歌舞伎図屏風
かぶきずびょうぶ
高精細複製品
- 材質
- 和紙に印刷・金箔貼付
- 制作
- 綴プロジェクト 第13期 2019-2020年
- 寄贈先
- 東京国立博物館(国立文化財機構)
原本
- 指定
- 重要文化財
- 作者
- 菱川師宣(ひしかわもろのぶ)
- 時代
- 江戸時代 17世紀
- 材質
- 紙本金地着色
- 員数
- 六曲一双
- 寸法
- 縦165.8 × 横366.4 cm
- 所蔵
- 東京国立博物館
解説
6枚のパネルがつながった屏風が、2つでセットになった6曲1双の作品です。江戸時代前期の浮世絵師、菱川師宣が歌舞伎の劇場を描いたものです。右隻の右側に、中村座という芝居小屋の入り口が描かれています。入り口の両脇には演目の書かれた看板がかけられ、男性たちが観客を呼び込んでいます。中へと進んで行くと、そこは舞台です。役者たちが総出演の、華やかな踊りの場面です。地面に座り、舞台を見上げる観客たちは、おしゃべりをしたり笑ったり、それぞれに楽しんでいる様子です。お母さんの膝の上で見る子どもや、赤ちゃんにおっぱいをやるお母さんもいます。舞台の左右では、御簾(みす)越しに芝居を観ている、身分の高そうな女性や、屏風で仕切られた席で楽しんでいる男性たちもいます。こちらは特別席でしょうか。一人ひとりの顔の表情、しぐさ、ファッションにいたるまで、お芝居をする側も、観る側も、こまやかに、生き生きと描かれています。
左隻の右側には、劇場の楽屋が描かれています。顔を洗う人、髪を結う人、衣装を身につける人、お茶を点てる人など、舞台の裏側ならではの場面ばかり。さらに左側に目をうつすと、そこは芝居小屋とつながってある芝居茶屋(しばいじゃや)の内部です。楽器の演奏にのって舞を舞う人物、その舞を見ながらお酒を飲む人、桜を眺める人などがあらわされています。ここは、役者が客をもてなす、特別なサロンのようなところのようです。一般の観客が誰でも見ることができる舞台とはちょっと違う空間のようですね。人物ひとりひとりが生き生きと描かれていて、活気あふれる作品です。 ふつうの屏風よりも20センチほど大きい、高さ170センチの屏風です。サイズから言っても、特別注文で作られた品でしょうか。
— Colbase解説より