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活動情報

2024年6月4日

池田孤邨 筆「紅葉に流水・山景図屏風」の高精細複製品を阿賀野市へ寄贈

2024年1月24日、綴プロジェクト第16期で制作した池田孤邨 筆「紅葉に流水・山景図屏風」(原本:スミソニアン国立アジア美術館蔵)の高精細複製品を、新潟県阿賀野市へ寄贈しました。

「紅葉に流水・山景図屏風」は江戸時代後期に江戸琳派の絵師として活躍した池田孤邨の代表作です。表には金色の雲と小川に映える色鮮やかな紅葉、裏には水墨による山水画の世界が広がっており、全く異なる画風を見事に描き分ける孤邨の技量の高さを示す孤邨畢生の大作と言われています。

オリジナルの文化財の所蔵元である米国・スミソニアン国立アジア美術館は、設立者の遺言により所蔵作品を門外不出としているため、本作品は現地を訪問しない限り、鑑賞することができません。池田孤邨は、越後国水原近辺(現在の新潟県阿賀野市)出身とされており、綴プロジェクトにて高精細複製品を寄贈することで、池田孤邨ゆかりの地への里帰りが実現しました。

寄贈作品は今後、阿賀野市と隣接する新潟市の協力も得て、阿賀野市内および新潟市内における一般公開、学校教育の現場などでの活用が予定されています。

また、今回の寄贈を記念して、2024年1月25日(木)から3月1日(金)までの期間、阿賀野市内の4つの施設で寄贈作品が巡回展示され、市民の皆様にガラスケースなしでの作品鑑賞を楽しんでいただきました。来場された方からは、「地元でとてもすばらしい作品を見ることが出来て良かった」「作品を近くで見る事が出来た」など、大変ご好評をいただきました。

寄贈作品の目録贈呈
寄贈作品の目録贈呈
寄贈式での記念撮影
寄贈式での記念撮影
展示会場の様子
展示会場の様子
展示会場の様子
展示会場の様子

2024年6月4日

尾形光琳 筆「松島図屏風」の高精細複製品を京都市立芸術大学へ寄贈

2024年4月25日、綴プロジェクト第15期で制作した尾形光琳 筆「松島図屏風」(原本:米国・ボストン美術館蔵)の高精細複製品を、京都市立芸術大学(京都府京都市)へ寄贈しました。

江戸時代中期に活躍し、琳派の大成者としても知られる尾形光琳は、江戸時代初期に活躍した琳派の祖、俵屋宗達に深く傾倒し、宗達に倣った作品をいくつか残しています。本図も宗達筆「松島図屛風」の右隻をもとに描かれたものですが、光琳独自の解釈が加わり、波の動きなど一層ダイナミックな表現が見られます。この屏風は、米国の美術研究家であるアーネスト・フェノロサが日本を訪れた際に購入したもので、1911年よりボストン美術館にて所蔵されています。

京都で生まれ育ち、京都の地から世界で認められる絵師となった尾形光琳のように、京都で芸術を学ぶ多くの学生にも世界に向かって大きく羽ばたいてほしいという願いを込めて、京都市立芸術大学へ本作品を寄贈しました。寄贈作品は、同大学内の一般開放エリアにて展示※1され、ガラスケースに遮られない間近での鑑賞をお楽しみいただけます。また、教育関連施設等への貸出し、教育分野や地域連携における活用なども検討されています。

※1 平日8:30~17:15の間、A棟1階伝統音楽研究センター図書館前で見学可能。(土日・祝日および貸出し等の使用期間は見学できません。)

ニュースリリース「尾形光琳「松島図屏風」の高精細複製品を京都市立芸術大学に寄贈 同大学内の一般開放エリアにて展示 | キヤノングローバル (global.canon)

寄贈式での記念撮影
寄贈式での記念撮影
寄贈作品を鑑賞する学生たち
寄贈作品を鑑賞する学生たち
金泥と墨で描かれ躍動感あふれる波の部分
金泥と墨で描かれ躍動感あふれる波の部分
京都市立芸術大学の新キャンパス
京都市立芸術大学の新キャンパス

