鍋冠祭図なべかんむりまつりず
作品データ
- 作者:
- 葛飾北斎(かつしかほくさい)筆
- 時代:
- 江戸時代 19世紀
- 材質:
- 和紙に印刷・金彩
- 員数:
- 二曲一隻
- テーマ:
- 海外に渡った日本の文化財
- 寸法:
- 縦162.3 × 横166.0 cm
- 寄贈先:
- 墨田区
- 収蔵:
- すみだ北斎美術館地図
原本
- 所蔵:
- フリーア美術館
- 材質:
- 紙本着色金彩
解説
本作は「玉川六景図」と同様、フリーアが日本美術商・小林文七に斡旋された、山形県酒田の豪商の一族である本間耕曹から1904年に購入した、北斎の肉筆画二十点のうちのひとつ。
子どもを連れた母親を含む三人の女性たちが、画面左の赤い狩衣を来た神主からお祓いを受けている。鍋冠祭は、毎年5月3日、滋賀県米原市にある筑摩神社で行われる祭礼で、女性が関係を持った男性の数だけ鍋をかぶり神輿に従ったという。古くは「伊勢物語」に詠まれるなど、平安時代には既に都でも広く知られた祭だったようで、日本三大奇祭の一つに数えられる。本作の落款に北斎は「東陽」と冠しており、近江の人の依頼で描いたと推測されている。