1992優秀賞
ARTIST STATEMENT
290 tears
この作品は、僕の手から見る人の手へ、手から手へと渡そうとした作品であったと思います。ですから、できれば本であるとか、それに近い形で、もう少し多くの人の手に渡したいと思っています。僕は写真を本では見るのですが、ギャラリーには行かないし、というかギャラリーで写真を見てても落ち着かないし、なんかアガッテしまうので、今後は僕なりに展示とか空間を意識した作品を作ろうと思っています。今回受賞できたことに、素直に喜びを感じています。自分が少しずつ解放されつつあるような気がします。すごく自由です。
審査評 選:飯沢 耕太郎
個々のイメージを綴れ織のようにつないでいく技術と感覚がいいので、見ていてプライヴェート・ムーヴィーの様で心地よい。自分の世界を丁寧に作り上げていこうとする意欲は感じられるのだが、世界そのものが弱々しい印象もある。完成度の高さをかって選んだが、次はもう一回りスケールアップした作品を期待したい。
PROFILE