2023年12月27日

俵屋宗達 筆「扇面散図屏風」の高精細複製品を金沢美術工芸大学へ寄贈

2023年11月27日、綴プロジェクト第16期で制作した俵屋宗達 筆「扇面散図屏風」(原本:スミソニアン国立アジア美術館蔵)の高精細複製品を、金沢美術工芸大学(石川県金沢市)へ寄贈しました。

米国・ワシントンD.C.にあるスミソニアン国立アジア美術館では、創設者チャールズ・ラング・フリーア氏の遺言により、その所蔵作品は門外不出とされ、美術館に行かなければ見ることができません。そこで、綴プロジェクトでは日本美術の宝庫といわれる同美術館の名品の数々を、オリジナルの作品に限りなく忠実な高精細複製品として日本への里帰りを実現してきました。

「扇面散図屏風」はフリーア氏が購入する前に加賀にあったという記録が同美術館に残されており、俵屋宗達にゆかりのある金沢の地にて、広く皆様に親しんでいただきたいという想いから金沢美術工芸大学へ寄贈しました。

今回の寄贈を記念して、2023年11月27日(月)~12月1日(金)のあいだ、「日本美術の名品 -石川県ゆかりの絵師を中心に-」と銘打って、「松林図屏風」(長谷川等伯 筆)などの石川県にゆかりのある作品を含む6作品の高精細複製品を同大学にて一般公開しました。

ニュースリリース「俵屋宗達「扇面散図屏風」の高精細複製品を金沢美術工芸大学に寄贈 寄贈作品を含む6作品を同大学内にて一般公開

寄贈式での記念撮影
寄贈式での記念撮影
寄贈作品を前に談笑する関係者
寄贈作品を前に談笑する関係者
寄贈記念展示の様子
寄贈記念展示の様子
金沢美術工芸大学のキャンパス
金沢美術工芸大学のキャンパス

2021年11月5日

国宝「風神雷神図屏風」の高精細複製品を京都府の建仁寺へ奉納

2021年11月5日、綴プロジェクト第14期で制作した国宝「風神雷神図屏風」の高精細複製品を、京都府の臨済宗大本山建仁寺(以下、建仁寺)へ奉納しました。

建仁寺が所蔵する国宝「風神雷神図屏風」は、琳派(りんぱ)の祖、俵屋宗達の最高傑作と言われ、日本を代表する文化財のひとつです。作品保護の観点から、現在は京都国立博物館に寄託されており、一般公開される機会が限られています。

本作品の複製制作は、綴プロジェクト第4期でも手掛けておりますが、今期では、この10年間で進化した最新技術を用いて、オリジナル文化財をより忠実に再現した高精細複製品を新たに制作しました。制作にあたっては、オリジナル文化財を高性能フルサイズミラーレスカメラ「EOS R5」で撮影し、総画素数約42億画素の高解像度データを取得。キヤノンの最新デジタルイメージング技術と京都伝統工芸の匠(たくみ)の技の融合により、金地に墨の濃淡で表現される黒雲や顔料の粒子、細線などの細部に至るまで忠実に再現しています。

奉納した高精細複製品は、建仁寺で展示され、参拝者は随時、鑑賞できます(拝観料は別途必要)。

ニュースリリース「日本の文化を未来に継承する「綴プロジェクト」にて国宝「風神雷神図屏風」の高精細複製品を京都府の建仁寺へ奉納

奉納式での記念撮影
奉納式での記念撮影
新しく制作された高精細複製品(左)と旧作品
新しく制作された高精細複製品(左)と旧作品
新旧の作品を見比べて再現力の向上を確認
新旧の作品を見比べて再現力の向上を確認
新旧比較について説明するキヤノンの技術者
新旧比較について説明するキヤノンの技術者

