坂本花織選手|2017-2018シーズン インタビュー|キヤノン・ワールドフィギュアスケートウェブ

インタビュー - Interviews -

坂本 花織選手
インタビュー

「自分に勝つことが今季の目標」
四大陸選手権を自信に次の大会へ

文・野口美恵(スポーツライター)

シニアデビューの今季、日本女子の台風の目となっているのが坂本香織選手だ。
全日本選手権で2位となり平昌五輪代表に選ばれると、2018年四大陸選手権で優勝。五輪開幕を直前に、世界へ存在感をアピールしている。今季にかける思いを聞いた。

試合ごとに自信をつけて成長
「3回転できたらホンモノ」
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まずは四大陸選手権での優勝おめでとうございます。

納得いく演技で優勝できたことが、すごく嬉しいです。台湾に来るのは3回目で、去年の世界ジュニア選手権でも自分の演技ができてメダルを獲れたので、自分にとって良い場所。そのままの勢いでいこうと、前向きな気持ちで演技できました。

今季はシニアデビューでしたが、試合を重ねるごとに成長していますね。

今季の最初の方は、まだまだジュニア上がりという感じでした。シードや大会免除は一切なく、すべての大会に出ないと次に進めない立場だったので、地方大会から出ていきました。少しでもシニアで自信をつけようと、積み上げていった感じで、全日本選手権までで8試合もありました。たくさんの試合に出ることで、一歩一歩レベルアップできました。この調子のまま五輪へ繋げていきたかったので、とりあえず四大陸選手権もパーフェクトの演技をしようというのは心に決めていました。

ショート、フリーともにパーフェクトの演技でしたね。

フリーのあとは、ガッツポーズして「よっしゃ」と叫びました。緊張で足がガクガクして、ジャンプも自分が納得いくほど大きなジャンプではなかったです。それでも大きなミスがなかったので良かったな、と。

いつもより緊張したのですか?

すごく緊張しました。五輪代表に選ばれた理由が、勢いやミスのない演技だと思うので、「ここでミスしたら、選んでもらった理由と合わなくなっちゃう」と思っていて、今回もノーミスでやらないと、という緊張がありました。全日本選手権は、ただ表彰台を目指して自分だけと戦っていたけれど、今回は色々なことが頭をよぎったんです。

どんな事がよぎりました?

「五輪代表らしくちゃんとしないといけない」、「今回出ている選手の中に、負けたことがある選手がいる」、「いまの私なら勢いがあるから勝てるかな」、「とりあえず頑張ろう」と色々です。

宮原さんのことは意識しましたか?

宮原さんと勝負とは考えていませんでした。でも宮原さんは演技構成点が出るので、私は技術の点数でとにかく稼げるところは稼ごうとは思っていました。特にジャンプで加点もらえるのは自分にとって稼ぎ所で、そこは誰にも譲れない部分。今回も加点で点数を取れたことは良かったです。

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緊張のなか力を発揮できたコツはありますか?

試合の前はいつも笑顔でいった方が良いと先生からも言われているので、とにかく笑顔を意識しました。あとは練習通りやるだけと開き直っていました。

四大陸選手権での優勝は意識していましたか?

勝ち負けよりは出し切ろうと思っていました。(三原)舞依ちゃんは連覇を狙っていたので、少しはお互いの勝負を意識していましたけど。先生からは「ワンツーフィニッシュ」と言われていました。昨年に舞依ちゃんが優勝した大会なので、本当に頑張れば自分も表彰台には乗れるだろうと思って頑張ってきたので、良かったです。

3大会連続で210点超えとなりました。

3回連続でできたらホンモノと言ってきたので、3回連続で達成できて、ちょっとだけ自分を褒めて良いのかなと。でもスピンやステップで取りこぼしがあったので、まだ成長できると思います。

具体的にはどんな課題が?

ショートはステップで、フリーはスピン2つで取りこぼしがありました。全日本選手権では絶対に取りこぼしはダメと思って、スピンとステップだけで1時間は練習していましたが、年明けからはそこまで練習していなくて、それがそのまま出ました。悔しい部分です。

小学生時代から「背中を追い掛けてきた」
「今の自分は、舞依ちゃんのおかげ」
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子供の頃から一緒に練習してきた三原舞依さんと共に、ワンツーフィニッシュとなりました。

舞依ちゃんとは小さいころから一緒に練習してきていて、やっぱり舞依ちゃんもこの試合で実力を最大限発揮するだろうと思っていたので、自分も負けられないと思って必死に練習してきました。だから2人ともノーミスの演技ができたことが良かったです。

三原選手との出会いは?

