観楓図屏風かんぷうずびょうぶ
作品データ
- 作者:
- 狩野秀頼(かのうひでより)筆
- 時代:
- 室町~安土桃山時代 16世紀
- 材質:
- 和紙に印刷
- 員数:
- 六曲一隻
- 寸法:
- 縦150.2 × 横365.5 cm
原本
- 所蔵:
- 東京国立博物館
- 材質:
- 紙本着色
解説
画中に押された印章から、狩野秀頼筆とわかる。元信の次男の秀頼とする説、孫の秀頼とする説がある。
画面右奥の伽藍は京都・高雄の神護寺、左奥の雪に閉ざされた参道は、愛宕神社に続く道と見られ、一般に「高雄観楓図(たかおかんぷうず)」と呼ばれている。紅葉の名所として名高い高雄の清滝川のほとり、紅葉の下で着飾って酒食を楽しむ男女や僧の姿と、寺社へ向かう橋を前景に描く。楓の葉の赤が全体に散りばめられ、画面の彩りは豊かであるが、色調はむしろ重厚で、落ち着いた風格がある。
画面を秋の景物で埋めながら、一部に冬の景色も描いてあり、平安時代以来の四季絵の伝統を踏まえた構成になっている。失われた他の1隻の屏風には、おそらく春夏の景物が描かれていたものと見られる。-e国宝解説より