洛中洛外図屏風(舟木本)
らくちゅうらくがいずびょうぶ(ふなきぼん)
高精細複製品
- 材質
- 和紙に印刷・金箔貼付
- 制作
- ぶんかつ共同研究プロジェクト 2019年
- 所蔵
- 東京国立博物館
原本
- 指定
- 国宝
- 作者
- 岩佐又兵衛(いわさまたべえ)
- 時代
- 江戸時代 17世紀
- 材質
- 紙本金地着色
- 員数
- 六曲一双
- 寸法
-
第一・六扇 各 162.5 × 54.2 cm
第二ー五扇 各 162.5 × 58.3 cm - 所蔵
- 東京国立博物館
解説
京都の市中と郊外を描く。多くの洛中洛外図は、街の東半分を西から見て描いたものと西半分を東から見たもので一組となっているが、ここでは京都の中心部だけを南から見て描いている。滋賀の舟木家に伝来し、舟木本の名で親しまれている。
6枚のパネルをつないだ屏風が、左右で1セットになっています。京都の中心部を南から眺めた風景を描いています。右下にむかって斜めに流れる川が、左右の画面をつないでいます。これは京都の東を南北に流れる鴨川で、ここよりも西(画面左方)が洛中(らくちゅう・京都の市街)、東(画面右方)が洛外(らくがい・郊外)です。右端の大きなたてものは豊臣秀吉が建てた方広寺大仏殿。左端には徳川氏の二条城を置き、京都のまちをはさんで対立させているようです。 老若男女、およそ2500人の人びとが遊び、暮らすさまが、生き生きと描かれています。たとえば、右側の屏風の中央やや左手にかかる大きな橋を見てみましょう。これは五条大橋。お花見の帰りなのか、浮かれ騒いでいる集団が橋を渡っています。先頭では、扇や桜の枝を持った人たちが踊りくるっています。最後尾には両脇を抱えられ、酔いつぶれた男。この大騒ぎに驚いて、橋の下からは船頭さんが見上げています。遊んでいる子どもたちがいたり、喧嘩をしている人たちがいたり、一人ひとりの顔の表情に注目してみると、屏風の世界に引き込まれてしまいます。 さらに、 三十三間堂、清水寺、八坂神社、祇園祭など、今も訪ねることのできる京都の名所や行事を探してみる楽しみ方もあります。作者の岩佐又兵衛(いわさまたべえ)は安土桃山時代から江戸初期にかけて京都、福井、江戸で活躍した画家で、生き生きとした人物描写を得意としました。
— Colbase解説より