2021年6月21日

国宝「孔雀明王像」の高精細複製品を国立文化財機構へ寄贈

2021年6月21日(月)、綴プロジェクト第14期で制作した国宝「孔雀明王像」の高精細複製品を、独立行政法人 国立文化財機構(以下、国立文化財機構)へ寄贈しました。

国宝「孔雀明王像」は、大型の絹本(約150×100cm)に穏やかな表情の孔雀明王が描かれ、柔らかく繊細な彩色と着衣や装飾品に施された截金(きりかね)※1が特徴的です。平安時代に描かれた孔雀明王像で唯一の現存とされる本作品は、院政期に栄えた優美で洗練された彩色と技法を今に伝える大変貴重なもので、「綴プロジェクト」で手掛けた中でもっとも古い時代の作品です。

高精細複製品の制作にあたっては、文化財への負担を可能な限り低減しながら、キヤノンの最新デジタルイメージング技術と京都伝統工芸の匠(たくみ)の技を融合することで、わずか0.2mmほどの細さにもなる精緻を極めた截金部分や彩色の繊細なニュアンスまでも忠実に再現しました。

寄贈した作品は、2021年6月22日より2022年3月31日まで、東京国立博物館本館特別3室※2に新しく開設された常設の体験展示スペース「日本美術のとびら」に展示されます。

ニュースリリース「国宝「孔雀明王像」(掛け軸)の高精細複製品を国立文化財機構へ寄贈 寄贈作品を東京国立博物館「日本美術のとびら」にて展示

※1 仏画や仏像の装飾に使う技法で、細長く切った金や銀の箔を用いて、繊細で華麗な文様を描き出す。
※2 東京国立博物館への入館にはオンラインによる事前予約が必要です。詳細は東京国立博物館ホームページをご確認ください。

「孔雀明王像」の優美な彩色と精緻な截金部分
「孔雀明王像」の優美な彩色と精緻な截金部分
「日本美術のとびら」の“かんじる”コーナー
「日本美術のとびら」の“かんじる”コーナー
掛け軸コーナーに展示された「孔雀明王像」の高精細複製品
掛け軸コーナーに展示された「孔雀明王像」の高精細複製品
屏風コーナーに展示された「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風」の高精細複製品
屏風コーナーに展示された「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風」の高精細複製品

2020年10月26日

国宝「松林図屏風」などの高精細複製品5点を国立文化財機構へ寄贈

2020年10月26日(月)、東京国立博物館において、綴プロジェクト第13期で制作した「松林図屏風」「納涼図屏風」「歌舞伎図屏風」「秋草図屏風」「唐船・南蛮船図屏風」の高精細複製品を、独立行政法人 国立文化財機構へ寄贈しました。

国宝「松林図屏風」(長谷川等伯筆)は、霞に包まれて見え隠れする松林のなにげない風情を情緒豊かに表現した、近世水墨画における最高傑作といわれる作品です。綴プロジェクトでは第1期(2007年度)に同作品の高精細複製品を制作・寄贈していますが、撮影システムの刷新やプリント技術の向上により、今期では総画素数が約54億画素の高解像データを取得し、オリジナルにより忠実な高精細複製品の制作を実現しました。

2020年10月27日より12月6日まで東京国立博物館で開催されている、親と子のギャラリー トーハク×びじゅチューン!「なりきり日本美術館リターンズ」では、綴プロジェクトで寄贈した「松林図屏風」、文化財活用センターとの共同研究プロジェクトで制作した「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風」の高精細複製品が展示されます。本イベントでは、高精細複製品に映像を投影するプロジェクションマッピングを行うなど、高精細複製品ならではの新たなアート体験が提供されます。

また、東京国立博物館の北側庭園にある九条館にて「納涼図屏風」(10月27日~11月8日)、「秋草図屏風」(11月10日~23日)、「歌舞伎図屏風」(11月25日~12月6日)が展示されます。なお、九条館の使用が予定されている日の展示は行いません。

