方向:1°ステップ ±6° 垂直方向:1°ステップ ±4° * 横位置撮影時 |
ミラー | クイックリターン式 |
被写界深度確認 | 可能 |
[オートフォーカス] | |
方式 | TTL二次結像位相差検出方式 |
測距点 | 61点(クロス測距点:最大41点) * 使用レンズにより、測距点数、クロス測距点数が変動する |
測距輝度範囲 | EV -2~18(中央F2.8対応測距点・常温・ISO100) |
フォーカスモード | ワンショットAF、AIサーボAF、手動(MF) |
測距エリア選択モード | スポット1 点AF(任意選択)、1 点AF(任意選択)、領域拡大AF(任意選択上下左右)、領域拡大AF(任意選択周囲)、ゾーンAF(ゾーン任意選択)、61点自動選択AF |
測距点自動選択条件 | EOS iTR AFの設定による(色情報、顔情報を使用したAFが可能) * iTR:Intelligent Tracking Recognition |
AFカスタム設定ガイド機能 | Case1~6 |
AIサーボ特性 | 被写体追従特性、速度変化に対する追従性、測距点乗り移り特性 |
AF微調整 | AFマイクロアジャストメントにより対応(全レンズ一律調整、レンズごとに調整) |
AF補助光 | EOS用外部ストロボのAF補助光による |
[露出制御] | |
測光方式 | 約10万画素RGB測光センサー使用、252分割TTL開放測光 EOS iSA(Intelligent Subject Analysis)システム ・評価測光(すべてのAFフレームに対応) ・部分測光(中央部・ファインダー画面の約6.5%) ・スポット測光(中央部・ファインダー画面の約2.5%) ・中央部重点平均測光 |
測光範囲 | EV 0~20(常温・EF50mm F1.4 USM使用・ISO100) * スポット測光時:EV2~20 |
露出制御方式 | プログラムAE、シャッター優先AE、絞り優先AE、マニュアル露出、バルブ |
ISO感度(推奨露光指数) | ISOオート、ISO100~51200任意設定(1/3、1段ステップ)、およびL(50)、H1(102400相当)、H2(204800相当)の感度拡張が可能 |
ISO感度関連設定 | ISO感度設定範囲、ISOオート範囲、ISOオート低速限界設定可能 |
露出補正 | 手動:1/3、1/2段ステップ±5段 AEB:1/3、1/2段ステップ±3段(手動露出補正との併用可能) |
AEロック | 自動:ワンショットAF・評価測光時、合焦と同時にAEロック 手動:AEロックボタンによる |
露出基準微調整 | AEマイクロアジャストメントにより対応 |
[多重露出撮影] | |
撮影方法 | 機能・操作優先、連続撮影優先 |
多重枚数 | 2~9枚 |
多重露出制御 | 加算、加算平均、比較(明)、比較(暗) |
[シャッター] | |
形式 | 電子制御式、フォーカルプレーンシャッター |
シャッター速度 | 1/8000~30秒、バルブ(すべての撮影モードを合わせて) ストロボ同調最高シャッター速度=1/250秒 |
[ドライブ関係] | |
ドライブモード | 1枚撮影、高速連続撮影、低速連続撮影、セルフタイマー:10秒、セルフタイマー:2秒、1枚:静音動作、超高速連続撮影 |
連続撮影速度 |
超高速連続撮影:最高約14コマ/秒 高速連続撮影:最高約12コマ/秒 低速連続撮影:最高約3コマ/秒 * ISO32000以上(カメラ内部の温度が低温状態のときはISO20000以上)のときは、高速連続撮影時の連続撮影速度が最高約10コマ/秒となる |
連続撮影可能枚数 | JPEGラージ:約100枚(約180枚) RAW:約35枚(約38枚) RAW+JPEGラージ:約17枚(約17枚)
* 高速連続撮影時 |
[外部ストロボ] | |
対応ストロボ | EXシリーズスピードライト |