スケートを始めたのは私の方が先で、幼稚園の年長の時にクラブに入りました。舞依ちゃんは小1、私が小2のときからクラブに入ってきました。負けん気の強い子が来て、すぐに上手になって「うまい!やばい!」って感じでした。私はのんびりしてて成長の速度は遅かったので、中野園子先生が「ダブルアクセルをどっちが先に跳べるか」と競い合う状況にしてくれて、頑張るようになったんです。そこからは、励まし合い、刺激し合いながら、ここまで来れました。

坂本さんはジャンプ、三原さんは演技、という感じでそれぞれの持ち味がありますね。

昔から私はジャンプが好きで、ジャンプの練習ばかりしていました。舞依ちゃんはステップの練習をずっとできるけど、「ステップで何をそんなに練習することがあるの?」と思ってしまう。それくらい私はジャンプばっかり練習していました。

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小さい頃からジャンプは得意だったのですか?

ジャンプは好きだったんですが、3回転を5種類まで跳べたのは、舞依ちゃんが先でした。そのすぐに私も跳べましたが、舞依ちゃんにちょっとずつ負けているのが悔しくて・・・・・・。「私はジャンプしか舞依ちゃんに勝てないのに」って思って、そこからは「質を高めていこう」と思ってたくさん練習して、今に至ります。

去年は三原選手が優勝した大会で、今度は坂本さんが優勝と、続きましたね。

昔から、「舞依ちゃんの行った道をいけば、うまいこといける」と思っていて、まさに舞依ちゃんが表彰台に乗った大会で乗れたな、と改めて思います。去年のこの時期、舞依ちゃんは練習でもノーミスをしていて、そうやって自信をつけていって、優勝に繋がったのを見ていました。だから私も、練習からノーミスするというのが必要なんだ、と思って。それで私も今年は練習からノーミスできるようにしてきて、その結果、試合での緊張をかき消せるようになりました。

全日本選手権では2人の明暗がわかれましたが、五輪が決まった立場の坂本さんとしては複雑な気持ちもあったことでしょう。

結果は出てしまったので、それは仕方ないことです。舞依ちゃんが行きたかった気持ちの分も、私がしっかり五輪でやるしかありません。でも舞依ちゃんが四大陸選手権に決まり、初めて大きな国際大会に2人揃って行けるので発表の直後に、お互い頑張ろうという気持ちを言い合いました。

三原選手はどんな存在ですか?

舞依ちゃんは、色んなことを先に経験して、その経験を私が見て真似するという感じです。キツイことも、楽しいことも一緒にやってきました。昨年、先に舞依ちゃんがシニアで成績を出していたので、私はずっと舞依ちゃんの背中を見て追い掛けてきました。舞依ちゃんのお陰で今の自分がある、舞依ちゃんがいなかったらここまで本当に来れませんでした。

五輪の目標は「片手!」の5位以内と
「他競技の選手とも交流したい」
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いよいよ五輪が近づいてきました。ジャンプの構成など作戦は変わりませんか?ショートでは、ジャンプをすべて1.1倍になる後半に入れていますね。

はい。先生たちが、「フリーでジャンプ4つ続く所があるんだから、ショートの後半で3つならできる」と言って決めました。それが大変なんですが・・・・・・。最初の頃は、ステップを全力でやった後にどうやって息を整えるのかわからなくて、後半のジャンプの前にすでに呼吸が乱れてしまっていました。

どうやって演技後半のジャンプを決められるようになったのでしょう?

とにかくステップをたくさん練習しました。ステップを身体に馴染ませて、無意識に動ける状態にしていくことで、呼吸が乱れないようにしました。だから試合の時は、落ち着いてと考えながら滑っています。とにかく練習の積み重ねです。

演技は今季の始めよりも、大きくなってきたのでは?

縮こまって滑るよりも、大きく滑ったほうが、空気も吸いやすいし、のびのび滑れます。のびのび滑ることでジャンプも流れやすくなるので、良いことづくしになるのかなと思います。

五輪での目標は、年始には10位以内と言っていましたが、もう少し上を目指せそうですか?

じゃあ片手(5位)で。無茶やな。でもまあ片手で!

他にも楽しみなことは?

普段はフィギュアスケート以外の選手とあまり交流がないので、他の競技の選手とおしゃべりしたいと思います。スピードの小平奈緒選手とはツーショットを撮りたいです!

五輪ではどんな気持ちで演技をしたいですか?

今季は、まだ世界で戦えるレベルじゃないので「前の試合で出した自分の結果よりも上に行こう」ということを繰り返してきました。だからまずは四大陸選手権での自分に勝つことです。あとは、現地にいってからしっかりリンクに身体を慣らして、自分の滑りをしたいです。

ありがとうございます、五輪での最高の演技を期待しています!

2018年1月、四大陸選手権にて取材

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