ニュースリリース「国宝「松林図屏風」などの高精細複製品を国立文化財機構へ寄贈 寄贈作品を東京国立博物館にて展示」

第13期寄贈作品の目録贈呈
第13期寄贈作品の目録贈呈
「松林図屏風」の高精細複製品を使用した展示
「松林図屏風」の高精細複製品を使用した展示
「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風」の高精細複製品を使用した展示
「風神雷神図屏風・夏秋草図屏風」の高精細複製品を使用した展示
九条館に展示された「秋草図屏風」の高精細複製品
九条館に展示された「秋草図屏風」の高精細複製品

2019年6月24日

フリーア美術館が所蔵する葛飾北斎の肉筆画13点の高精細複製品を墨田区へ寄贈

2019年6月24日(月)、東京都墨田区のすみだ北斎美術館において、「綴プロジェクト 高精細複製画で綴る スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展」のオープニングセレモニーが開催され、その中で綴プロジェクトの第12期作品として制作した米国の国立スミソニアン協会フリーア美術館が所蔵する葛飾北斎の肉筆画13点の高精細複製品を墨田区へ寄贈しました。

日本美術の宝庫として知られるフリーア美術館は、所蔵品の門外不出を掲げており、現地を訪問しない限り、鑑賞することができません。
同館が所蔵する日本美術1万2,700点の中から、葛飾北斎の肉筆画13点を選び、それらの高精細複製品を北斎ゆかりの地である墨田区に寄贈することで、日本絵画の名品の“里帰り”が実現しました。

寄贈した作品は、2019年6月25日より8月25日まで、すみだ北斎美術館で開催される「綴プロジェクト 高精細複製画で綴る スミソニアン協会フリーア美術館の北斎展」で展示されます。

オープニングセレモニーでの記念撮影
オープニングセレモニーでの記念撮影
畳を敷き座って鑑賞
畳を敷き座って鑑賞
玉川六景図の高精細複製品
玉川六景図の高精細複製品
十二ヶ月花鳥図の高精細複製品
十二ヶ月花鳥図の高精細複製品

2018年10月29日

文化財の高精細複製品の制作と活用に関する共同研究プロジェクト発足
「平家物語 一の谷・屋島合戦図屏風」を文化財活用センターへ寄贈

2018年10月29日(月)、キヤノンと国立文化財機構文化財活用センター(以下、文化財活用センター)は、文化財の高精細複製品の制作と活用に関する共同研究プロジェクトの発足について発表しました。共同研究プロジェクトでは、キヤノンと特定非営利活動法人 京都文化協会による「綴プロジェクト」の技術を用いて高精細複製品を制作するとともに、高精細複製品の新しい活用方法について共同研究および実証実験を行います。

また、当日は共同研究プロジェクトの発足を記念し、綴プロジェクト第11期作品で制作した「平家物語 一の谷・屋島合戦図屏風」の高精細複製品を文化財活用センターへ寄贈しました。同屏風は江戸時代の作品で、平家の滅亡を導いた二つの戦いが両隻に描き分けられています。オリジナルは現在、英国大英博物館に所蔵されていますので、今回の寄贈により、日本絵画の名品の“里帰り”が実現しました。

「平家物語 一の谷・屋島合戦図屏風」の高精細複製品は、10月23日から12月2日まで、東京国立博物館で展示されました。

ニュースリリース「国立文化財機構文化財活用センターとキヤノン株式会社による文化財の高精細複製品の制作と活用に関する共同研究プロジェクト発足

発表会の様子
発表会の様子
作品を鑑賞するメディア関係者
作品を鑑賞するメディア関係者

2018年7月3日

「津島祭礼図屏風」を愛知県津島市と愛西市に寄贈

2018年7月3日(火)、愛知県の津島市観光交流センターにおいて、第11期で制作した「津島祭礼図屏風」の高精細複製品を津島市と愛西市への寄贈を行いました。

「津島祭礼図屏風」は、江戸時代の作品で、津島神社の祭礼として600年近く続いている「尾張津島天王祭」の様子を描いた作品です。オリジナルは現在、英国大英博物館に所蔵されていますが、本祭礼が開催されている津島市・愛西市に寄贈したことにより、日本絵画の名品の“里帰り”が実現しました。

