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眼科機器の搭載技術

2018/12/27技術紹介

光干渉断層計(OCT)

#ヘルスケア#イメージング技術#社会貢献#機械工学#電気工学#物理学

網膜の高精細な三次元断層画像の取得を可能に

「OCT」とは、「Optical Coherence Tomography」(光干渉断層計)の略で、光の干渉を利用して眼の断層画像を撮影する装置です。

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OCT像(断層像)

光には「波」の性質があり、「干渉」は、波と波が重なり合うときに波が強め合ったり弱め合ったりする現象のことをさします。それぞれの波の形が似ている場合、干渉しやすくなりますが、波の形がお互いに似ていない場合は、干渉しにくくなります。この干渉のしやすさを「コヒーレンス」(干渉性)といいます。

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操作性と高画質が評価されている「OCT-HS100」

OCTは、光の干渉現象を利用した装置です。光源からさまざまな波長の光を送り、光カプラという複数の光ファイバーを結合・分岐するためのデバイスを用いて、ミラーに送る光と眼の奥にある網膜に送る光の2つに分け、ミラーに反射して返ってくる光を基準となる参照光として、網膜の各層から戻ってくる光と参照光を重ねて干渉の強さを測定し、情報を処理して画像にします。こうして、OCTは網膜の3次元的な構造を映し出すことができます。

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OCTの仕組み

キヤノンのOCTは、深さ分解能が3μm(※1)と、通常のOCTよりも高い解像度を有しています。それに加えて、最大200枚の断層像を重ね合わせる「加算平均処理(※2)」を行うことで、非常に高精細な断層像が得られます。この処理により、網膜色素上皮(RPE)(※3)周辺のエリプソイドゾーン(※4)やインターディジテーションゾーン(※5)などの境界線など、さまざまな層構造を観察することが可能となります。

  • (※1)3μm(マイクロメートル)
    1μm(マイクロメートル):100万分の1メートル
  • (※2)加算平均処理
    画像を重ね合わせて高感度ノイズを目立たせなくさせる方法
  • (※3)網膜色素上皮
    網膜の最も外側の層を覆う組織
  • (※4)エリプソイドゾーン
    視細胞外節と内節の接合部分
  • (※5)インターディジテーションゾーン
    視細胞外節の先端部分

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「OCT-HS100」で見ることの出来る層構造

光干渉断層血管撮影(OCTA)

#ヘルスケア#イメージング技術#社会貢献#物理学

OCTを用いて眼底血管画像を写し出す

キヤノンでは、OCTの断層画像から血管の画像を得る「OCT Angiography(アンジオグラフィ)」(以下OCTA)も開発しています。OCTAは、OCTの信号強度の時間変化を画像化することで、血流を高精細に描出できる技術で、既に眼科診療で広く普及しているOCTの臨床応用の幅をさらに拡大する可能性を秘めています。OCTA検査は、人によっては強いアレルギー反応が出る造影剤を使用しないため、身体に負担を与えずに、血管の走行を確認することができます。

OCTAでは、同じ場所で時間のずれたOCT の断層像を複数枚撮影します。時間のずれた断層像を比較すると、血管のあるところだけは赤血球が動いているために、信号強度が変わります。OCTは信号強度が変化した部分を認識し、その部分を血管として抽出し強調して表示することによって、まるで造影眼底写真のような眼底血管の画像を得ることができるのです。

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OCTを用いて眼底血管画像を写し出す仕組み

OCTA Averaging

#ヘルスケア#イメージング技術#社会貢献#情報工学#物理学

重ね合わせを用いることで、高画質のOCTA画像が安定して得られる

「加算平均(Averaging)」とは、画像を重ね合わせて高感度ノイズを目立たなくさせる方法です。キヤノンはこの技術をOCTの断層像だけではなく、OCTA画像にも適用しました。複数回撮影した画像に対して加算平均を用いて背景ノイズを減らし、さらにひずみを補正することで、血管の連続性が改善した高コントラストのOCTA画像が得られます。OCTA Averagingにより画質が安定することによって、面積密度などの定量化においてもより信頼性の高い数値を得ることが可能になります。

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OCTA Averagingの仕組み

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