野鳥の撮りかた

実践講座

もう1段上の写真表現の世界をめざし、作品作りにチャレンジしましょう。

野鳥の撮りかた15 実践講座

飛翔をピタリと捉えましょう

飛んでいる鳥を撮るコツとは?
「AIサーボAF」と「親指AF」を組み合わせて、難しかった飛翔写真にチャレンジしてみましょう。

野鳥の撮りかた16 実践講座

測距点をもっと自在に操ろう

いい構図で撮りたいのに鳥が動いてタイミングを逃してしまう。そんな時は、任意の測距点を使ってみると良いかもしれません。

野鳥の撮りかた17 実践講座

ボケを上手に使いましょう

周囲を意図的にぼかすことで、主人公が引き立ちます。ボケを効果的に操ることで、写真の芸術性がぐっと上がります。

野鳥の撮りかた18 実践講座

風景と鳥

季節を感じさせる風景のなかに鳥を写し込み、その瞬間を生きる鳥たちの日常や、命の美しさを感じさせるような野鳥撮影をめざしましょう。

野鳥の撮りかた19 実践講座

シャッター速度を変えると、表現も変わる

ピタリと動きのとまった写真だけが、野鳥写真の一番良い表現方法ということではありません。シャッター速度を変えることで、同じ時間、同じ場所で撮影しても、写る世界がまったく違うこともあります。

野鳥の撮りかた20 実践講座

どアップポートレート

野鳥をアップで撮影できる機会に遭遇した時は、思い切って画面からあふれるくらいの「どアップ」を狙いましょう。

野鳥の撮りかた21 実践講座

ライティングを活かした写真を撮りましょう[順光・逆光・サイド光]

鳥の羽の色をきれいに写すにはどうしたらいいの?
光の当たりかたを意識し、その効果を引き出しましょう。

野鳥の撮りかた22 実践講座

天気や時間帯による光の違いを知ろう

野鳥撮影に適した天気とは?
写真を撮る際、光の強さや雰囲気はとても重要です。各シーンにおける光の特性を知り、写真表現の幅を広げましょう。

野鳥の撮りかた23 実践講座

花と鳥

花と鳥の組み合わせは、古来より日本の文化の中に多く取り入れられてきました。季節の花を知り、そこに来る野鳥を知ることが、作品づくりへの近道になります。

野鳥の撮りかた24 実践講座

野鳥との距離感

野鳥にとって、人間は怖い存在です。警戒心も強いため、なかなか近づかせてはくれません。しかし、彼らを怖がらせずに距離を縮めることができれば、自然な表情や行動を写すことができます。

野鳥の撮りかた25 実践講座

動物優先の瞳AFを活用する

動きの予測できない野鳥にも自動的にピントを合わせ、追い続けてくれる機能があります。ピント合わせをカメラに任せることで、撮影者は構図の決定に集中することができます。

フォトグラファー紹介

野鳥写真家

戸塚 学

1966年愛知県生まれ。
「きれい、かわいい」だけでなく、“生きものの体温、ニオイ”を感じられる写真を撮ることが究極の目標。現在は野鳥にとどまらず、生きものを含めた環境の撮影を進行中。
『鳥たちは今日も元気に生きてます』(文一総合出版)ほか、書籍、雑誌、コマーシャルなどに作品を多数発表している。

野鳥撮影に必要なのは観察と優しい気持ち

やはり野鳥写真は野鳥がいてこそ成り立つものです。どんなにカメラの機能がよくなろうとも、主役の野鳥がいなくなれば意味がありません。

私が野鳥を被写体に写真を始めたころはまだフィルムでした。ピント合わせもマニュアルでした。機材は高価だしフィルムだけでなく現像代もかかるので簡単にシャッターを切ることができませんでした。その分、野鳥をしっかり観察してその一瞬を撮ることに専念していました。

しかし時代は変わり、デジタルカメラの進化と情報化によって野鳥撮影が情報とカメラで決まるようになると、いつの間にか主役の野鳥たちはただの被写体になり、まるでカードゲームをコンプリートするかのような状況になってしまいました。

珍鳥といって日本ではめったに見られることができない野鳥が出た場合は、一気にカメラマンが集まり問題行動も起こすこともあります。ただ、悪い面ばかりではありません。たくさんの人が趣味にすることで、野鳥を含めた環境問題にも目を向けられるようになりました。私たちが野鳥を見て撮影する楽しさをできるだけ後世まで残すことが野鳥たちにとってもいいこと、まさに共存になると思うのです。

無理をしたり、ひどいことをしたりして撮った写真は、見る人が見ればわかります。そんな写真がコンテストなどで評価されず、ほほえましい姿やたくましく生きる姿をたくさんの人と共有できるようになればと思います。野鳥に対してできるだけ迷惑をかけない、プレッシャーを与えないという優しい気持ちが誰にでも芽生えれば、その周りにいるカメラマンに広がり、いずれはより良い関係性になるのではと思っています。これは私の希望ではありますが、誰もが楽しむ野鳥写真をこれからも提案したいと思っています。