「津島祭礼図屏風」は、尾張津島天王祭が開催される2018年7月29日まで津島市・愛西市の各施設で順次展示されました。

寄贈式の様子
寄贈式の様子
「津島祭礼図屏風」の高精細複製品
「津島祭礼図屏風」の高精細複製品

2018年6月28日

「秋冬花鳥図」を奈良県の談山神社に奉納
奉納の様子
奉納の様子

2018年6月28日(木)、奈良県の談山神社において、第11期で制作した「秋冬花鳥図」の高精細複製品を奉納しました。

「秋冬花鳥図」は、江戸時代の作品で、雁や鴨、白椿や千両など秋冬の景物が描かれた襖です。オリジナルは現在、英国大英博物館に所蔵されていますが、元々は「大化の改新」の談合の地として知られる談山神社にあったことから、今回の奉納により、日本絵画の名品の“里帰り”が実現しました。

「秋冬花鳥図」は、談山神社の重要文化財である神廟拝所で常時展示されます。

「秋冬花鳥図」の高精細複製品
「秋冬花鳥図」の高精細複製品
奉納した作品が展示される神廟拝所
奉納した作品が展示される神廟拝所

2017年6月30日

「四季山水図屏風」「韃靼人狩猟・打毬図屏風」を制作し、京都国立博物館へ寄贈

2017年6月30日(金)、京都国立博物館において、綴プロジェクトの第10期で制作した「四季山水図屏風」「韃靼人狩猟・打毬図屏風」の高精細複製品の寄贈を行いました。

「四季山水図屏風」は、室町時代の式部輝忠の作品です。画面右からの梅、滝、紅葉、雪山によって四季が象徴され、右隻から左隻への連続図様となる六曲一双の山水図屏風です。式部輝忠の作品は、大画面の作品としては本作品を含め数例が知られるのみです。

「韃靼人狩猟・打毬図屏風」は、桃山時代の狩野宗秀の作品と伝わっています。本作品は、韃靼人と呼ばれるモンゴル高原に住んでいた遊牧民族が、狩猟や現代の球技ポロに通じる打毬に興じる様を、金地に濃彩で描いた六曲一双の屏風です。

両作品のオリジナルは現在、米国サンフランシスコ・アジア美術館に所蔵されています。この度、高精細複製品を京都国立博物館へ寄贈することで、これら名品の日本への“里帰り”が実現しました。

「四季山水図屏風」「韃靼人狩猟・打毬図屏風」の高精細複製品は、京都国立博物館の平成知新館グランドロビーに展示され9月3日(7月28日から8月2日を除く)まで特別公開されます。

平成知新館グランドロビーに展示された様子
平成知新館グランドロビーに展示された様子
寄贈式の様子
寄贈式の様子
寄贈式の様子
寄贈式の様子
京都国立博物館 平成知新館
京都国立博物館 平成知新館

2016年4月11日

狩野山楽・山雪筆「天球院方丈障壁画」22面を制作し、天球院へ寄贈
今回寄贈した「梅・柳に遊禽図」が設えられている「梅の間」の様子
今回寄贈した「梅・柳に遊禽図」が設えられている「梅の間」の様子

2016年4月11日(月)、京都 臨済宗妙心寺派 天球院において、綴プロジェクトの第9期で制作した「天球院方丈障壁画」22面の高精細複製品の寄贈を行いました。

綴プロジェクトでは2012年から5年に渡って「天球院方丈障壁画」のうち金碧画の制作を行ってまいりました。今回の狩野山楽・山雪筆「梅・柳に遊禽図」などの寄贈をもって、天球院方丈の「朝顔の間」、「虎の間」、「梅の間」を飾る全56面のリプレイス事業が完成いたしました。寄贈後、オリジナル文化財は京都国立博物館に寄託され、良好な環境下で保管されます。

