年始回りの遊女図ねんしまわりのゆうじょず
作品データ
- 作者:
- 葛飾北斎(かつしかほくさい)筆
- 時代:
- 江戸時代 19世紀
- 材質:
- 絹本に印刷
- 員数:
- 一幅
- テーマ:
- 海外に渡った日本の文化財
- 寸法:
- 縦110.4 × 横41.8 cm
- 寄贈先:
- 墨田区
- 収蔵:
- すみだ北斎美術館地図
原本
- 所蔵:
- フリーア美術館
- 材質:
- 絹本着色
解説
豪華な衣装と髪飾りで艶やかに装った花魁が、着物の褄(つま)を取りながら年始回りのため郭(くるわ)を歩く、道中の姿が描かれる。徳川幕府公認の遊郭であった吉原には、元旦・二日に「仕着日(しきせび)」という、遊女屋から遊女にそれぞれの格に応じた小袖が贈られる風習があり、彼女たちはそれを着て、茶屋などに年始の挨拶に回ったという。道中の際の歩き方は「八文字」とよばれ、本図の通り、花魁たちは下駄を高く上げ、足先をぐるりと弧を描くようにして、ゆっくりと歩を進めた。華やかな本作は「前北斎戴斗(たいと)」の落款から、北斎50歳代の頃の制作とわかる。