調光方式 | E-TTL II自動調光 |
ストロボ調光補正 | 1/3、1/2段ステップ±3段 |
FEロック | 可能 |
シンクロ端子 | あり |
調光基準微調整 | FEマイクロアジャストメントにより対応 |
外部ストロボ制御 | 可能 * 電波通信ワイヤレスストロボ撮影対応 |
[ライブビュー撮影機能] | |
フォーカスモード | ライブモード、顔優先ライブモード(コントラスト検出方式)、クイックモード(位相差検出方式)、手動ピント合わせ(約5倍/10倍拡大可能) |
測距輝度範囲 | EV 1~20(コントラスト検出方式時/常温・ISO100) |
測光方式 | 撮像素子による評価測光 |
測光範囲 | EV 0~20(常温・EF50mm F1.4 USM使用・ISO100) |
静音撮影 | 可能(モード1、2) |
グリッド表示 | 3種類 |
[動画撮影機能] | |
映像記録方式 | MPEG-4 AVC/H.264 可変(平均)ビットレート方式 |
音声記録方式 | リニアPCM |
記録形式 | MOV形式 |
記録サイズとフレームレート | 1920×1080(Full HD) : 30p/25p/24p 1280×720(HD) : 60p/50p 640×480(SD) : 60p/25p * 30p:29.97fps、25p:25.00fps、24p:23.976fps、60p:59.94fps、50p:50.00fps |
圧縮方式 | ALL-I(I-only)、IPB |
ファイルサイズ | 1920×1080(30p/25p/24p)/ IPB:約235MB/分 1920×1080(30p/25p/24p)/ ALL-I:約685MB/分 1280×720(60p/50p)/ IPB :約205MB/分 1280×720(60p/50p)/ ALL-I :約610MB/分 640×480(30p/25p)/ IPB :約78MB/分
* 動画撮影に必要なカードの書き込み/ 読み取り速度 |
フォーカスモード | ライブビュー撮影機能のフォーカスに準ずる |
測光方式 | 撮像素子による中央部重点平均測光、および評価測光 * フォーカスモードにより自動設定 |
測光範囲 | EV 0~20(常温・EF50mm F1.4 USM使用・ISO100) |
露出制御 | 1.自動露出撮影、2.シャッター優先AE撮影、3.絞り優先AE撮影、4.マニュアル露出撮影 * 1,2,3は露出補正、AEロック可能 |
露出補正 | 1/3段ステップ±3段(静止画±5段) |
ISO感度(推奨露光指数) |
P, Av, BULB:ISO100~25600自動設定、H(51200相当)、H1(102400相当)、H2(204800相当)の感度拡張が可能 Tv:ISO100~25600自動設定 M:ISOオート(ISO100~25600自動設定)、ISO100~25600手動設定(1/3、1段ステップ)、H(32000/40000/51200相当)、H1(102400相当)、H2(204800相当)の感度拡張が可能 |
タイムコード | 対応 |
ドロップフレーム | 60p/30p対応 |
録音 | 内蔵モノラルマイク、外部ステレオマイク端子装備 録音レベル調整可能、ウィンドカット機能搭載 |
グリッド表示 | 3種類 |
静止画 | 撮影可能 |
[液晶モニター] | |
形式 | TFT式カラー液晶モニター |
画面サイズ/ドット数 | ワイド3.2型(3:2)/約104万ドット |
明るさ調整 | 手動(7段階) |
水準器表示 | 可能 |
機能ガイド | 表示可能 |
カメラシステム情報 | 確認可能 |
[再生機能] | |
画像表示形式 | 1枚表示、1枚+情報表示(簡易情報、撮影情報、ヒストグラム)、4枚インデックス、9枚インデックス |
ハイライト警告 | ハイライト部分点滅表示 |
