囲碁図(琴棋書画図のうち)いごず
作品データ
- 作者:
- 狩野派(かのうは)筆
- 時代:
- 安土桃山時代 16世紀
- 材質:
- 和紙に印刷・金箔貼付
- 員数:
- 襖四面
- テーマ:
- 海外に渡った日本の文化財
- 寸法:
- 各面 縦174.0 × 横139.7 cm
- 寄贈先:
- 花園大学地図
原本
- 所蔵:
- シアトル美術館
- 材質:
- 紙本金地着色
解説
元来、龍安寺の方丈に収められていた71枚の襖のうちの四面である。19世紀後半廃仏毀釈運動により龍安寺の敷地のほとんどは国に接収され経済事情が極度に悪化する中、福岡県の炭鉱王、伊東傳衛門に売却された。伊東傳衛門の邸宅である、通称「あかがね御殿」に龍安寺の襖絵がおかれていたが、漏電が原因で焼失、襖絵はたまたま庫裏に納められていたことから難を逃れた。これが機会で手放されることとなる(昭和26年〜27年頃)。その後の襖絵の経緯はようとして知られていないが、現在所在の知られている襖絵は、メトロポリタン美術館所蔵『列子御風図』四面および裏面に描かれた中国の古の人物描写画四面とシアトル美術館所蔵『琴棋書画襖のうち囲碁図』四面、イギリス美術商ロバート・ソワーズ氏所蔵『芭蕉図』全九面(京都の古美術商から購入)の全二十一面のみである。龍安寺に収められていた時を想定すると、枯山水の石庭の簡素さと、狩野派により描かれた絢爛豪華な金碧障壁画の対比がその空間に表されており、禅文化独特の様相を表していると言える。