天球院は通常、非公開ですが、複製品に置き換わることで、今後は春と秋に特別公開される予定です。

寄贈式の様子
寄贈式の様子
臨済宗妙心寺派 天球院
臨済宗妙心寺派 天球院

2016年3月18日

土佐光吉筆「源氏物語図屏風」を制作し、平等院へ寄贈
平等院ミュージアム鳳翔館に設えられた「源氏物語図屏風」
平等院ミュージアム鳳翔館に設えられた「源氏物語図屏風」

2016年3月18日(金)、京都 平等院において、綴プロジェクトの第9期で制作した「源氏物語図屏風」の高精細複製品の寄贈を行いました。

全54帖からなる「源氏物語」のうち、「関屋」、「御幸」、「浮舟」の場面が描かれる本作は、元々部屋を取り囲む襖の一部であったと考えられており、現在は米国のメトロポリタン美術館に所蔵されています。「綴プロジェクト」では、メトロポリタン美術館の協力のもと、「源氏物語図屏風」の高精細複製品を制作し、源氏物語の舞台でもある京都宇治の平等院に寄贈することで、日本への里帰りを実現しました。

「源氏物語図屏風」4曲1双の高精細複製品は、平等院ミュージアム鳳翔館に設置され4月24日まで特別公開されました。

寄贈式の様子
寄贈式の様子
世界遺産・平等院
世界遺産・平等院

2015年4月23日

長谷川等伯筆「龍虎図屏風」を制作し、大分県立美術館へ寄贈
寄贈記者発表会
寄贈記者発表会

「綴プロジェクト」では、ボストン美術館の協力のもと、「龍虎図屏風」の高精細複製品を制作し、2015年4月24日(金)にオープンする大分県立美術館に寄贈しました。

2015年4月23日(木)にはオープンに先駆けて記者発表会が行われ、綴プロジェクト作品がお披露目されました。今後、館内での展示や大分県の全小学生6万人を招待する「小学生ファーストミュージアム体験事業」などで鑑賞教育に活用される予定です。

長谷川等伯の晩年の名作「龍虎図屏風」は、現在、米国のボストン美術館に所蔵されています。

開館記念式典内の寄贈式
開館記念式典内の寄贈式
寄贈式後に公開された「龍虎図屏風」
寄贈式後に公開された「龍虎図屏風」
新しくオープンとなった大分県立美術館
新しくオープンとなった大分県立美術館
「小学生ファーストミュージアム体験事業」の様子
「小学生ファーストミュージアム体験事業」の様子

2015年3月13日

曽我蕭白筆「雲龍図」を制作し、天龍寺へ寄贈
大方丈、龍の間に設えられた「雲龍図」
大方丈、龍の間に設えられた「雲龍図」

2015年3月13日(金)、京都 天龍寺において、綴プロジェクトの第8期で制作した「雲龍図」の高精細複製品の寄贈を行いました。

江戸時代の画家、曽我蕭白が手掛けた「雲龍図」は、もともとは襖(ふすま)として描かれていたと考えられており、現在は米国のボストン美術館に所蔵されています。「綴プロジェクト」では、ボストン美術館の協力のもと、「雲龍図」の高精細複製品を制作し、寺号の由来が「龍」にゆかりの深い天龍寺に寄贈することで、曽我蕭白が誕生した地である京都への里帰りを実現しました。

「雲龍図」全8面の高精細複製品は、国の史跡・特別名勝に指定されている曹源池庭園に面する大方丈龍の間の壁面に設置されます。高精細複製品は毎年、年間90日程度、特別公開される予定です。

寄贈式の様子
寄贈式の様子
国の史跡・特別名勝に指定された曹源池庭園と大方丈
国の史跡・特別名勝に指定された曹源池庭園と大方丈