AFフレーム表示 | 可能 |
グリッド表示 | 3種類 |
拡大ズーム倍率 | 約1.5~10倍、拡大開始倍率/開始位置設定可能 |
画像送り | 1枚/10枚/100枚/撮影日/フォルダ/動画/静止画/レーティング |
画像回転 | 可能 |
レーティング | 可能 |
動画再生 | 可能(液晶モニター、映像/音声出力、HDMI出力)、スピーカー内蔵 |
スライドショー | 全画像/日付/フォルダ/動画/静止画/レーティング |
画像プロテクト | 可能 |
音声メモ | 記録/再生可能 |
画像コピー | 可能 |
[撮影後の画像処理] | |
カメラ内RAW現像 | 明るさ補正、ホワイトバランス、ピクチャースタイル、オートライティングオプティマイザ、高感度撮影時のノイズ低減、JPEG記録画質、色空間、周辺光量補正、歪曲補正、色収差補正 |
リサイズ | 可能 |
[ダイレクトプリント機能] | |
対応プリンター | PictBridge対応プリンター |
印刷対応画像 | JPEG画像、RAW 画像 |
印刷指定 | DPOFバージョン1.1 準拠 |
[有線LAN] | |
Ethernet | 10BASE-T、100BASE-TX、1000BASE-T |
FTP転送 | 撮影時自動転送、画像選択/転送、SETボタンで転送、キャプション付きで転送 |
EOS Utility | EOS Utilityのリモートコントロール機能を有線LANで行う |
WFTサーバー | 詳細撮影/簡易撮影/単純撮影 画像の閲覧/取り込み |
メディアサーバー | DLNA対応 |
マルチカメラタイムシンクロ機能 | マスターカメラの時刻を10台のスレーブカメラに設定可能 マスターカメラとの設定誤差±約0.05秒 |
[画像転送機能] | |
転送対応画像 | 静止画(JPEG画像、RAW画像、RAW+JPEG画像)、動画 |
[カスタマイズ機能] | |
カスタム機能 | 31種 |
カメラ設定保存 | 1枚のカードに最大10件登録可能 |
カスタム撮影モード | C1/C2/C3に登録 |
マイメニュー登録 | 可能 |
著作権情報 | 設定/付加可能 |
[インターフェース] | |
映像/音声出力・デジタル端子 | アナログ映像(NTSC、PAL対応)/ステレオ音声出力 パソコン通信、ダイレクトプリント(Hi-Speed USB相当) GPSレシーバー GP-E2接続 |
HDMI ミニ出力端子 | タイプC(解像度自動切り換え)、CEC対応 |
外部マイク入力端子 | φ3.5mmステレオミニジャック |
リモコン端子 | N3タイプのリモコンに対応 |
イーサーネット端子 | RJ-45端子、ギガビットイーサーネット対応 |
拡張システム端子 | ワイヤレスファイルトランスミッター WFT-E6、GPSレシーバーGP-E1接続 |
[電源] | |
使用電池 | バッテリーパックLP-E4N/LP-E4、1個 * ACアダプターキットACK-E4使用により、AC駆動可能 |
電池情報 | 残容量、撮影回数、劣化度確認可能 |
撮影可能枚数の目安 (CIPA 試験基準による) |
ファインダー撮影:常温(23ºC)約1120枚、低温(0ºC)約860枚 ライブビュー撮影:常温(23ºC)約290枚、低温(0ºC)約250枚 |
動画撮影可能時間 | 常温(23ºC) 約2時間10分 低温(0ºC)約2時間 * フル充電のバッテリーパックLP-E4N使用時 |
日付/時計機能用電池. | リチウム電池 CR2025、1個 |
[大きさ・質量] | |
大きさ | 約158(幅)×163.6(高さ)×82.7(奥行)mm |
質量 | 約1530g(CIPAガイドラインによる)/約1340g(本体のみ) |
[動作環境] | |
使用可能温度 | 0ºC~+45ºC |
使用可能湿度 | 85%以下 |