7月28日(木)、日本経済新聞社大阪本社が主催する「日経STEAM2022シンポジウム」にて「風神雷神図屏風」と「松島図屏風」の高精細複製品を使ったアート鑑賞のワークショップが開催されました。講師は、中学・高校の美術教師として、アートを通して“ものの見方を広げる”ことに力点を置いた授業を行ってきた末永幸歩先生*。その授業内容を一般向けに書きおろした『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)は17万部を突破するベストセラーとなっています。
ワークショップでは、高校生から大人まで世代の異なる参加者が、俵屋宗達の傑作「風神雷神図屏風」と「松島図屏風」を対象とし、“自分だけの答え”をつくる美術鑑賞を体験しました。
まずは、各々で作品をじっくりと観察し、気づいたこと・思ったことを書きだし、“どこからそう感じたのか?”“そこからどう感じるのか?”を自分自身に問いかけます。次に、“もし、そうでないとしたら・・・?”と自分がしていた見方を否定することで、違う見方についても思いを巡らせます。最後に、これらの見方をもとに、短いお話を紡いだり、勝手な作品解説を書いたものを、参加者同士で共有して対話を行います。
これらの手立てに沿って参加者の方々は作品とじっくりと向き合い、それぞれが出した「自分だけの答え」は、実に様々でした。「松島図屏風」では、日本海の荒海に土の神が登場して波を鎮めるストーリーや、作品をラーメンの丼の中の宇宙と見立てラーメンへの愛を感じたという参加者も。「風神雷神図屏風」では、風神さまと雷神さまが戦っている、一緒にいたずらをしようと考えている、協力して釣りをしている、など、十人十色の見え方が発表されました。
末永先生は、「日本美術は、見る人の見方で多様に見える。そういう見方が古くから根付いていたのではないか。自分なりのものの見方をすることを大切にすると同時に、自分の見方を常に否定してみることで、違う見方の可能性を残しておくことも大切だと思います」と語られました
*末永幸歩 プロフィール
美術教師/アーティスト
武蔵野美術大学造形学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科(美術教育)修了。浦和大学こども学部講師、東京学芸大学個人研究員。
アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いた探究型の美術の授業を、中学校や高等学校で展開してきた。現在は、子どもの創造性を育む造形教育、各種教育機関での講演、大人向けセミナーなど、アート思考に関する活動を年間100回以上行う。参加者からは「美術がこんなに面白かったなんて!」「物事を考えるための基本がわかる」と反響を得ている。
著書に16万部突破のベストセラーとなった『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)がある。
*末永幸歩 プロフィール
美術教師/アーティスト
武蔵野美術大学造形学部卒業、東京学芸大学大学院教育学研究科(美術教育)修了。浦和大学こども学部講師、東京学芸大学個人研究員。
アートを通して「ものの見方を広げる」ことに力点を置いた探究型の美術の授業を、中学校や高等学校で展開してきた。現在は、子どもの創造性を育む造形教育、各種教育機関での講演、大人向けセミナーなど、アート思考に関する活動を年間100回以上行う。参加者からは「美術がこんなに面白かったなんて!」「物事を考えるための基本がわかる」と反響を得ている。
著書に16万部突破のベストセラーとなった『13歳からのアート思考』(ダイヤモンド社)がある。