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平家物語 一の谷・屋島合戦図屏風

へいけものがたり いちのたに・やしまかっせんずびょうぶ

平家物語 一の谷・屋島合戦図屏風 展示の様子

平家物語 一の谷・屋島合戦図屏風

へいけものがたり いちのたに・やしまかっせんずびょうぶ

高精細複製品

材質
和紙に印刷・金箔貼付
制作
綴プロジェクト 第11期 2017-2018年
寄贈先
東京国立博物館(国立文化財機構)

原本

時代
江戸時代 17世紀
材質
紙本金地着色
員数
六曲一双
寸法
各隻 縦155.4 × 横373.8 cm
所蔵
大英博物館

解説

平家の栄華から没落までを綴った「平家物語」は、成立以降、琵琶法師の弾き語りによって全国各地に知れ渡り、この流行を受けるかたちで室町時代末から江戸時代初期にかけて「平家物語」を主題とした屏風絵が数多く制作された。本作は右隻に寿永(じゅえい)3年(1184)、源義経らの率いる源氏の軍勢が奇襲をかけ平家を屋島に敗走させた「一の谷合戦」、左隻に翌年の文治(ぶんじ)元年(1185)、再び源義経が平家を急襲し、海上へと追いやった「屋島合戦」を描く。一の谷と屋島合戦の組み合わせは源平合戦図の中でも典型的ではあるが、両隻とも「鵯越の逆落とし(ひよどりごえのさかおとし)」、那須与一(なすのよいち)の「扇の的」などの逸話が、武将の組み合わせから装束に至るまで物語に忠実に描きわけられているところに特徴がある。作者は不明ながら、確かな画面構成力と緻密な描写力を備えた有力な画人の手によるものと考えられる。

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『文藝春秋』2018年12月号

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綴プロジェクト作品ができるまで

キヤノン先進のデジタルイメージング技術と京都の伝統工芸の匠の技の融合により、オリジナルの文化財に限りなく忠実に再現される高精細複製品。その制作プロセスについて紹介します。

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綴プロジェクトとは

綴プロジェクトの意義や想い、国宝や重文に指定された貴重な文化財や海外に渡った日本美術の高精細複製品の活用について紹介します。