効率的なデジタルデータ化のために、多くの独自技術を搭載
フィルムや写真、文書などをデジタルデータ化するスキャン技術には、キヤノンの高度な光学技術、電子デバイス技術、ソフトウエア技術などの独自技術が数多く盛り込まれています。
2018/12/27
作業効率の向上と省エネルギー化を実現
旧来のCCD方式のスキャナーは、起動時やスリープモードからの復帰ウォームアップ時間(約30秒)が必要な蛍光ランプを光源にしていました。LEDを光源に使用すればウォームアップ時間が不要になりますが、LEDは点光源のため均一な光量を得られる線光源に変換する技術が不可欠でした。
キヤノンは、CIS方式のスキャナーで培ってきたLEDの導光技術を応用、LEDの設置方法や光を導くライトガイドの形状などを工夫することで、「高輝度白色LED」を光源として採用することを可能にしました。スキャナーを起動させた直後から安定した光量を確保し、ウォームアップ時間ゼロを実現。スキャン後のランプ点灯も不要になり、省エネルギーとなっています。
白色LED採用によるウォームアップ時間の削減
キヤノンのフラットベッドタイプスキャナーには、CCD方式とCIS方式の2種類があります。CCD方式は白色LEDなどの光源で原稿を照らし、高精度な光学系と高密度のCCDラインセンサーで読み取る高精細、高画質を追求したモデルです。CIS(Contact Image Sensor:コンタクトイメージセンサー)方式は、光源にRGB3色のLEDを用い、原稿と同じ幅のCISで読み取る、薄型・省電力モデルです。
CCD方式とCIS方式
スキャナーの性能では、本体メカニズムに加えてスキャナーからのデータを処理し、画像を正しく再現するドライバー機能も重要です。キヤノンのスキャナー用ドライバー「ScanGear」は、使いやすいだけでなく、さまざまな画像処理機能を盛り込んでいます。このような画像処理技術は、キヤノンのデジタルイメージング機器に共通するプラットフォーム技術をベースに、スキャナーに特化して工夫を重ねている技術です。
フィルムスキャン用の高解像度スキャナーは、目に見えないフィルム上の微細なごみや傷まで鮮明に読み込んでしまいます。ごみ傷除去技術は、赤外LEDによる赤外光でごみや傷を検出。光源による走査で得た画像からごみや傷の大きさ・形状、周囲データの特徴を判断して除去し、ハードウエア処理とソフトウエア処理を高度に融合させて、画像を美しく再現します。
褪せや色かぶりした画像のヒストグラムを解析。色相・カラーバランス・コントラスト・彩度を自動補正して、変色する前の色を鮮やかに再現します。
開いた本をスキャンした時にできるとじ部の影を目立たなくします。画像の濃度差からとじ部が浮いてできた影を検出、明るさを自動的に補正します。