2025年2月4日
日本美術の傑作が
高精細複製品で岡山に集結!
2024年9月13日から10月20日まで、岡山シティミュージアムにて、特別展「一度は見たい 国宝・名宝!?展 ~高精細複製品で実現 キセキの名品選~」が開催され、俵屋宗達、尾形光琳、葛飾北斎など日本美術の巨匠が描いた国内外の国宝・名宝 計15作品の高精細複製品が展示されました。
展覧会は、「海外に渡った日本の文化財」と「国内にある国宝・名宝」の二つのテーマで構成され、なかなか見られない日本古来の貴重な文化財が一堂に会し、日本美術の巨匠たちの夢の競演となりました。さらに、オリジナルの文化財では叶わない、ガラスケース無しでの展示や、作品に描かれた世界を音と映像で楽しめるプロジェクションマッピングなど、日本の文化財を身近に感じる鑑賞体験が提供されました。
第一章「海外に渡った日本の文化財」
入るとすぐに俵屋宗達と尾形光琳の「松島図屏風」が展示されていました。宗達の「松島図屏風」は、米国のスミソニアン国立アジア美術館が所蔵している作品で、日本にあれば間違いなく国宝だといわれる名品です。光琳の「松島図屏風」は宗達をリスペクトし、約100年後に描いた作品で、今はボストン美術館が所蔵しています。単なる模写にとどまらない光琳独自の解釈が加えられ、波の動きなどに一層ダイナミックな表現が見られます。琳派の祖である宗達と琳派を大成した2人の作品を見比べ鑑賞できる空間でした。
続いては、曽我蕭白の「雲龍図」と長沢芦雪の「白象黒牛図屏風」の向かい合わせでの展示でした。描かれているモチーフは違いますが、奇想の絵師と呼ばれる2人の作品をじっくり堪能できました。
また、その横には、俵屋宗達の「雲龍図屏風」、そして、葛飾北斎が描いた「雲龍図」が並びます。2024年は辰年ということもあり、3人の絵師の描いたそれぞれの龍を色々な角度からじっくり鑑賞する来場者がたくさんいらっしゃいました。
第一章で特に注目すべきは、米国・スミソニアン国立アジア美術館が所蔵する門外不出の作品です。「松島図屏風」、「群鶴図屏風」、「富士田園景図」など、現地でしか鑑賞できない名品の数々が会場に並び、本展覧会だけの豪華なラインナップを楽しむことができました。
第二章「国内にある国宝・名宝」
第二章、最初の注目ポイントは、安土桃山時代を代表する絵師の競演です。狩野永徳とライバル関係にあった長谷川等伯、それぞれの代表作が並べて展示されました。狩野永徳が描いたのは、大迫力の唐獅子。対する等伯が描いたのは、墨の濃淡だけで湿った大気まで表現した松林。描かれているモチーフやイメージは異なりますが、それぞれ2人の画力が発揮されており、圧倒的なパワーを感じる空間となっていました。
その他にも、若冲の「樹花鳥獣図屏風」や、岡山にゆかりのある雪舟が描いた「山水長巻」、国宝の「風神雷神図屏風」など、まさにキセキの名品が並びました。さらに、「風神雷神図屏風」と「松林図屏風」には、作品の世界観を音と映像で楽しめるプロジェクションマッピングが数十分に一度投影され、複製品ならではの鑑賞体験が提供されました。
会期中のイベントとして、スミソニアン国立アジア美術館のフランク・フェルテンズ氏によるギャラリートークや、文化財活用センターによるアウトリーチプログラムが実施されました。来場者からは、「名作を堪能できた」、「原本と見分けがつかないほどのクオリティ」、「プロジェクションマッピングが圧巻だった」などの声が寄せられました。
開催概要
一度は見たい 国宝・名宝!?展 ~高精細複製品で実現 キセキの名品選~
- 日時
- 2024年9月13日(金)~10月20日(日)
- 会場
- 岡山シティミュージアム
- 主催
- 一度は見たい 国宝・名宝!?展実行委員会(岡山シティミュージアム、テレビせとうち)
- 共催
- 綴プロジェクト(キヤノン株式会社、特定非営利活動法人 京都文化協会)
- 特別協賛
- 株式会社大本組
- 協力
- 独立行政法人国立文化財機構 文化財活用センター