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セルゲイ・ボロノフ※2018/12/3更新

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今季のプログラム

スポーツライター 野口美恵's EYE

ISU グランプリファイナル 2017

今季30歳を迎えたセルゲイ・ボロノフ。今季は、4回転トウループの精度と、安定した演技を武器に、力強い演技を見せてくれています。GPファイナル進出は2014年以来2度目となります。

ボロノフは、若い頃から4回転トウループの技術に優れ、ロシアの上位選手として地位を築いてきました。しかしエフゲニー・プルシェンコと同時期にロシアのトップグループとして戦ってきたこともあり、五輪出場の機会には恵まれませんでした。トリノ、バンクーバー、ソチと3度の五輪出場を逃し、いよいよ今季30歳にして初の五輪出場を目指しています。

ショートは『アディオス・ノニーノ」で、4回転トウループを入れます。今季はほとんどミスなく演技をまとめ、力強いジャンプと滑りに見応えがあります。

フリーは『サラバンド組曲』。4回転トウループを前半に2本入れており、これさえ決まれば、後半のジャンプはしっかりまとめる力があります。

NHK杯では、パトリック・チャンや村上大介が欠場、羽生結弦も直前に棄権という波乱のなか、最年長の30歳であるボロノフ選手が、驚異的な集中力をみせ初優勝を飾りました。GPシリーズ出場12年目にして初優勝というタイトルに、会場は大興奮。自身も演技直後にカメラに向かって日本語で「ありがとー、つかれた」とメッセージを語り、ベテランらしいウィットも感じさせました。

ボロノフの今季の演技で素晴らしい点は、ベテラン選手が自分のスタイルのまま長く現役を続けているのではなく、新たな採点基準に合わせてあらゆる工夫をしていることです。例えば、トリプルアクセルの着氷後に、イーグルを繋げることで、GOE(出来映え)のプラス点を稼ぎます。またスピンもレベルやGOEを獲得するために、ドーナツスピン、脚を持ち上げる姿勢、さらにフライングでの脚換えなど、たくさんの技を追加しています。

「今がまさに花を咲かせているシーズン」とボロノフ自身が語るように、30歳の今、ジャンプの安定感と体力、演技力のすべてが成熟したバランスにあります。まずはGPファイナルで、その存在感を世界に示してくれることでしょう。

ISU グランプリファイナル 2018

飽くなき進化を続ける脅威の31歳、それがセルゲイ・ボロノフです。2006年にシニアに移行してから、13年目のシーズンにしてGPファイナル2年連続進出という快挙を遂げました。

ボロノフの武器は、確実な4回転トウループです。今季のGPシリーズでの成功率は、ショート、フリーを通じて100%です。NHK杯を観戦していた32歳の髙橋大輔が、「ボロノフは年齢が1歳しか違わないけれど、第一戦で活躍して4回転も決めている。自分もこのままじゃダメ。1本だけでも4回転を決めたい」と話したほど、ボロノフの4回転トウループはパワフルで男気に溢れています。髙橋はボロノフの演技後に、「素晴らしかった」と声をかけ、ボロノフは「僕のほうこそ髙橋は憧れの選手。光栄です」と話していました。

そして今季見逃せないのは、ボロノフのフリー『Way Down We Go』です。これは今年7月に夭逝したデニス・テン(享年25歳)が振り付けしたプログラムです。このプログラムはテンにとって振付師デビューでもあり、その直後に亡くなったため、最初で最後の作品となってしまいました。

しゃがんだ姿勢でのダブルスリーターンや、両手を力強く広げる動きなど、テンを彷彿とさせる振付が散りばめられた、哀悼のプログラムです。

「デニスが振り付けしてくれたただ一つのプログラム。プログラムを最高のものにする使命が僕にはあります。彼が天国から見てくれていると思いながら演じています」とボロノフ。

その思いは、31歳からの新たな挑戦という形でも現れました。ボロノフはGPシリーズ初戦アメリカ杯で、初めて4回転ループに挑戦。惜しくも回転が足りずに転倒してしまいましたが、31歳になってもなお、新しい4回転を組み込もうとするファイトに、今までのシーズンにはない熱意を感じさせました。

またNHK杯は4回転トウループとトリプルアクセル2本を降り、気迫の演技。フィニッシュポーズでしゃがんだまま座り込んでしまうほど全力の魂を込めた演技に、感動を呼びました。

また表彰式で、メダルプレゼンテーターが荒川静香と発表されると誰よりも大きな拍手を送るなど、ベテランの選手ならではの気遣いも見せてくれました。

ジャンプの力強さだけでなく、人間性や生き方にまで魅力が溢れるボロノフ。31歳の今、彼にしか見せることのできない、人生をかけた演技に注目です。

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