山野行楽図屏風
さんやこうらくずびょうぶ
高精細複製品
- 材質
- 和紙に印刷
- 制作
- ぶんかつ共同研究プロジェクト 2021年
- 所蔵
- 文化庁
原本
- 指定
- 重要文化財
- 作者
- 与謝蕪村(よさぶそん)
- 時代
- 江戸時代 18世紀
- 材質
- 紙本淡彩
- 員数
- 六曲一双
- 寸法
- 各隻 縦155.1 × 横388.0cm
- 所蔵
- 東京国立博物館
解説
三人の旅人は、月の浮かぶ夜明け前の山野を馬に任せるまま進み、四人の老いた高士は、童僕の手を借りながら、清流を越え、急な山道を登る遅々として進まぬ旅をゆくさまが描かれています。中国風の主題を俳趣あふれる描写に置き換えた、蕪村の代表作の一つです。
広々とした野山を行く人びとが描かれた、2枚でセットの屏風です。右の屏風では、まだ月の浮かぶ夜明け前の道のりを、3人の旅人が馬とともに進みます。左の屏風では、4人の老人が、子どもに助けられながら川を渡り、急な山道を登っています。景色や人物は、墨に加えて透明感のある淡い色合いであらわされ、風そよぐ清々しい空気がこちらまで伝わってくるようです。 この作品を描いたのは、18世紀後半に活躍した俳人であり画家の与謝蕪村(よさぶそん)。これは蕪村が50代後半頃の作品です。彼はまず俳諧師(はいかいし)としてスタートし、俳句をともなうシンプルな絵画、俳画(はいが)に個性を発揮しました。活躍の場が絵画の世界になっても蕪村は俳諧の心を失わず、その独特な軽妙さがそのまま彼の絵画の魅力となっています。中国ふうのテーマではありますが、おかたい偉い人という雰囲気ではなく、人物の表情などはユーモラスです。
— Colbase解説より