CANON TECHNOLOGY

閉じる

イメージイメージ

多目的カメラ(ME20F-SH)に搭載された技術

キヤノンが開発した超高感度多目的カメラにより、防災・防犯から映像制作まで幅広い用途で、これまでは映し出すことが難しかった映像の撮影が可能になりました。

2018/12/27技術紹介

暗闇もまるで昼間のように撮影可能

「ME20F-SH」は、キヤノンがイメージセンサーと映像処理プラットフォームを独自に開発し、業界最高感度(※1)の最低被写体照度0.0005ルクス(※2)以下(※3)を実現した多目的カメラです。肉眼では被写体の識別が困難な暗闇でも、まるで昼間のように撮影することができ、夜間の監視や自然災害の状況確認、野生動物の生態調査などで活用されています。

  • (※1)業界最高感度
    2015年7月30日時点
  • (※2)ルクス
    光源によって光が照らされた面が受ける光の明るさを示す単位
  • (※3)
    最大ゲイン75dB時、ISO感度400万相当

イメージ

実際の映像

35mmフルサイズCMOSセンサー

#産業機器#イメージング技術#電気工学#物理学#化学#半導体

カメラの高感度化は、カメラの内部にどれだけ多くの光を取り込めるかがカギになります。イメージセンサーのサイズを大きくすることで感度性能が向上することから「ME20F-SH」では、35mmフルサイズの大CMOSセンサーを採用。加えて、さらなる高感度化のため、センサーの画素一つひとつにできるだけ多くの光を取り込めるように工夫を施しました。一般に、感度と解像度はトレードオフの関係にあり、画素数を増やし、解像度を上げると画素の面積が小さくなるため感度性能が下がり、反対に、画素面積を大きくし感度性能を高めると、画素数が少なくなるため解像度が低くなります。

イメージ

一般的な箱型カメラとの画素ひとつあたりの面積比較

「ME20F-SH」では、両方のバランスを考慮し、解像度を1920x1080のフルHD動画撮影に特化することで、1辺あたり19マイクロメートル(※4)という巨大な画素を割り当てています。さらに、画素一つひとつに届いた光を無駄なく電子に変換できるよう、画素上部に配置したマイクロレンズが最大限に取り込み、フォトダイオードに届ける構造にしています。

  • (※4)マイクロメートル
    1,000分の1ミリ

イメージ

画素内の構造

一方で、画素を大型化すると、フォトダイオードで光から変更された電子を読み出し回路に誘導する時間が大幅にかかってしまうという問題があります。キヤノンでは、電子を流れやすくするために画素の中に多段のポテンシャル構造を設け、段の数や形状、角度など「坂道構造」を新たにデザインして最適化を実現し、大きな画素でも効率良く情報を読み出せるよう工夫しています。

イメージイメージ

フォトダイオード内に多段のポテンシャル構造を設計

ノイズ低減技術

#産業機器#イメージング技術#電気工学#情報工学

キヤノンはオンチップノイズ除去技術により、固定パターンノイズを除去。画素内完全電荷転送技術によってランダムノイズも抑制しました。
ランダムノイズは、信号を高速処理するほど大きくなるという問題があるため、キヤノンのCMOSセンサーでは、信号読み出し時、設定感度に応じてあらかじめ増幅を行い、S/N比の高い信号を高速アンプに送る独自技術を搭載。高速の増幅処理によってランダムノイズも大きくなる他方式と異なり、高感度設定や長秒時露光にも充分に耐えうる低ノイズセンサーを実現しています。

イメージ

ノイズの種類

固定パターンノイズを取り除く、オンチップノイズ除去技術

#産業機器#イメージング技術#電気工学#情報工学

固定パターンノイズは、画素アンプのばらつきなどによって起こります。異なる時刻に撮影しても、いつも同じ画素に発生するのが特徴です。オンチップノイズ除去技術では、ひとつの光信号に対してまずノイズ情報のみを、次に光信号を乗せて読み出し、後者から前者を引くことで、固定パターンノイズをゼロに近づけることを可能にしました。

イメージ

ランダムノイズの発生を抑える、画素内完全電化転送技術

#産業機器#イメージング技術#電気工学#情報工学

フォトダイオード(電荷の蓄積部)を完全にリセットするとランダムノイズを押さえることができるため、キヤノンは、光電荷の蓄積部と信号の読み出し部をそれぞれ独立に設計することにしました。まず、蓄積部に残留したノイズ電荷を読み出し部に転送することで、フォトダイオードの完全なリセットとノイズ初期値の保持・読み出しを実現。続いて、光電荷とノイズ電荷を一緒に読み出し、先のノイズ情報を引くことで、ランダムノイズの影響を抑え、センサー出力のS/N比を高めました。

イメージ

ダイナミックレンジ

#産業機器#イメージング技術#物理学

「ME20F-SH」は、映像処理プラットフォーム、DIGIC DV4を搭載しています。映像処理プラットフォームは、イメージセンサーから受けた電子を映像や画像に変換する役割を果たし、センサー情報の補正やノイズ処理なども行うため、画質の良し悪しを決める重要なパーツの1つです。
DIGIC DV4は、センサーから送られてくる大量のデータを高速で処理でき、低照度撮影時に起こりがちな低照度の黒つぶれや高輝度部の白とびを軽減することが可能です。具体的には、暗い部分と明るい部分の輝度差が4,000倍以上あるシーンでもS/Nを充分に確保したまま、クリアに映像をとらえることができ、一般的なビデオカメラに比べて、2倍以上のダイナミックレンジを保有しています。

イメージ

低照度撮影時イメージ

コンテンツの改善に関するフィードバックをぜひお送りください

このコンテンツはお役に立ちましたか?

理由をお聞かせください

ご協力いただき、ありがとうございました。
今後もより良いコンテンツ制作をめざしてまいります。

トレンド記事

イメージ

2018/12/27

技術紹介

ミラーレスカメラ

一眼レフで培った技術とノウハウで撮影領域を拡大

イメージ

2018/12/27

活動紹介

綴プロジェクト

最新デジタル技術と伝統工芸を融合し日本の美を未来に継承

イメージ

2018/12/27

活動紹介

人工衛星の開発

キヤノン電子が参入した人工衛星ビジネスの可能性

イメージ

2017/09/14

開発者が語る

高精細CT

圧倒的な解像度を誇る高精細CTの開発秘話

カテゴリ

CANON TECHNOLOGY TOPに戻る