雷神図らいじんず
作品データ
- 作者:
- 葛飾北斎(かつしかほくさい)筆
- 時代:
- 江戸時代 19世紀
- 材質:
- 和紙に印刷
- 員数:
- 一幅
- テーマ:
- 海外に渡った日本の文化財
- 寸法:
- 縦126.9 × 横53.8 cm
- 寄贈先:
- 墨田区
- 収蔵:
- すみだ北斎美術館地図
原本
- 所蔵:
- フリーア美術館
- 材質:
- 紙本着色
解説
渦巻く暗雲の中、背中の太鼓を打ち鳴らす雷神。頭上から走る二本の赤い閃光と黒い飛沫が荒天を予感させる。古来より日本人にとってなじみの深い雷神であるが、俵屋宗達「風神雷神図屏風」をはじめ、多くの雷神図が親しみを感じさせるのに対し、北斎が描く本作はその存在が畏怖の対象である事を再認識させる。落款から88歳の作品とわかるが、衰えは全く感じられず、むしろ最晩年にあっても尽きる事のない北斎のエネルギーを強く感じさせる。
元の所蔵者であった東洋美術史家のアーネスト・フェノロサは、本作について「これまでに見た日本美術の『雷神』を題材とした作品の中で、最も優れた作である」と高く評価している。