1992優秀賞
ARTIST STATEMENT
TORSO
花が好き。植物が好き。人が好き。それを写真で表現するのが好き。最近は何だか写真の事ばかり考えています。以前は絵も描いていましたが、いつの間にか写真にのめり込むようになり、外を歩いている時や、電車に乗ってぼーっとしている時などにふと思いついたものを、気の向くままに撮っています。音のない、透き通った空気の中での内に秘めた力強さのある情景が好きです。
今までは木炭紙に感光乳剤を塗って表現することが多かったのですが、「TORSO」に関しては、そういった技術的なことに頼らずにテーマそのものを見て欲しい、という思いから普通のバライタ紙を使いました。それがこういった形で評価されたことはとても嬉しいです。
限りなく自分自身に近いもの、そして私でなければ撮れないものを撮っていきたいと思います。
審査評 選:飯沢 耕太郎
作品に迫力がある。体を張った甲斐があったというもの。花と裸体のとりあわせは、一歩間違えれば陳腐になりかねないところだが、イメージを多層的に重ね合わせて、パースペクティブを混乱させることでうまく救っている。ちょっと離れた場所から眺めると、裸と裸体の重なり具合が見る角度によって微妙に変化して面白い。技術的には問題なし。後はこのエネルギーをどこまで持続できるかだろう。
PROFILE